電力カルテル 大手電力会社に課徴金命令?

事業者向けの電力の販売をめぐり中部電力、関西電力、中国電力、九州電力などがカルテルを結んでいたとして、公正取引委員会が総額で少なくとも数百億円の課徴金を命じる方針を固めたいう報道がありました。どこからリークした情報? 今のところ当該電力会社は命令を受けた事実はないとしています。

カルテル

カルテルとは、 企業、事業者が独占目的で行う、価格 ・ 生産計画 ・販売地域等の協定のことです。自由競争による企業の淘汰(とうた)を鈍らせ、技術進歩や生産の合理化を遅らせる作用をもっています。そのため、カルテルは独占禁止政策のうえで、もっとも厳しい取締りの対象とされています。

事案の概要

オフィスビルや工場といった事業者向けの電力について、互いの営業エリアで顧客を獲得しないよう申し合わせるなどしていたというもの。去年4月から7月にかけて立ち入り検査に入り、調査を進めていたということです。申し合わせは会社間で協議のうえ、2018年ごろから行われていたとみられるとのこと。

公正取引委員会はこうした申し合わせを、競争を不当に制限する独占禁止法違反に当たると判断したということですね。再発防止を求める「排除措置命令」とともに、中部電力、中国電力、九州電力などに、総額で少なくとも数百億円の課徴金の納付を命じる方針を固めたということです。

このタイミングで

課徴金としては過去最高額になる見通しなんだそう。しかしなぜこのタイミングでって感じ。今まさに各電力会社は、「特定小売料金(規制料金)の値上げ申請」を行っている最中。一般家庭向けの電力料金の値上げ申請です。まさにこの動きに釘を刺すかのような、、、絶妙なタイミングに見えてしまいます。考えすぎですか。

電通 セレスポ 五輪テスト大会談合で強制捜査

東京五輪・パラリンピックの大会運営を巡って、テスト大会の計画立案業務の入札で談合があったということです。東京地検特捜部と公正取引委員会は、各社間で落札者を事前に決めるなどした行為が独占禁止法違反に当たると判断し、強制捜査に踏み切りました。

電通グループ

電通は国内外で広告事業を手掛ける総合広告会社で、日本では最大手企業です。企業買収による海外での広告事業拡大を加速させ、世界的にも大手の一角。五輪やサッカーワールドカップなどの大型スポーツイベントの各種権利獲得にも積極的に取り組んできました。

セレスポ

セレスポは「セレモニー」、「スポーツ」、「プロモーション」、「フェスティバル」、「コンベンション」を5つの柱に、企画から当日の設営・運営に至るまで、トータルでプロデュースするイベント制作会社です。設備・設営に関するノウハウを持ち、オリンピック・地方創生などのイベント企画企業としても注目を集めてきました。

談合の概要

独禁法違反の疑いがもたれているのは、2018~21年に計56回開催されたテスト大会の計画立案業務だそう。特捜部と公正取引委員会は、会場ごとに行われた計26件の競争入札を巡り、受注した電通やセレスポなどが受注調整していたとみています。26件実施された入札のほとんどで、参加企業が1社だけの「1社応札」だったとも言われてますね。

この26件の落札額は数億円とみられていますが、その後のテスト大会の実運営や本大会の運営業務にまで、計画立案した会社が事実上、一体受注していたと見られており、その合計額は数百億円になるということです。これまで報道されてきたオリンピック関連の不正とは、けた違いの事件になりそうです。あらためて大会組織委員会のガバナンスの欠如が問われそうですね。

公正取引委員会 ニチイ学館に 排除措置命令

公正取引委員会は10/17、「愛知県又は岐阜県に所在する病院が発注する医事業務の入札等の参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について」を公表しました。愛知県と岐阜県にある病院の医療事務の入札で談合を繰り返していたということです。

ニチイ学館

命令を受けたのは業界大手のニチイ学館。再発防止に向けた排除措置命令と1億2,134万円の課徴金納付命令を受けています。2015年3月以降、両県の公立など20病院が発注する診療報酬請求や、窓口会計業務といった医療事務の受託について、同社とソラストのいずれかが受注できるようにしたり、入札価格を事前に決めたりしていました。計40件の発注で談合し、受注総額は約87億円とのこと。

