SMBC日興証券 副社長をコンプライアンス担当に

SMBC日興証券は9/27、「役社員の異動について」を公表しました。副社長が同日付で取締役に就任し、コンプライアンス統括役員を担うという人事です。大株主から株を買い取って投資家に転売する「ブロックオファー取引」での相場操縦を巡り、東京地検特捜部により同社役職員等が逮捕・起訴されていた件を受けての対応です。

前担当は取締役を退任

同時に発表された人事では、コンプライアンス統括担当だった取締役が取締役を退任し、常務執行役員に専念するという異動も公表されています。金融庁から行政処分が下される直前というタイミングでの役員異動ですので、事実上の解任でしょうね。

こういうタイミングで突然の公表。おそらく金融庁とのやり取りで「最低限の責任の取り方があるだろう」みたいな口頭指導があったんでしょう。SMBC日興は「相場操縦事件の再発防止の一環で、副社長クラスを統括に据えることでコンプライアンス順守の体制強化を図る」と言ってますが。

新たなコンプライアンス統括担当

コンプライアンス統括担当に新たに就任されるのは副社長執行役員だった方。今回取締役に就任し、取締役兼副社長執行役員として任に当たられます。前担当が筆頭取締役だったのでナンバー4。副社長という肩書ではありますが新任のこの方もやはりナンバー4なんですよね。取締役会での序列は一番下だと思われます。

同じ日に三井住友フィナンシャルグループも、子会社であるSMBC日興のこの人事を公表しているんですが、適時開示等はなし。本気でコンプライアンス徹底を目指した副社長人事ならもっと派手に公表しても良さそうなもんだけど。やはり、金融庁のご指示に沿っただけなんですかね。

長谷川香料 社員の死亡事故

長谷川香料株式会社は9/16、「当社社員死亡事故について」を公表しました。9/15、午前11時頃、同社板倉工場(群馬県邑楽郡板倉町)において所属社員1名が死亡し、2名が負傷する重大な事故が発生したという開示です。

長谷川香料株式会社

長谷川香料は飲料、乳業、菓子用などのフレーバー(食品香料)と、化粧品、トイレタリー製品用などのフレグランス(香粧品香料)を扱う香料メーカーです。売上高では高砂香料工業に次ぐ国内2位の企業。1903年創業といいますから、120年の歴史を持つ老舗企業ですね。

事故の概要

開示資料では、9/15、午前11時頃、同社社員が食品の蒸留作業中に体調不良を起こし病院に搬送され、1名が死亡、2名が負傷とのこと。原因は、一酸化炭素による影響と思われるが、現在詳細を調査中、としています。開示ではここまでの情報しかありません。

報道等の情報によると、コーヒー豆を熱して出る蒸気を冷却して香り付きの液体にし、円柱状のタンク(直径約120センチ、高さ約170センチ)に移す工程で作業していたといいます。このタンク内にいた男性社員(48)が死亡、男性社員(30)が意識不明の重体だとのこと。さらに、2人の救助に当たった男性社員(41)も軽傷。

通常は香料の製造作業中にタンク内に人が入ることはないそうで、警察は2人が何らかの理由で自ら入ったか、誤って落下したかを捜査しているようです。高さ170センチのタンクからであれば、なんとか自力で脱出できなかったのかと思うのですが。開口部の形状が分からないので何とも言えません。

事故を受けて長谷川香料は、調査委員会を立ち上げ、関係省庁に全面的に協力しながら原因究明に努め、再発防止に全力で取り組むとしています。

日邦産業 グループ会社のシステム復旧のお知らせ

日邦産業株式会社は9/20、「不正アクセスを受けた当社グループ会社のシステム復旧等に関するお知らせ」を公表しました。8/29に発生した、同社ベトナム工場に対する外部からの不正アクセスについて、システムを完全に復旧し、本日より、すべての業務を再開することになった、という開示です。

4月にはマレーシア工場でも

1ヶ月弱でシステム復旧、ベトナム工場で保存していた情報が外部に流出した事実もなし。ということでスルーしていたニュースなんですが、よくよく見てみるとこの会社、今年4/8にもマレーシア工場のネットワークが第三者によって、不正アクセスを受けてるんですね。

