旭化成株式会社 半導体関連情報を中国企業に漏洩したとして元社員が逮捕

旭化成は9/17、「元従業員の逮捕について」を同社ホームページでお知らせとして公表しました。同社の元従業員が、在職中に入手した同社の「潜在性硬化剤」に関わる機密情報を不正に持ち出し、第三者である中国企業へ流出させていたとして、不正競争防止法違反の容疑で愛知県警に逮捕されたということです。

「潜在性硬化剤(ノバキュア)」は自動車部品や半導体の製造に使用される接着剤だそう。逮捕容疑は18年11月30日ごろ、潜在性硬化剤「ノバキュア」の製造に関する営業秘密のデータが入った電磁的記録媒体を会社に返却せず、24年9月13日ごろ、他の企業関係者にメールで送信した疑い。

退職から不正行為まで6年間のブランクがあります。そもそもこの事案、容疑者に関する別の情報漏洩事案を捜査していた際に出てきたものらしく、今後の捜査で余罪が出てくるのかもしれません。

容疑者が退職したのは2018年。不正競争防止法の改正により、営業秘密の保護が強化されたのが2023年ですから、企業における転職者・退職者に対する機密情報管理の態勢はまだまだ十分機能してなかった時代かもしれませんね。

東海東京証券 2名の担当者が同一顧客から1億円超の金銭詐取

東海東京証券は9/18、「元社員らによる不適切な金銭受領の発生及び再発防止策等について」を同社ホームページで公表しました。2名の担当者が同一顧客から計1億1000万円を不正に受領し、私的に流用していたということです。

公表文では、「お客さまから当社の定める手続によらない方法で不適切に現金を受領した上、当社への報告を行わずに私的に流用していた」と表現されています。担当者Aが9900万円、担当者Bが200万円という内訳。

他に被害にあった顧客はおらず、2人ともすでに懲戒解雇となっているようで、現在は2人へ顧客に支払う金額の弁済を求めており、警察の捜査へも協力しているとのこと。また、東海東京証券が全額を補償することで顧客と合意しているといいます。

しかし、よく分からないのが、2人で同一顧客を騙しているのに、「元社員Aと元社員Bの間に共謀があった事実は確認されておりません。」としているところ。顧客の属性が公表されていないところがキモと思われますが、なぜ共謀もせず、同一顧客を騙せたのでしょう。この不正行為、なかなかに闇が深そうです。

中山製鋼所 本社船町工場(熱延工場)において火災事故発生

中山製鋼所は9/16、「熱延工場における火災発生に関するお知らせとお詫び」を公表しました。9月12日(土)午前2時50分ごろ、同社船町工場(大阪市大正区船町)内の熱延工場構内において、火災が発生したとのこと。なんで第1報が発生から4日後なんでしょう。

中山製鋼所は、鉄スクラップを電気炉で溶解した鋼材を用いて、各用途向け鋼板製品(薄板・厚板・表面処理鋼板)や自動車、建産機向けの構造用棒鋼・線材などを生産。主要株主の阪和興業向け売上が2割を占めています。東証プライム上場企業です。

熱延工場とは、加熱した金属(主に鋼)を圧延して薄い板状に加工し、コイル状に巻き取る製造施設だそうです。その熱延工場にて火災が発生。加熱炉設備等の電源ケーブル類が一部焼損したということです。人的被害はありませんでした。発生原因は現在調査中としています。

大事に至らなくて良かったですね。しかし、この程度の内容の開示になぜ4日も要したんでしょう(HP等でのお知らせもなし)。開示するかどうか迷ったらまず速やかに開示。さらに追加すべき情報が把握、認識できたら第2報を出せばいいだけでは?。昨日取り上げたビューティカダンのIRに対する姿勢が参考になりそうです。

ビューティカダンホールディングス 連結子会社における従業員の不正行為

株式会社ビューティカダンホールディングスは9/14、「連結子会社における不正行為に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社である株式会社ビューティ花壇西日本において、従業員による現金の不正流用が判明したとのこと。

ビューティカダンホールディングスは、生花祭壇(生花のみを使用して作成する葬儀用の祭壇)事業を中心に、生花卸売事業、ブライダル装花事業の3本柱で事業を展開。生花祭壇事業の売上高が全体の5割を超え、利益面でも柱となっています。日比谷花壇と勘違いしてましたが、全く別の会社です。

同社従業員1名が、2023年1月頃以降、売掛金及び現金の入金処理等を不適切に処理し、会社資金を不正に流用していたことが判明。社内調査の結果、本件による損害額は合計で約1,000万円であることを確認しているとのこと。従業員はすでに懲戒解雇されています。

現金の集金から入金処理、帳簿残高との照合に至る業務が特定の担当者に集中していたようです。まさに、先日当ブログでも取り上げた、いわゆる「おひとり様経理」ってやつです。

本件の開示には次のような説明が。「なお、本件は、株式会社東京証券取引所有価証券上場規程に定める適時開示基準には該当いたしませんが、上場会社としての社会的責任及び株主・投資家の皆様に対する説明責任を踏まえ、自主的に開示するものであります。」 素晴らしい、その通り!

株式会社IDホールディングス 従業員による不正行為が判明

株式会社IDホールディングスは9/15、「当社グループの従業員による不正行為に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。同社グループにおいて、従業員1名が、その業務上の立場を利用し、委託元の顧客1法人が所有する事務関連備品等を無断で持ち出し、事務用品買取業者へ売却していたとのこと。

IDホールディングスは、システム運営管理、ソフトウエア開発が主力サービス。ITシステムのプラットフォーム設計・構築、ソフトウエア開発、クラウド、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育まで幅広く手掛けています。持ち株会社化する前はインフォメーション・ディベロプメントという社名でした。

どの子会社で発生したんでしょうか。業務上の立場を利用し、委託元の顧客1法人が所有する事務関連備品等を無断で持ち出し、事務用品買取業者へ売却。従業員はこの不正行為により、代金として約122百万円を不正に領収したことが判明しているようです。同社の業態で、「事務関連備品等を無断で業者に転売」、というのもよく分かりません。第2報を待ちましょう。

なお、同社では同日組織変更と人事発令を公表しており、社長直轄の「業務リスク管理部」を新設し、今回の不正行為事案を契機として、業務管理体制および内部統制のさらなる強化を図る(当然この事案の調査も同部が引き継ぎ継続)としています。そつのない対応が行われている印象ですね。