結託したソラストは公正取引委員会の立ち入り検査を受け、同委員会の調査に全面的に協力し、再発防止に向けた取り組み及び課徴金減免制度の適用が認められており、課徴金はゼロということになっています。

ニチイ学館は2020年11月にTOBにより突然の上場廃止となっています。創業家のお家の事情などとも言われていましたが、投資ファンドがいろいろちょっかい出して話題になりましたね。ソラストとニチイ学館に公取委が調査に入ったのが2019年の5月ですから、この事案、創業家が事業を実質的に手放すきっかけの一つにもなっていたのかもしれません。

ソラスト

ソラストの開示によると、公取委の調査着手以前の2018年8月に内部通報があり、その後の社内調査で違反行為を確認しているようです。速やかに公正取引委員会に対して報告を行うとともに課徴金減免制度の適用を申請し、その後も、随時、追加報告を行ったとのこと。違反は違反ですが、社としての対応がその後の明暗を分けたわけですね。

学校PC談合 公取委が排除命令

日本経済新聞は7/7、「学校PC談合 公取委、NTT西などに排除命令へ」と報じました。広島県などが発注する学校用パソコンなどの入札を巡り受注調整をしたとして、公正取引委員会が近く、NTT西日本など11社に対して独占禁止法違反(不当な取引制限)で再発防止を求める排除措置を命じる方針を固めたということです。

11社で独占禁止法違反

今回の報道で社名が報じられているのは、NTT西日本に加え、大塚商会、ソルコム(広島の地元企業)の3社ですね。今のところどこの報道を見てもこの3社しか出てきません。公取委は各社に処分案を通知したということです。

各社は広島県や広島市が発注する公立の小中高校用のパソコンや周辺機器について、一般競争入札や見積もり合わせで、事前に受注業者を決めるなど談合を繰り返した疑いが持たれています。課徴金納付命令は総額約5,000万円になるとみられるとのこと。

2020年に始まった調査

実はこの談合事件、2020年10月には始まっていた調査なんですね。この時の調査対象企業には、上記3社に加えて富士通リースや新星工業社などの名前もあがっていました。で、調査対象となった企業は合計14社。3社は独禁法違反までは認められなかったということですね。

当時の報道では、受注調整は遅くとも2013年ごろから続いていたとされ、「内部からのリークも含め、各方面から情報が集まった」といいます。事業者間のみの談合とされ、当時も官製談合の可能性は低いとの見方がされていました。

日本の将来を背負って立つ子供たちへのGIGAスクール構想に関わる事業者たちが、自社の利益を最優先して談合です。学校現場のPC納入を巡る談合は、約20年ぶりの事件だとか。マジで許せない大人たちです。

スマートバリュー サイネックス 確約手続

スマートバリューは6/30、「公正取引委員会による調査終了に関するお知らせ」を公表しました。同日サイネックスも、「公正取引委員会による調査の終了について」を公表しています。タイトルだけ見ても何のことやら分からない開示ですね。

スマートバリュー サイネックス

スマートバリューは行政デジタル化を支援するデジタルガバメント事業と、クルマのサービス化を支援するモビリティ・サービス事業を手掛けるIT企業です。サイネックスは、50音別電話帳「テレパル50」などを発行し広告枠の販売を収益とするメディア事業が中核の企業。どちらも東証スタンダード市場上場企業です。

公正取引委員会の言い分

スマートバリューとサイネックスが組んで、自治体向けにホームページの編集や更新に使うコンテンツ管理システム(CMS)を開発し、販売してきました。その際、セキュリティー対策などを理由に「オープンソースのソフトウエアではないCMSとすることが必須」として、自前で開発したCMSを売り込んできたようです。

これに対して公取委は、セキュリティー対策について「ソフト導入後も継続して保守点検を行うことが欠かせず、オープンソースか否かは関係ない。オープンソースを外す要件を盛り込むことは正当な理由がない」という主張。

確約手続

競合他社の取引妨害に該当するか、徹底的に戦うことを避け、「今後は気を付けます」みたいな改善計画を提出することで手打ちした。みたいな事件ですね。まぁ、一種の司法取引みたいなものかな。これで両社ともに排除措置命令や課徴金納付命令を回避できたということです。

両社の開示では、「確約手続は、当社が独占禁止法に違反したことを認定するものではありません」と往生際の悪いコメントをしていますが、「ヤバッ!」ってことで確約計画出したんでしょ。と思うんだけど。