停滞していたセブン―イレブンに変化の兆し?

先日セブンのオーナーや店関係者による不正転売の話を取り上げましたが、書いていてちょっと気になるところもありました。このところ、「PayPayとセブンが顧客データ統合」とか、「ポーランドのコンビニエンスストア、ジャプカ・グループへの出資」といった前向きなニュースが報じられています(この出資の話については後に見送りとなりましたが)。

企業がその経営方針の転換等で成長に転じていく際、こういった社として前向きなニュースが増えてくることがよくあります。今回は他社への出資や提携というニュースです。特にPayPayとの顧客データ統合というのは面白そう。普通こういうケースでは「同じタイプのデータ」を持つ企業同士なんだけど、顧客販売データを持つセブンと、決済データを持つPayPayの提携、なところが面白そうです。

これからセブンの攻めの姿勢がさらに見られるようだと面白くなっていきそうです。などと考えていくと、不正転売への対処の件も、「時々起きていたこのての不正を、ここで一掃する」という意思の表れであり、経営の前向きな姿勢ととらえることも可能かもしれません。

ローソン、ファミリーマートは別の上場企業の傘下に入り上場を廃止。大手のコンビニで上場を維持しているのはセブンだけ(正確には違うんだけど)。投資の観点からもセブンには頑張ってほしいと思います。

セブン―イレブン・ジャパン 人気キャラクター商品の不正転売など

またセブンがやらかしているようですね。「アニメやゲームの人気キャラクター商品の不正転売などが一部店舗で横行している恐れがある」と、全国の加盟店に警告する文書を、7/13付で送っていたことが判明したとのこと。

この警告文書の内容は、「一部店舗で事前に販促物で告知した日時前の販売、店舗関係者による買い占めや転売、一部お客さまへの優先販売などの不適切な事例が、交流サイト(SNS)やお客さまからの指摘により散見される」というもの。

以前から折に触れ、こうした問題が指摘されてきたけど、まだまだ改善してないみたいですね。セブン側がいくらルールを整備しても、現場(末端の店舗)のオーナーが遵守しなければ何にもなりません。そもそもセブン側が店舗のオーナーをどこまでルールで縛れるのかというフランチャイズ特有の問題もあるでしょう。

今回は加盟店契約の中途解約に踏み切ったケースもあったということですが、契約の中にどこまで細かなルールを落とし込めるんでしょうね。一番手っ取り早いのは、商品やサービスを限定して、「オーナー及び従業員(パート・アルバイト含む)またはそれらの関係者の申し込み・買い付けを禁止」することかな。

ウクライナ いつの間にか軍需産業が稼ぎ頭?

7/22付の日本経済新聞に、「ウクライナ、無人戦闘車に自律AI 年内にも投入」という記事がありました。最近はイランの方に話題が移ってしまい、ウクライナ侵攻の話題が減りましたね。その間にウクライナが軍需大国になってしまったようです。

圧倒的な戦力差でウクライナ不利と言われてきましたが、ドローン攻撃を手に入れ、AI実装により高度化。最近ではロシアと互角に戦っている感じです。これらは国家の存続を確保するという現実的な必要性から生まれた技術なわけですが、この数年間で軍需産業(防衛産業)は様変わりしているようです。

戦いに勝つために、兵力不足を補うために高度な技術の新兵器を開発する。その兵器はすぐさま実戦に投入され、ものすごいスピードで進化していってます。昔は小麦を中心とした農産物で稼いできたイメージでしたが、いつの間にか世界でも有数の軍需産業を抱えることになったようです。

戦争が終結したら、ウクライナの外貨獲得の中心は軍需産業になっているかもしれません。などと考えていくと、時代遅れの戦いを続けているロシアには勝ち目がなさそうな気がしてきました。

ニチレイ(その3) サイバー攻撃の全容の解明よりも迅速なシステム復旧

二度にわたりニチレイのサイバー攻撃について触れましたが、今日はその3です。ここまで書いてきた迅速な復旧の意味するところを書いてみます。

最近、サイバー攻撃による障害が発生すると、サプライチェーン(取引先等)が受ける影響にメディアが興味を示します。当然ですよね。「うちはニチレイに興味ないけど、イオンでニチレイ以外の冷凍食品も買えなくなったら大変」とか「アイスクリームが買えなくなるの?」みたいに煽り、ニチレイとは直接関係ない人たちまで巻き込んで、視聴率を稼げるわけです。メディアは放っておきません。

こうした報道により、障害を発生させた企業はより大きなダメージを受けます。だからこそ、サイバー攻撃の全容解明よりも、迅速なシステム復旧(取引先との取引再開)の方が重要なのです。どのようなサイバー攻撃だったかではなく、皆さん自分がこれまで受けてきたサービスが提供されなくなることの方が格段に重要なわけです。

昨年発生したアスクルやアサヒ、復旧に向けた対応が遅々として進まず、業績への影響も数か月に及びました。その間に取引先からの信頼を失い、他社への鞍替えも少なくなかったといいます。ニチレイの障害復旧対応の姿勢が優れていたことは、今後ますます評価されていくと思います。

ニチレイ(その2) 侵入されないシステムなんてありえないのだから

昨今の情勢を受け、上場企業レベルではサイバー攻撃を受けないよう、様々な対策がとられるようになってきました。しかし、今回のニチレイのように、それでもサイバー攻撃は防ぎきれないのです。そろそろ発想を変えていくべきではないでしょうか。

もちろん、従業員一人一人に対する教育による意識向上や、企業としてのウイルス対策ソフトの導入、アクセス権限の徹底的な管理など事前に整えておくべき対策も重要です。しかし、それでも不正アクセスによる攻撃は止められません。では、どうしたら良いのか。

そろそろ、「攻撃を受けた場合の対処」の方に軸足を移すべきと考えます。障害発生と同時に初動対応として可能な選択肢を用意すること。デュプレックスシステムの導入です。デュプレックスシステムとは、通常使用しているシステム(主系システム)とは別にバックアップシステム(従系システム)を用意しておくことです。

障害発生時よりも前の段階でバックアップしていたデータを使用して、バックアップシステムに切り替えます。つまりすぐに運用を再開できるわけです。もちろんバックアップのタイミング(頻度)次第でデータの消失も起こりますが、一定期間分だけは手動運用だが、切り替え後は何もなかったかのようにシステムを稼働できる。システム再開まで数か月かかるよりこの方がいいですよね。ニチレイはこの対応をとっていたんじゃないかと。

理想的な対策ですが、当然それなりの費用も掛かります。ここで必要になってくるのが発想の転換。まずは復旧が第一。そのための投資は惜しまない。今回のニチレイの対応はこうした経営の意識転換の呼び水になるのかもしれません。