大王製紙(その2) 事故発生に関するお知らせ 適時開示はなし

大王製紙は3/10、同社ホームページで「事故発生に関するお知らせ」を公表しました。適時開示はしていません。なんでだろうね。こういうネガティブな事故情報もしっかり開示するべきだと思うけど。

「お知らせ」によると、被害にあい救急搬送されたのは、協力会社社員5名、大王グループ社員1名だとのこと。搬送時には2名の意識がなかったものの、その後意識は回復し、治療中だといいます。物的被害はなかったようで、周辺地域での環境被害も報告されていないということです。

製品供給についても、現時点では影響はないとしていますので、現在、精査中としている業績への影響もほとんどなさそうです。

定期修理中の設備建屋内で、一酸化炭素を含む燃料ガスが漏洩したとしていますので、漏えいしたのは一酸化炭素だけではなさそうですね。燃料ガスってなんだ? 漏洩原因は現在、調査中としています。

大王製紙 工場事故 男性6人救急搬送

3/10午前9時55分ごろ、岐阜県可児市土田の大王製紙可児(かに)工場で、作業中に何らかのガスを吸い、20~60代の男性作業員6人が救急搬送されました。一酸化炭素ガスを送る管のバルブ交換中に、同じ建物にいた6人が巻き込まれたということです。

大王製紙は総合製紙メーカーの大手。家庭向け衛生用紙では「エリエール」ブランドを展開しています。国内のティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパーでトップクラスのシェアもつ東証プライム上場企業です。可児工場ではトイレットペーパーなどを生産しており、協力会社を含め約千人が働いているとのこと。

事故の状況からみて、一酸化炭素中毒だと思われますが、搬送された6人のうち50代と60代の計2人は会話ができない重篤な状態だったといいます。

製紙会社の工場って意外に事故が多いですよね。同社のグループ会社いわき大王製紙でも4年ほど前に発電施設の稼働中に爆発事故を起こしています。

ニデック 創業者の永守氏の業績に対する過度なプレッシャーが会計不正の原因

ニデックは3/3、「第三者委員会の調査報告書の公表及び当社の対応に関するお知らせ」を公表しました。調査報告書では、「創業者の永守重信氏の業績に対する過度なプレッシャーが会計不正の原因」とし、「一部の会計不正を容認した」と責任を厳しく指摘しました。

まぁ、以前から様々なメディア等が推測してきたような結果になりましたね。永森氏は、昨年末に取締役を退いたのに続き、今年2月末には名誉会長職(非常勤)も辞任されています。報告書公表を受けて、まさにニデックの再生が始まることになります。

ただし、永森氏が引き続き第2位の大株主のままであれば、株主としては再生ニデックの経営に対して意見はできるわけです。経営責任を問われて会社を去った創業者が、大株主として業績を伸ばせない新経営陣に物申し、再び経営権を巡って争う。他でもよく見るこんな構図もあり得そうな気がします。

永森氏が完全にニデックを離れる際、「今後は人材育成というもう一つの私の夢に本格的に挑戦していきたい」とコメントしていましたが、この「人材育成」がニデックの新経営陣に向けられることも十分ありそうで。

中小監査法人の規制強化 きっかけは会計不正のオルツ

日経によると、日本公認会計士協会が中小監査法人の規制強化に動くとのこと。上場会社を監査する監査法人に対して「社員(パートナー)」と呼ばれる幹部会計士の最低人数を引き上げる方針だそう。

きっかけは、当ブログでも取り上げてきた東証グロースに上場していたオルツ。循環取引が発覚し、2025年に上場から1年足らずで上場廃止となりました。財務諸表に適正意見を出していた監査法人シドーの社員は10人未満だったとのこと。

現状、会計士の最低人数を5人としている規制、これを倍となる10人に改めようという意見が多いようです。ちなみに、上場会社監査人として登録されている約130法人のうち社員10人未満は6割にのぼるそう。何人が妥当かってのは何とも言えませんが。

ただ、130法人が50法人に減少するとなると、会計士協会や金融庁が検査・監視すべき対象が激減します。ここが重要。当局等の検査等が有効に機能するということなんですね。

しかし、大手がもうこれ以上の企業を見ることは出来ないという理由で、顧客企業が中小に流れている昨今、50法人への減少で上場企業をカバーしきれなくなるのでは、という懸念も。

Abalance 「第三者委員会」の検証を行ってきた検証委員会の報告書

Abalanceは2/26、「検証委員会の検証報告書公表に関するお知らせ」を公表しました。上場企業が設置した第三者委員会が公表した報告書について、正式に検証委員会が設置され、その検証報告書が公表されたという過去に例を見ない展開です。

一旦公表せざるを得なかった第三者委員会報告書が、会社にとって絶対に納得できない内容であったことから、検証委員会を設置して第三者委員会報告書の全面的な検証を行ったということなんですね。

で、検証委員会は、第三者委員会報告書に重大な問題があることを指摘し、第三者委員会報告書公表後、その結論等に基づいて行われてきたAbalance及び関係機関、関係者の対応は全面的に見直されるべきと結論づけています。

第三者委員会が出した結論により、経営陣が納得できない批判を受けるケース。第三者委員会の設置動機や調査のプロセス、結論について、第三者委員会が万能なわけではないことを指摘した検証委員会の報告書。企業の経営陣は必ず読んでおくべき報告書かと。委員長を務められた郷原先生のホームページでもコンパクトにまとめられているのでお薦めです。