ナカバヤシ 減免された課徴金で自己株式の取得?

ナカバヤシは3/14、「自己株式の取得及び自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けに関するお知らせ」を公表しました。翌日には自己株式の取得完了のお知らせを出しています。

自己株式の取得

公表された取得の内容は、3/14の終値500 円で、280,000 株(上限)を買い付けるというもの。買付金額は総額 1億4,000万円(上限)となっています。翌日公表された結果では取得株数は274,400 株で、1億3,720万円の買い付けとなったようです。

ねんきん定期便談合

先日、3/3に公表された、ねんきん定期便談合について取り上げました。違反事業者は全部で26社。課徴金総額は 17億4,161万円という事件でしたね。課徴金納付命令対象事業者数は24社。ナカバヤシは3億1,071万円の課徴金を喰らってました。

実はこの3億1,071万円、課徴金減免制度が適用されていて、30%減額された金額なんですね。減額されていなければ4億4,387万円でした(本来の課徴金額ではナカバヤシがトップ)。1億3,316万円減額されていたということです。

株主へのお詫び?

あの事案から10日ほど経って公表されたのが、今回の自己株式の取得というニュースだったわけです。自己株式の取得にかかる金額が1億3,720万円。減免された課徴金の額が1億3,316万円。妙に金額が近いんですよね。

そもそも課徴金として国庫に納めるはずだったこの資金。談合という失態で株主に大きな迷惑をかけてしまったこともあり、この資金で自社株式を取得して株主価値を向上させ、お詫びしよう。そう考えたのかもしれませんね。いやいや、kuniの勝手な想像ですよ。

東宝株式会社 公正取引委員会が独禁法違反の疑いで調査

東宝は3/4、「公正取引委員会による当社子会社への調査協力要請について」を公表しました。子会社であるTOHOシネマズ株式会社が、映画配給会社との取引に関し、公正取引委員会から任意での調査協力要請を受け、3/3から当該調査が実施されたといいます。

東宝株式会社

東宝は映画の製作・配給のトップ企業。映画の興行や演劇の製作・興行、テレビ番組の製作なども手掛けています。阪急阪神HDが筆頭株主で、『ゴジラ』『ドラえもん』『ポケットモンスター』などの人気シリーズを持っています。もちろん東証1部上場企業ですね。

一昨年大ヒットした、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』も東宝でしたね。過去には『千と千尋の神隠し』や、『君の名は。』なんかも。

独禁法違反

公正取引委員会からは、関係法条として独占禁止法第3条及び第19条を提示されているとのこと。第3条は「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」という条文。第19条は「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」という条文です。

東宝からの開示はこれ以上の詳細情報がないのですが、報道によると、TOHOシネマズは取引先の映画配給会社に対し、自社に有利になるよう優先的な配給などを求めた疑いが持たれている。とのこと。また、他の映画館運営会社に配給しないよう要請し、応じない場合は取引しないことを示唆した可能性もあるんだそうです。

「私的独占」や「拘束条件付き取引」の疑いがかけられているということですね。疑いをかけられている作品は、なんなんでしょうね。この辺りkuniはあまり詳しくありません。

ねんきん定期便談合 26社の違反認定 課徴金17億円

公正取引委員会は3/3、「日本年金機構が発注するデータプリントサービスの入札等の参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令等について」を公表しました。特定データプリントサービスの入札等の参加業者が、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたということです。

特定データプリントサービス

「特定データプリントサービス」とは、日本年金機構が一般競争入札等の方法により発注する「ねんきん定期便の作成及び発送準備業務(直近1年間通知者用)」等の22業務に係るデータプリントサービスのこと。発注者から発注者の顧客のデータを預かり、データの編集・加工、印刷・印字、封入・封かん、発送準備などを行う業務です。

違反認定

違反事業者は全部で26社。課徴金額の大きい順に、東洋紙業株式会社、ナカバヤシ株式会社、共同印刷株式会社(ここまで課徴金は3億円超)、トッパン・フォームズ株式会社、北越パッケージ株式会社(ここまで1億円超)、といった面子です。課徴金納付命令対象事業者数は24社で、総額は 17億4,161万円だそうです。

