トーシンホールディングス 元代表取締役に対する訴訟提起 同族企業における親子間での係争

トーシンホールディングスは4/3、「当社による元代表取締役に対する訴訟提起に関するお知らせ」を公表しました。以前、当ブログでも、顧客への還元(キャッシュ・バック)に関する不適切な会計処理で取り上げたことのある企業です。

訴訟を提起されたのは創業者で社長兼会長を務めていた石田信文氏(現社長の父親)。提訴したのは現社長の石田雅文氏(長男)ということになります。

この父親が、「私的支出にかかる不適正経費計上」で約7600万円の損害賠償請求。さらに2021年に退任した際に支払われた「退職慰労金名目の一時金に係る不適正会計処理」で、約10億円の不当利得返還請求で提訴されたというお話です。いずれも、税務署や国税庁の指摘を受け、同社として是正したことで発生した損害です。

内容証明郵便を送付するなどして、損害の賠償、不当利得の返還などを求めましたが、父親から履行はなされず、訴訟提起となったとのこと。経営陣と創業者との間でのもめごとはよくあることですが、このケースは親子間の騒動。おまけに現経営陣の中には石田ゆかり(母親)が残っているという構図。なんなんだ、この茶番は?

アイサンテクノロジー(株) 子会社の取締役による不正行為が発覚

アイサンテクノロジーは4/3、「当社連結子会社における不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いを受けた、特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。不正が発覚したのは同社100%子会社である、「有限会社秋測(秋田県秋田市)」という会社。

アイサンテクノロジーは、測量土木関連のソフトウェアの開発および計測機器までを含めた一貫提供と、高精度三次元地図データベース構築業務の請負などを手掛ける東証スタンダード上場企業。本社は名古屋市に構えています。

開示によると、秋測の取引先より、債務の支払状況に関する問い合わせを受け、同債務について社内で調査を行う過程で、秋測の取締役による不適切な取引が疑われる事象が確認されたとのこと。同取締役は、この不適切な取引に関する書類等の偽装や、在庫紛失の隠蔽などの不正行為も行っていたといいます。

より詳細な調査を行うため、社外取締役及び社外監査役に外部専門家を加えた特別調査委員会を設置するとしています。どの程度の被害(資金の社外流出や取締役による金銭詐取)が出そうかといった面については、今回の開示では触れられていません。

エア・ウォーター 特別調査委員会の最終調査結果を公表

エア・ウォーターは4/3、「特別調査委員会による調査報告書の公表に関するお知らせ」を公表しました。同社は2/12に一度調査結果を公表していますが、これは中間報告のような位置づけのようで、その後も調査範囲を拡大等した結果、今回の最終調査結果になったということのようです。

前回は子会社3社と本体における会計不正が報告されていましたが、今回はグループ全体に会計不正(仕掛品の過大計上、売上の期間帰属・実在性の問題、原価付替による利益操作など)が蔓延していたことが確認されています。

既に役職者、取締役、経営トップまでが不正に絡んでいたことが報告されていましたが、今回の最終報告書の最初の項目にビックリです。その項目名は、「調査妨害行為等」です。調査委員会に提出する資料が偽造されていたといいます(売上計上を前倒しするための引渡証明書や、売掛債権の付替を行う ための注文書の書類など)。

おそらく調査も後半に差し掛かった時期に証憑の偽造・提出。この会社の態勢はもうあかんよ。調査結果を受けての処分。社長の月額報酬3カ月全額返上くらいで済ませてたんじゃ・・・ダメだよね。この際、膿を全部出しきらないと。

KDDI 特別調査委員会の調査結果

KDDIは3/31、特別調査委員会の調査結果を公表しました。ビッグローブ及びジー・プランという子会社2社において、広告代理事業で実体が存在しない架空循環取引を行っていた件。売上高で約2,400億円が架空だったという過去最大規模の不正でした。

架空循環取引が拡大した結果、合計21社の代理店との取引について架空循環取引が確認されたとのこと。やはりかなり多様な商流が使われていたようです。二人の従業員による行為であり、ほかに関与した者はなく、類似事案も確認されなかったということです。

調査結果を受けた役員等の処分は、ビッグローブで社長含む4名の取締役が辞任。ジー・プランでも社長、副社長が辞任となっています。本体のKDDIでも会長、社長含む8名が役員報酬の返納が行われるとのこと。当然ながら、関与した従業員2名は懲戒解雇処分となっています。

新規に立ち上げた事業が思うように稼げず、内部では売上の水増し等で存続を目指す。大きな損失を出す訳でもないので親会社はほったらかし。そんな部署や部門ってありますよね。こういう部署が危ないんです。定期的にこうした新規事業を存続するのか、撤退するのかという検討が重要。検討していればもう少し早い段階で発見、もしくは撤退ができたと思われます。

ヤマウホールディングス 従業員の不正行為(着服)

ヤマウホールディングスは3/19、「弊社連結子会社の従業員による不正行為に関するお知らせ」を公表しました。同社は九州地盤で、土木・建築分野へのコンクリート二次製品の提供を中核に関連事業を展開しています。福岡市に本社を構える東証スタンダード上場企業です。

開示によると、中核子会社ヤマウにおいて、従業員(男性、37歳)による製品製造用資材の不正転売及び売却代金の着服が判明したとのこと。2021年1月から2026年2月 にかけて、製品製造用資材を継続的に転売し、ヤマウに約120百万円の損害を与えたといいます。

地元の新聞によると、この製品製造用資材とは、「鉄筋」だそうです。経理部門が在庫数量を確認していたところ、不審な推移に気がつき発覚したそう。5年間で120百万円、かなりの金額ですね。毎年2000万円超の原材料費高をここまで見逃していた方が不思議ですが。

発生原因や類似案件等は明らかにしていませんが、鉄筋等の原材料の仕入れ管理等が一人に任されていたんでしょうね。ちなみに、この従業員は懲戒解雇されており、再発防止策も一応公表されていますので、この件に関する開示はこれで終了かと。