キャッシュレス決済 第3回

日本でキャッシュレス決済が普及しにくい理由

前回軽く触れましたが、普及しにくい理由を再掲。

  1. 盗難の少なさや、現金を落としても返ってくると言われる「治安の良さ」
  2. きれいな紙幣と偽札の流通が少なく、「現金に対する高い信頼」
  3. 店舗等の「POS(レジ)の処理が高速かつ正確」であり、店頭での現金取扱いの煩雑さが少ない
  4. ATMの利便性が高く「現金の入手が容易」

実店舗側としての導入しない理由

店舗側はなぜキャッシュレス支払い(クレジットカード)を導入しないのか、というアンケートの結果を見ると、以下の理由がベスト5になってます。

  1. 手数料が高い(その分店舗側の利益が小さくなる)
  2. 導入によるメリットが感じられない
  3. 現場スタッフによる対応が困難
  4. クレジットカード決済を要望する声が少ない
  5. 導入費用が高い

こうしてみると、今まさに頻繁に報道されている「QRコードを使ったスマホによる決済」サービスは、この5つの理由にきちんと対処しているように見えますね。手数料は何年間は無料にする、スマホはほぼ誰でも持っているからメリットありそう、導入費用はタブレット端末のみ・・・。という感じで、店舗側の導入しない理由については克服できそうな感じです。ただ、「現場スタッフによる対応が困難」についてはビミョーですね。現場スタッフが若い人なら大丈夫だと思われますが。

消費者側の利用しない理由

  • キャッシュレスに対応していない店舗の存在
  • 使いすぎてしまう不安
  • セキュリティに対する不安
  • 購買履歴等を知られてしまう不安
  • 年輩層の不安(使いこなせるか)

このように、消費者側にもキャッシュレス決済を利用してこなかった理由がありました。店舗側と同様、これらの消費者側の理由についても対処していかなければなりません。中には店舗側、消費者側に共通した理由(課題)として、「年輩層が使いこなせるか」がありそうです。スマホ(消費者)とタブレット(店舗側)をどこまで簡単な操作にしてくれるのか、これは重要です。

今後、ニュースや記事に触れる際は、どの理由(課題)を克服するためのサービス、技術なのかも考えながら読んでみましょう。

(第3回 終わり)