JAXAの再使用型ロケット 実験成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7/11、能代ロケット実験場(秋田県能代市)で再使用型ロケットの実験機を打ち上げ、再使用を想定するロケットの1段部分を着陸させることに成功したようです。地上から10メートルほど打ち上げ、予定地点(高度)に達した後、15メートルほど横に移動させてから着陸させたとのこと。

切り離されたロケット1段部分の機体誘導や着陸に関する技術を実証するのが目的でしたが、成功して何より。ロケットの打ち上げビジネスで世界市場をリードするスペースXやブルーオリジン(いずれもアメリカ)が再使用型で先行していますが、日本もこれを追いかけます。

海外の人工衛星の受注をめざす日本にとって、打ち上げコストの大幅な引き下げを可能とする再使用型ロケットの技術獲得は、最優先事項と言われています。もちろん航空・宇宙分野は重点戦略17分野のうちの一つです。

先行するアメリカとはまだまだ差は大きいけど、頑張ってほしいものです。ここで諦めて昭和の造船業界みたいなことになってしまわないように。(いやいや、造船業界も重点戦略17分野でここから巻き返すんだけど)

フードテックのもう一つの柱 陸上養殖

重点戦略17分野のフードテック。そのもう一つの柱が陸上養殖です。こちらも課題ははっきりしています。気候変動による海水温や海流の変化により、獲れる魚種が変化したり、獲れなくなったり。さらに、日本食が世界に認められ、魚を食う人口が増加し、需給バランスが崩れたり・・・など。

海洋環境の変化の影響を受けずに、日本人が好む魚種を計画的に生産できる陸上養殖は今後不可欠な技術になるでしょう。今ではマグロやブリ、サーモンなどで実証実験が盛んに行われています。

不可欠な技術なのに、株式市場ではほとんど注目を集めてません。イラン、ホルムズ海峡の問題が起きて以降の原油高で、水産業はむしろ売りのターゲットにされてきました。そのため、テーマとして認識されることもなく現在に至っている感じ。

水産業以外でも様々な業種から新規参入が見られますが、どれもこれも実証段階といったところ。それでも、海面環境の変化や災害などにより、海面ではなく陸上での養殖が注目される機会は今後も増加すると思われます。どういったブレークスルーが起きてくるのか、注目したいと思います。

植物工場(その2) クボタ(6326)

昨日に続いて、本日注目するのはクボタ。言わずと知れた農業関連のトップ企業。他に、小型建機、エンジンや上下水道ビジネスにも展開しています。もちろん東証プライム上場企業です。

例の重点戦略17分野に関する農水省の資料を見ると、完全閉鎖型植物工場の事業展開に関しては、当面、スタートアップである(株)PLANTX(プランテックス)に担わせるとしています(どういう事情でそうなったのかよく分かりませんが)。

このプランテックス、閉鎖式の「人工光型植物工場」をメインで推進しており、最近の動向を調べてみると、昨年末にニューヨークで完全閉鎖型植物栽培システムを導入しています。このシステムを一緒に導入、本格稼働させたのがクボタなんですね。クボタはこのプランテックスに出資もしているようです。

農水省が選んだスタートアップであるプランテックスへ出資し、具体的案件(完全閉鎖型植物工場)をスタートさせているクボタ(こういうところ意外と重要)は、植物工場に関する国策の中心企業になっていきそうです。

植物工場 例えばデンソー(6902)

重点戦略17分野については、関係各省庁がやりたいことを羅列しただけで、国策として全然絞り込んだ重点施策とは言えない、なんて批判もあります。しかし、投資家としてはそうした施策の中から、これは社会の課題解決になる、ビジネスとしても成功すると思われるものを選び、投資していけば良いだけです。

温暖化による日本の気象変動。その影響で農作物が大きなダメージを受けるのはもう既成の事実。であれば、農作物を気候の影響を受けないところで作ろう。さらに、作り手がどんどん減少している。であれば、機械化による植物工場を、なわけです。

幸い、地方では過疎化に伴い学校の廃校があちこちで起きていますし、従来産業の工場閉鎖による廃工場や工場跡地も増加しています。植物工場の容れ物は不自由しないわけです。土地代、建物代がかからないビジネスは魅力的です。水資源が豊富な日本。植物工場にとっての利点も少なくありません。

そこへAIも含めた機械化という技術(自動収穫ロボットなど)も実用化されつつあります。そこで今回はデンソーに注目しました。日本の自動車産業が大きく発展する際にその産業を支えてきた企業です。あのQRコードを開発したのも実はデンソー。今、AIを使用した自動収穫ロボットの研究を進めています。

植物工場はそこで生産される農産物で儲けるだけでなく、植物工場の構築や運用自体が産業となり、日本同様、もしくはそれ以上に厳しい気候環境の国々への輸出で稼ぐことも可能でしょう。

食糧自給の切り札 植物工場 陸上養殖

先日テレビで、「夏の高温で野菜がピンチ」みたいなニュースやってたんですが、その中でスーパーアキダイの秋葉社長が言ってたこと。「野菜は影響受けて不作。値上がりしてダメだろうけど、キノコは大丈夫。全部工場で作ってるから。」なるほど、ですよね。

ということで今日は植物工場について。政府の重点戦略17分野の中に「フードテック」ってのがあります。その中では「植物工場」と「陸上養殖」が取り上げられています。食糧自給のために、農業や水産業を大きく変革して行こうってわけです。

この重点戦略17分野についてはAIや半導体ばかりが注目を集め、株式市場でこれらの関連銘柄が大きく買われてきました。そのおかげで日経平均が7万円というふざけた水準になったわけです。

で、そろそろ、その他の分野についても見直していきませんか?というご提案をしておこうかと。 その第一弾として、「フードテック」を取り上げたいと思います。ということで、次回は「植物工場」を掘り下げてみます。