ニチレイ(その3) サイバー攻撃の全容の解明よりも迅速なシステム復旧

二度にわたりニチレイのサイバー攻撃について触れましたが、今日はその3です。ここまで書いてきた迅速な復旧の意味するところを書いてみます。

最近、サイバー攻撃による障害が発生すると、サプライチェーン(取引先等)が受ける影響にメディアが興味を示します。当然ですよね。「うちはニチレイに興味ないけど、イオンでニチレイ以外の冷凍食品も買えなくなったら大変」とか「アイスクリームが買えなくなるの?」みたいに煽り、ニチレイとは直接関係ない人たちまで巻き込んで、視聴率を稼げるわけです。メディアは放っておきません。

こうした報道により、障害を発生させた企業はより大きなダメージを受けます。だからこそ、サイバー攻撃の全容解明よりも、迅速なシステム復旧(取引先との取引再開)の方が重要なのです。どのようなサイバー攻撃だったかではなく、皆さん自分がこれまで受けてきたサービスが提供されなくなることの方が格段に重要なわけです。

昨年発生したアスクルやアサヒ、復旧に向けた対応が遅々として進まず、業績への影響も数か月に及びました。その間に取引先からの信頼を失い、他社への鞍替えも少なくなかったといいます。ニチレイの障害復旧対応の姿勢が優れていたことは、今後ますます評価されていくと思います。

ニチレイ(その2) 侵入されないシステムなんてありえないのだから

昨今の情勢を受け、上場企業レベルではサイバー攻撃を受けないよう、様々な対策がとられるようになってきました。しかし、今回のニチレイのように、それでもサイバー攻撃は防ぎきれないのです。そろそろ発想を変えていくべきではないでしょうか。

もちろん、従業員一人一人に対する教育による意識向上や、企業としてのウイルス対策ソフトの導入、アクセス権限の徹底的な管理など事前に整えておくべき対策も重要です。しかし、それでも不正アクセスによる攻撃は止められません。では、どうしたら良いのか。

そろそろ、「攻撃を受けた場合の対処」の方に軸足を移すべきと考えます。障害発生と同時に初動対応として可能な選択肢を用意すること。デュプレックスシステムの導入です。デュプレックスシステムとは、通常使用しているシステム(主系システム)とは別にバックアップシステム(従系システム)を用意しておくことです。

障害発生時よりも前の段階でバックアップしていたデータを使用して、バックアップシステムに切り替えます。つまりすぐに運用を再開できるわけです。もちろんバックアップのタイミング(頻度)次第でデータの消失も起こりますが、一定期間分だけは手動運用だが、切り替え後は何もなかったかのようにシステムを稼働できる。システム再開まで数か月かかるよりこの方がいいですよね。ニチレイはこの対応をとっていたんじゃないかと。

理想的な対策ですが、当然それなりの費用も掛かります。ここで必要になってくるのが発想の転換。まずは復旧が第一。そのための投資は惜しまない。今回のニチレイの対応はこうした経営の意識転換の呼び水になるのかもしれません。

2か月半ぶりに東京に戻ってまいりました 今度はアフラックかぁ

母親の体調不良ということで、4月中旬から実家に戻っておりました。その後5月に母親が亡くなりまして・・・。94歳ですから今の時代でも大往生と言っていいんでしょうね。遺品の整理やら空き家になる自宅の解体等処分を行い、6月末に東京へ戻ってきました。

意外に大変でした、事後の対応。昭和一桁生まれで戦後の混乱を経験し、物がない時代に育った人なので、物を捨てるということができなかったようです。驚くほどいろんなものが出てきました。金目のないものばかりでしたが。

ということで、ボチボチとブログ再開してまいります。

さて、情報持ち出しなど不祥事続きだった生保業界。今度はアフラックだそうで。第三者からの不正アクセスによる個人情報の漏えいで、その数なんと438万人分。うち23万人については顧客の保険料振替口座情報(要するに銀行口座)まで漏れてるらしいです。

こりゃぁ、かなり大きいですね。おそらく例によってランサムウェア被害。このあと身代金をめぐる対応等も気になります。

株式会社アドバンテスト サイバー攻撃を受ける

株式会社アドバンテストは2/19(11:00)、「サイバーセキュリティインシデントに関するお知らせ」を公表しました。ランサムウェアを伴うサイバーセキュリティインシデントが発生したとしています。

同社は、2026年2月15日、同社IT環境内において異常な動きを検知。直ちに社内の危機管理体制を立ち上げ、影響を受けたシステムを隔離するとともに、調査および被害拡大防止を進めるため、外部の主要なサイバーセキュリティ専門機関と連携を開始したということです。

現時点における暫定的な調査の結果、権限のない第三者が同社ネットワークの一部に不正アクセスし、ランサムウェア(侵入したシステムのデータを暗号化して身代金を要求する不正プログラム)を展開した可能性があるとのこと。、顧客や従業員の情報への影響はまだ確認できていないようです。

いまさらですが、アドバンテストは半導体試験装置が主力で、メモリテスタメーカーとして世界的に高い知名度を持ち、株式市場でも最も大きな影響力を持つ銘柄の一つ。こんな超優良企業まで狙われたかという感じです。この公表を受け同社株は急落しています。

半導体製造装置関連業界では替えの効かない企業であり、同社の事業が停滞した場合の影響は計り知れません。もちろん日本国内だけにとどまりません。

米国では「AIリストラ」の波が 日本はどうなる?

昨年10月、米国アマゾンは大規模な人員削減を発表しました。それを裏付けるように今年1月には16000人を削減したとのこと。

日経ではこうした動きを、2/6付の記事で「AIリストラ」というタイトルで取り上げています(昨年人員削減を発表した時点で、アマゾンCEOはAIリストラではないと説明していましたが)。

この1月はアマゾンに限らず情報技術業界や病院を含むヘルスケア業界など、人員削減数が前年同月比2.1倍の10万人超に増加。1月単月として2009年1月以来17年ぶりの高水準だったそう。新規採用数が前年同月比13%減となったこともあり、米国の雇用問題が一気に表面化してきています。

しかしまぁ、このAIリストラなるもの、今後は間違いなく増加するでしょうね。人材不足が問題化している日本ではどうでしょうか。不足する人材を穴埋めする形で、日本ではAI実装がフィットする、なんて言われてますが、そんな都合の良いケースばかりでもないでしょう。