日本年金機構

今回公取委が公表した文書において注目は、「日本年金機構に対する要請」という部分。談合が行われやすい状況を作っていたことや、入札談合が行われている旨の情報について通報を受け、内部調査を行ったにもかかわらず、その結果を含むこの談合情報を公正取引委員会に通報しなかったことを指摘しています。

日本年金機構の前身である社会保険庁時代にも、支払通知書等貼付用シールの入札談合事件というのが発生しています。違反事業者もそうだけど、胴元がゆるいってのも、かなり大きな要因です。

スマートバリュー サイネックス 公正取引委員会による立入検査

地方自治体が発注するウェブサイト管理システムを巡り、競合他社の参入を妨げた疑いで、公正取引委員会は情報システム開発のスマートバリュー、サイネックスの関係先を独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで立ち入り検査しました。

スマートバリュー

スマートバリューは、公的手続きのオンライン化を推進する「デジタルガバメント」と、クルマに関するデータ利活用を支援する「モビリティ・サービス」からなるクラウドソリューション事業を手掛ける東証1部上場企業。

サイネックス

サイネックスは、50音別電話帳「テレパル50」などを発行し、広告枠の販売を収益とする出版事業が中核。このほか、インターネットの地域情報サイトなどを運営するICTソリューション事業、ロジスティクス事業などを展開する、こちらも東証1部上場企業です。

疑われている不公正な取引方法

自治体がウェブサイトの編集や更新に使う、コンテンツ管理システム(CMS)。誰でも利用可能なオープンソースのソフトウエアを使って開発する業者が多いようですが、スマートバリューはオープンソースを使わず、自前でCMSを開発する企業。

そこで両社は複数の地方自治体に対し、事業者の提案を総合評価する「プロポーザル方式」で受注企業を募る際の仕様書に、オープンソースのソフトウエアを使っていないCMSであることを要件に盛り込むよう働きかけていたようです。このことで、オープンソースを利用する企業の取引を妨害した疑いがあるということです。

オープンソースを利用することで安価で構築できる(多くの企業が競える)という面と、オリジナルのプログラムでセキュリティを堅牢にできるという面。両方一理あると思われます。この案件の審議はかなり難しいものになりそうです。

ねんきん定期便談合 二十数社に課徴金

日本年金機構が発注した「ねんきん定期便」などの帳票の作成及び発送準備業務に関する談合問題で、公正取引委員会は、二十数社に排除措置命令や課徴金納付命令の処分案を通知しました。報道によると課徴金の総額は約14億円だそうです。

談合とは(復習)

談合とは、国や地方自治体の公共事業などの入札の際に、入札業者同士で事前に話し合って落札させたい業者を決め、その業者が落札できるように入札内容を調整すること。刑法上は談合罪(刑法96条の3)の適用があり、また不当な取引制限となる場合には独占禁止法に違反します。

二十数社

今回、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受け、同委員会より独占禁止法に基づく排除措置命令書(案)および課徴金納付命令書(案)に関する意見聴取通知書を受領したのが二十数社あるとのこと。

機構が発注するねんきん定期便や、年金振り込み通知書などのはがきや封書の印刷、発送準備業務の入札で、入札額や受注数量などを事前に調整していたということです。少なくとも数年以上続いていたといいます。

TDnetでの開示を見てみると、11/5までに、サンメッセ、光ビジネスフォーム、カワセコンピュータサプライ、トッパン・フォームズ、ナカバヤシ、ディーエムエス、共同印刷、の7社が当該事実を認めています。ただし、サンメッセは立ち入り検査は受けたが、命令書等は受領していないとしています。

課徴金の総額は約14億円とのこと。内訳をみると、トップはナカバヤシの3億1071万円。続いて、共同印刷 3億5百万円、トッパン・フォームズ 1億9600万円、ディーエムエス 7,835万円、光ビジネスフォーム 5,772万円、カワセコンピュータサプライ 1,840万円となっています。