防衛省、金品提供問題の調査広げる 三菱重工は急落

防衛省は海上自衛隊の潜水艦乗組員らに対する川崎重工業の金品提供問題を受けて、三菱重工業や下請け企業など関連する企業も、近く始める特別防衛監察で調査の対象とすると昨日伝わりました。

特別防衛観察

特別防衛観察とは、防衛省・自衛隊で起きた重大な不正行為や倫理違反について、客観的な解明が必要だと防衛相が判断した際に監察する制度です。これまで南スーダンの日報問題や元陸上自衛官の女性が性被害に遭った問題などで計6回実施されています。

三菱重工は急落

このニュースを受けてだと思われますが、昨日の三菱重工株は急落(1875円、125円安)しました。ここまで防衛関連株の中心銘柄として大きく上昇してきただけに、「川重同様の事案が出てくるのでは」と市場が疑心暗鬼になり、ろうばい売りを誘ったということでしょう。

他にも川重やIHIも売られました。しかしまぁ、この3社抜きでは日本の防衛産業は成り立ちませんし、輸入に頼るなんてのも国策に反します。そう考えていくと、今回の特別防衛観察は、どの辺りを落としどころにするのか、、、っていうことなんでしょうね。

ちなみに、潜水艦に限ってみれば、建造を手掛けるのは川崎重工と三菱重工の2社に限られており、海上自衛隊が保有する潜水艦計25隻のうち12隻が川崎重工製、13隻が三菱重工製だそうです。

川崎重工 架空取引 海上自衛隊員への金品・物品の提供

防衛省は7/3、「川崎重工業株式会社からの報告を受けた調査について」を公表しました。海上自衛隊の潜水艦を受注する川重が取引先企業との架空取引で裏金を捻出し、潜水艦乗組員らの物品購入代や飲食代を負担していた疑いがあるということです。

川崎重工

川崎重工は総合重機大手。造船、航空機、鉄道車両など、陸・海・空に幅広く事業展開。また、総合重機各社で唯一、コンシューマ製品である二輪車の製造・販売も手がけています。事業セグメントは多岐にわたりますが、今回問題となったのは潜水艦・深海救難艇及び関連装置。もちろん東証プライム上場企業です。

不正の概要

海上自衛隊の潜水艦を受注する川崎重工が、取引先企業との架空取引で裏金を捻出し、潜水艦乗組員らの物品購入代や飲食代を負担していた疑いがあることが分かったということです。不正な資金捻出は遅くとも6年前に始まっており、流用額は十数億円以上に上る可能性があるといいます。

防衛省の公表文では、潜水艦修理契約における不適切な行為及び隊員の規律違反の疑いについて、海上幕僚監部に一般事故調査委員会を立ち上げ、調査を実施しているとしています。が、この公表文で気になるところが・・・。川崎重工からこの不正事案に関する防衛省への報告は、実は今年4月に行われていたという点。今までどうして?、隠してた?

またまたトヨタグループで不正 下請法違反

日本経済新聞は7/1、「トヨタ子会社に下請法違反で勧告へ 50社に金型無償保管」と伝えました。またまたトヨタグループ企業での不正です。金型を下請け企業に無償で長期間保管させたなどとして、公正取引委員会が近く、下請法違反で再発防止を勧告する方針を固めたとのこと。

トヨタカスタマイジング&ディベロップメント

不正が行われていたのはトヨタカスタマイジング&ディベロップメント。同社は一般車両向けの車体パーツのほか、救急車やレーシングカーなどの製造と開発を手がける企業。トヨタが9割超の株を保有する子会社です。

下請法違反(利益提供要請の禁止など)

自動車部品の大量生産に必要な金型を、下請け業者に無償で長期間保管させたというのが違反の内容。遅くとも約2年前から、新たな発注の見込みがないにもかかわらず、バンパーやタイヤのホイールなどの製造に使う自社所有の金型や検査用器具など650セット超を、全国の下請け業者約50社に預けたまま、倉庫などに保管させていたといいます。トヨタ側は違反を認め、被害相当額を業者側に全額支払う見通しだそう。

さらに日経では書かれていませんでしたが、別の報道によると同社は、「5000万円分を超える車体パーツを不当に返品していたとみられる」という情報もあるようです(同じく下請法の不当な返品の禁止に該当)。しかしまぁ、いろいろ出てきますね、トヨタグループ。

冒頭書いた下請け企業50社というのは、おそらく公取委が確認できた件数だと思われます。グループ内で実態調査を行えば、もっとすごい数になる可能性もありそうです。

FPパートナー(その2) 株価急落

FPパートナーの株価が下げ止まりません。9時半頃に一旦値が付きましたが、その後また売り気配となり、大引けまで値段が付かず。株価は2605円で700円のストップ安、130万株の売り物を残しています。ダイヤモンド社の記事を明確に否定しましたが、今月上旬から既に2000円下げています。

東洋経済オンライン

どうやらダイヤモンドオンラインに続き、東洋経済オンラインも参戦したようですね。「『生保業界のビッグモーター』にすり寄る生保、生保による過剰な便宜供与と利益供与が復活」 などというかなり過激な表現で報じられています。

「保険会社による営業社員の採用支援とあっせん」、「リーズと呼ばれる保険契約の見込み客を、FPパートナーに無償で紹介している」という二点を問題視。無償で紹介を受けた見込み客の情報は、FPパートナーが自社の募集人に1件1万1000円で販売していたそうな。

そしてさらに保険会社から支払われる多額の広告料についても指摘しており、これらはもう「便宜供与を超えて、利益供与だ」という金融庁幹部の言葉も紹介しています。なんかエライことになってきましたね。ビッグモーターに群がった損保、今度はFPパートナーに群がる生保ですかぁ。

4月には法令違反も?

FPパートナーでは銀行代理業として住宅ローンの仲介も手がけている中で、営業拠点の変更などに伴う銀行法上の必要な届け出をしていなかったという法令違反が、4月以降に発覚していたそうです。金融庁はここから着手したのかな。

苦戦するデジタル不正調査 デジタルフォレンジック

6/3付け日本経済新聞に、「苦戦するデジタル不正調査 フォレンジック、『限界』報告相次ぐ企業、記録保存に甘さも」という記事がありました。企業の不正調査で、メールやサーバへのアクセスログなどを解析する「デジタルフォレンジック」(電子鑑識)が不調に終わる例が出始めているということです。

デジタルフォレンジック

デジタルフォレンジックとは、犯罪捜査や内部統制、情報流出対策として利用される調査・分析技術です。コンピュータやネットワーク、外部メモリなどから情報を収集・解析し、法的証拠として活用します。一般企業では、サイバー攻撃を受けた時の原因究明や分析、不正行為発覚時の調査対応にフォレンジック技術が使用されます。

不正に鈍感な企業だからこそ

記事では、企業が使うメールやチャットサービスのライセンスの制約により、復元困難な過去データがあるなど、企業側のデータ保存の問題が指摘されていました。発覚後に遡って調査ができるよう、可能な限り長期間のログが保存されていることが望ましいわけです。

が、しかし、そのためにはデータ量も莫大となり、全てを長期保存すればかなりのコストがかかります。不正に対してわきが甘い企業だからこそ、こうしたコストも負担できていない。ある意味当たり前です。

データがしっかり保存されているから、モニタリング等で不正が必ず見抜かれる、という意識を従業員たちに浸透させることもできるんですけどね。