IHIに行政処分

民間航空機エンジンの整備事業で検査不正が発覚した問題で、経済産業省からIHIに対して行政処分がありました。同時に詳細な社内調査の結果も公表し、中間報告では13基としていた不正があったエンジンの数が、209基に上ることも明らかにしています。あれっ、経済産業省?って思われた方、いらっしゃいますよね。たしか、国土交通省の検査で見付かったはず。

航空機製造事業法

という法律を経済産業省が所管しているようで、この法律の第14条第1項で、航空機用機器(エンジン等)の修理方法について、経済産業大臣の認可を取得することが義務付けられているようです。IHIは認可を得たエンジンの修理方法とは異なる方法で修理を行っていたため、行政処分が行われたということです。エンジンの修理方法が届け出ていた方法と違うだろ、っていうことですね。

航空法

一方で、航空法においては、エンジンを整備する工場は、整備の方法を定めた業務規程を作り、国土交通省の認定を受けることになっています。IHIはこの認定を受けている業務規定とは異なった方法で整備を行っていたということで、このあと国土交通省からも処分を受けることになるだろうということです。ややこしいですね。経済産業省と国土交通省がそれぞれエンジンの修理方法と整備方法を巡って別の法律を所管しているということのようです。

不正の内容

IHIは全日空や日本航空をはじめとして格安航空会社まで、国内外の航空会社から整備を受託しています。規定の飛行時間を超えると、分解して点検・整備する「オーバーホール」を主に受託しているとのこと。

今回の経産省の行政処分通知の内容を見てみると、その受託業務において、直近2年間で213基のエンジンを整備しており、そのうち209基のエンジンにおいて不正作業が行われていました。不正の作業数は6,340件。このうち、スタンプ管理に係る不正が5,846件、工順変更不正と不正な検査日が494件だそうです。

必要な社内資格を持たない作業員が検査したにもかかわらず、有資格者の印を押したり、必要な手続きを経ないで作業の順番を変更したり、作業の実施日と記録が一致しないという不正の数々。にもかかわらず、経産省の行政処分内容は「是正しなさい」というだけの軽いものです。

このあと、別途罰則があるんでしょうかね。国交省の処分がどんな処分になるのかも気になるところです。もっと重い処分を期待するのはkuniだけでしょうか。人命を預かっているという自覚が感じられませんね、IHI。