三田証券 ニデックのTOBを巡り元役員らがインサイダー取引で逮捕

東京地検特捜部は2/2、牧野フライス製作所に対するニデックのTOB(株式公開買い付け)公表前に株式を買い付けたとして、三田証券の元取締役投資銀行本部長ら3人を金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで逮捕したと発表しました。三田証券はニデックのTOB代理人を務めていました。

公表前の2024年9月6日から12月26日までに牧野フライス株式、計32万9100株を約23億4980万円(1株平均7140円)で買い付けていたというもの。物凄い金額ですね。公開買い付け価格は1万1000円ですので、公表後は株価は1万円を超えてきます。まさに濡れ手に粟。

この三田証券、敵対的なTOBの公開買い付け代理人を専門に担当してきた会社。そこらの証券会社とは訳が違います。インサイダー取引に関する専門的な知識、経験が間違いなくあり、その法規制の網をかいくぐって儲けようとしたわけです。

インサイダー取引が最も疑われる立場の代理人の役員であるため、買い付け者の名義を分散させるなど、他社の会社役員らを協力させていたようです。特捜部は現時点で17名の名義が使われたとみているとのこと。業界内ではもともと倫理観が疑われてきた三田証券。「とうとうやってしまったか」って感じです。

株式会社ベビーカレンダー 前取締役CFOによる不正を公表

ベビーカレンダーは1/30、「前CFOによる広告収益入金に係る不正疑義及び特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。広告収益入金(YouTube/Google AdSense等)に関し、同社が受領すべき入金の一部が入金されていない可能性が判明したとのこと。

社内調査の結果、前CFOが当該資金を不正に着服した疑いがあるといいます。不正を働いた期間は、2023年11月から2024年8月。現時点での社内調査では着服金額は概ね9百万円台程度となるそうです。

この前CFOなる人物は2019年同社に入社し、2021年から取締役CFOに。その後2025年3月末までCFOを務めています。入社前は税理士事務所などを渡り歩いていたようです。

株主総会向けの選任理由には、「入社以来経営管理部において財務経理部門を牽引し、会計に関する豊富な知識と経験を有しており、その知識と経験に基づいた意思決定をしていただけるものと期待」などと書かれています。昨年3月の株主総会をもって特に問題もなく退任されてますね。

CFOの立場を利用して広告収益を着服。他にも悪さ出来そうな立場だけに、特別調査委員会での調査実施は妥当な判断かと。

Terra Drone(株) 社長による同社株式取得に問題はなかったか

昨日火災事故で取り上げたTerra Drone。最近の開示情報を確認していて少々気になることが。事故発生後12/17に2000円まで大きく下げた(2700円台→2000円)株価は、翌日から上昇に転じ、1/9には3000円台を回復しました。絵にかいたような急落後の急騰です。

その間の開示に、同社社長が自社株を約1万株買い付けたというのがあります。最安値を付けた12/16、12/17の両日で約2000円で1万株を市場買い付けしています。そのわずか3週間後に、「政府は、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に追加指定した『ドローン(無人航空機)』の国産化支援に乗り出す」というニュース。

この報道を受け、同社株はストップ高を交え一気に1000円上昇しています。タイミングが悪すぎですよね。あまりにも見映えが悪い。政府が特定業種の企業群に補助金や助成金を付けるなどする場合、その費用対効果を精査するために、対象となる企業群に政策実施効果に関するヒアリングなどをあらかじめ打診するってことは容易に想像できます。

同社社長はこうした情報をあらかじめ知っていて、同社株を買い付けたのでは?というインサイダー取引の疑念が沸いてきます。新興企業とはいえ上場企業ですから、会社として事前にインサイダー取引に該当しないことの検討はしてると思いますが・・・。実は意外に上場企業であってもこの辺りの認識は低いんです。

Terra Drone(株) 昨年末発生した火災事故

Terra Drone(株)は1/30、「当社海外子会社で発生した火災につきまして(第四報)」を公表しました。海外子会社で火災事故が発生という一報は知っていましたが、ここまで大きな被害が出ていたとは。

火災事故の発生は昨年12月9日。同社インドネシア子会社(99.9%連結子会社)ジャカルタ本社でのこと。被害の状況は、死亡者 現地社員22名(男性7名、女性15名)、 負傷者 現地社員15名だったそうです。負傷者については全員が治療を終えて退院し、現在は順次業務に復帰しているとのこと。

出火原因については、廃棄対象であったバッテリーの一つが、同社インドネシア法人の担当社員により社内規定に沿わない形で取り扱われ、ツールボックス上に積載された結果、何らかの要因で落下・発火したことに起因すると認識しているとのこと。

インドネシアでの事故のため、あまり報道は見かけませんでしたが、この人的被害は物凄いことになってます。国内での事故であれば大騒ぎになっていたでしょうね。

入居していた建物が、建築物安全法に基づき設置および維持を義務付けられている排煙設備、防火区画、防護・消火設備、安全な避難経路等の各種設備に不足があったとしており、まだまだこの後も係争含めて揉めそうです。

リンカーズ株式会社 逮捕された社長は代表取締役社長の職を辞任

不同意わいせつの疑いで社長が逮捕されたリンカーズ株式会社は1/21、「当社代表取締役社長の異動(辞任)について」を公表しました。、一身上の都合により代表取締役社長の職を辞したい旨の申し出があったため、と説明されています。まぁ、逮捕されたわけですから当然の判断だと思います。

ただし、ここで言う辞任とは、代表取締役社長の職を辞任するということであり、法的に会社を代表する権限を失ったということ。その後は平取締役として会社に残り続けます。取締役までも辞任するとなると、通常株主総会の決議を経る必要があるためだと思います。

とはいえ、やや特殊な手続きが必要になりますが、本人の意思があれば取締役も辞任することは不可能ではありません。そこまではやらなかったって状況ですね。

取締役を定時株主総会の決議で解任(もしくは辞任)するまでこの状態。同社の定時株主総会は毎年10月末ですので、そこまで宙ぶらりん。不同意わいせつで逮捕された元社長が、取締役としてそのまま居残るのって・・・いかがなものでしょう。