この時も4/22には、同工場のシステムを復旧し、すべての業務を再開しています。いずれも1ヶ月以内にシステム復旧、業務再開ということで評価できる面もあろうかと思いますが、一方で何を学んだの?とか、4カ月間で他の工場の態勢強化とかできなかったの? といった疑問の方が強いですね。

一度目のマレーシア工場の時は、侵入経路を「VPN 機器の脆弱性を悪用された」と開示しているんですが、二度目のベトナム工場については「当局から秘匿するように指導を受けているため、詳細の開示は控える」としている辺りも少々怪しい感じがします。一度起きたことに対しては二度と起こさないための対応が必要ですが、マレーシア事案を受けた改善対応については一切触れられていません。

訴訟なんかも

日邦産業ってフリージア・マクロスから訴えられてるんですね。株主総会決議事項(買収防衛策)の無効を訴えるものです。わきが甘いからこういう面でも攻められちゃうんですな。4月の不正アクセス、8月の不正アクセス。同じ4月と8月に控訴されてるっていうのは、何か関係あるんでしょうかね(考えすぎだと思いますが)。

東芝の技術流出は避けたいよね

9/19付けの日本経済新聞に、「東芝の技術、日本勢で支え 強みのインフラ先細り警戒 中部電力やオリックス出資検討」という記事がありました。バブル期まで日本の象徴として成長してきた企業群。東芝もその一員です。今まさに再編という場面ですね。

重電3社

バブル時代は日本を代表する重電3社の一角であり、世界的にも時価総額や技術力で図抜けた存在でした。若い人は知らないだろうけど、日立、東芝、三菱電機って凄かったのよ。

東芝は再編の憂き目に。まぁ、いろいろと悪さしてきたのでしょうがないんだけどね。三菱電機は今まさに不正の泥沼に沈みつつあります。いち早くグループ会社を含めた事業再編を進め、ルマーダを核とした新しい会社に生まれ変わった日立ぐらいですか、生き残るのは。

ただその日立にしても、世界中が脱炭素に向けて大きく舵を切り始めた場面で、風力発電事業から撤退してしまうなど、ちぐはぐなことやってます。

技術の流出

日経では東芝の売り上げの半分以上を占めるインフラ事業(今既にあるインフラを支え続ける事業)を心配していましたが、それ以上に同社が持つ先端技術の方が心配です。技術そのものが流出することもあれば、優秀な技術者の離反もあるでしょう。

ここは是非、外資系ファンドではなく、日本勢で再編を主導していただき、不用意に海外に技術が漏れ出さないようにしていただきたいですね。そしてさらに、一度失敗した企業でも再編でここまで再生に成功したぞ、、、っていう雄姿を見せてほしいものです。

通園バス園児置き去り死 センサー設置と思考停止

静岡県の認定こども園に通う女児が、通園バスに取り残されて死亡した事件。昨年にも同様の事件が起きていただけに、一気に社会問題になりました。っていうか、いつものようにメディアがこぞって取り上げ、ワイドショーのネタになったって話なんですけどね。

人はミスをするもの

バスに乗り込む時にチェックし、降車時にもチェック。全員降車後にはバス内に取り残されている園児がいないかをチェックする。など、一通りの取り残し防止に関する業務フロー等は整備されていたようですが、それでも事件は起こりました。人も組織もミスをするものなんです。

昨年は福岡県で一人の園児が死亡しており、2年間で二人が死亡ということもあり、メディア等では取り残し防止装置の設置をルール化すべきという論調が。。。よくあるパターンで、人間は信用できないから、機械のチェックにより事故を防ごうという展開です。

思考停止

運転手がエンジンを切るとバスの最後部でブザーが鳴りだし、そこまで足を運んでブザーをオフにしなければなり止まないというシステム。アメリカで使われているシステムのようです。他にも、バスの天井にセンサーを複数取り付け、動くものに反応してスマホに取り残しを警告してくれるシステム、などが検討されているようです。

機械でチェック(システム化)することに反対はしませんが、システムを導入することで園児置き去りに関する問題意識が失われるとしたら、それは問題ですね。システムで解決できる範囲は100%ではありませんし、機械は必ず不具合や故障を起こすものです。

園児の置き去りを100%回避し、これからの日本を創造するこの国の宝物をいかに安全に預かり、育成するのか。こういう視点と常に向き合っていくことが重要です。決してシステム化で思考停止することのないように、、、と願っております。