帝人 決算発表してましたね 工場火災の件も初めて

帝人は2/8、「業績予想の修正及び特別損失(連結・個別)の計上に関するお知らせ」を公表しました。前回取り上げたように、オランダの工場で起きた火災事故とそれによるアラミド繊維の出荷制限など。開示すべき情報を適時に開示せず、決算発表で初めて、特損の理由として開示しています。

業績予想の修正の理由

今回の発表では業績予想の下方修正を行っているんですが、その原因が開示してこなかった工場火災による影響です。下方修正の理由、原文のまま引用します。

「マテリアルセグメントにおける欧州拠点での工場火災による生産量低下に伴う販売量減少、中国のロックダウン後の経済停滞に伴う需要減の影響等により、売上高を上記の通り前回発表予想から下方修正することといたしました。」

「また、売上高修正の要因に加え、マテリアルセグメントにおける米国拠点での設備故障復旧後の立上げ遅延による生産性改善遅れ等も影響し、営業利益、経常利益につきましても上記の通り前回発表予想から下方修正することといたしました。」

開示って何?

オランダの工場火災の件、やっぱりね、って感じです。そしてさらに、これは報道もされていなかったと思いますが、米国の工場でも設備故障が起きていたようです。決算発表で結果を知らされるまで、株主、投資家は何も知らなかったわけです。

工場火災や故障等による設備の不稼働、こうした情報が会社の評価や株価へどんな影響を与えるのか。そういった情報が提供されてこそ、投資家は様々な判断ができるわけです。それを会社が、「こんなの大したことないよ、決算発表の時でいいじゃん」で済まされたらたまりません。

商船三井 自動車運搬船で火災事故

商船三井は2/17、自動車運搬船“FELICITY ACE” にて火災が発生し、乗組員が総員退避したことを公表しました。しかし、これはあくまで同社ホームページ上だけの公表で、適時開示は行っていません。

事故の概要

火災を起こした貨物船はパナマ船籍の自動車運搬船「フェリシティエース」(全長200メートル)で、商船三井が所有・運航。ドイツを出港し、米国に向かっていました。16日午前9時半ごろ、ポルトガルのアゾレス諸島沖で出火。乗組員が避難したため、船は制御できない状況に。つまり漂流中。

船には高級車のベントレー約200台や、ポルシェ約1100台のほか、フォルクスワーゲンやアウディ、ランボルギーニといった自動車など、約4000台の車が積まれているようです。乗組員22人は避難し、全員無事とのこと。

何で開示しないの

商船三井をはじめとした海運株は、業績絶好調。期末の大幅増配なども伝えられ、株価は大きく値上がりしています(それでも割安な業種ですが)。こうした好業績や増配についてはもちろん適時開示されています。一方で、火災事故についてはなし。

事故が発生した翌日にはホームページで公表していますが、その翌日2/18には株価は2月の高値近辺まで買われました。で、報道が事故を取り上げた後、2/21には株価は急落。事故のことを知らずに、期末の配当目当てで高値を掴んだ投資家もいたりしそうです。

なんで適時開示しないんでしょうね。会社にとって都合のよくない情報はできるだけ抑えておく。こういう発想してちゃダメでしょ。と、思うのですが。

サイバーリンクス(3683) これで適時開示?

サイバーリンクスは6/9、「サイバーリンクスとシーネット、物流DX分野で連携開始」を公表しました。同社ホームページでは、「適時開示」というマークを付した形でこの公表文が掲載されているんですが、、、。

EDI2024年問題

2024年から2025年にかけてNTT東西は固定電話網(PSTN)をIP網へ移行する予定です。IP網への移行に際し、ISDNサービス(INSネット/ディジタル通信モード)は2024年のサービス終了が予定されており、新しいEDI通信へのスムーズな移行が求められているということです。

EDIとはElectronic Data Interchangeの略で、日本語では電子データ交換。コンピューターネットワークを用いて、受発注・決済などの業務用文書をやりとりすることだそうです。そのEDIが利用してきたISDNがなくなってしまうのでさぁ大変。というのが2024年問題です。

シーネットが提供する倉庫管理システム「ci.Himalayasシリーズ」と、サイバーリンクスが提供するEDIの効率化を支援する「クラウドEDI-Platform」との連携を開始したというニュース。この連携により、「ci.Himalayasシリーズ」において個別の設備投資を行うことなく、EDI2024年問題への対応を行うことができるということらしいです。

適時開示

社会課題の解決、良い話ですね。株式市場にも伝わり、サイバーリンクス株は急騰しました。が、しかし、TDnetで探しても一向に出てきません。EDINETにもありませんでした。kuniが知ったのはみんかぶという会社が出しているニュース。10:30頃に開示があったとされているんですが。

冒頭にも書いたように、同社ホームページでは「適時開示」のマークを付けて掲載されています。いったいどこに開示したんでしょうかね。こういうの適時開示と呼べるんでしょうか。

グローム・ホールディングス 島津製作所との業務提携情報を誤発信

グローム・ホールディングス株式会社は6/2、「当社子会社による情報の誤発信に関するお知らせ」を公表しました。子会社のグローム・マネジメントが株式会社島津製作所との業務提携基本契約を締結した旨、Webサイトに掲載したんですが、これが何と誤発信だったというもの。

グロームホールディングス

グロームホールディングスは不動産関連事業(不動産サブリースが祖業)の企業でしたが、同事業から病院関連事業へ事業分野を転換。医療法人の病院運営に関する経営支援業務などの拡大を進めている企業です。

グロームマネジメントは100%子会社。というか、ホールディングスは持株会社ですので、同社が実質的なメインの事業会社でしょう。両社ともに住所は一緒。入居しているビルのフロアまで一緒です。そのグロームマネジメントが業務提携情報を誤発信してしまったというお話。

島津製作所

お知らせによると、「6/1、15:05頃にホームページに掲載し、6/2、9:20頃に同掲載を消去」したそうです。「子会社内の連絡ミスにより生じたものであり、現時点において業務提携基本契約を締結した事実はない」とのこと。しかし、火のないところに煙は・・・、と言いますよね。

株価の動向は

上場しているグロームホールディングス株の動きを見てみましょう。6/2、寄り付きから買われています。1863円(40円高)で始まったのち、13時過ぎには1900円辺りまで買われ、13:10に「実は誤発信だった」ことが開示されています。

一旦は売られますがその後切り返し、高値は1967円、終値も1919円で前日比96円高となっています。誤報と聞いて売った人あり。誤報ではなく単なるフライングだと理解した人あり。面白いですね、正解はおそらく後者でしょう。

これが本当に誤報だったら大変なことになっていたところですが、信じて買った人たちは儲かっています。少なくとも昨日時点では。まぁ、それでも取引所からはお目玉食らいますわな。

ルネサスエレクトロニクス また工場火災か

ルネサスエレクトロニクスは4/22の午前9:45、「半導体製造工場(那珂工場)の火災発生に関するお知らせ(第7報)」を公表しました。3/19にルネサス セミコンダクタ マニュファクチャリングの那珂工場で発生した火災に関する続報、第7弾という意味ですね。

火災発生に関するお知らせ 第7報

世界で半導体不足が脅威になっている最中ですから、被害の状況や生産再開の見込み、代替生産についての見通しなど、投資家や株主、取引先などに対するきめ細やかな説明は非常に重要です。

そういう意味では同社の開示、ここまでは良くできていたと思います。マスコミ、証券アナリストを対象に過去3回にわたり説明会も開催されており、その概要についても開示してきました。よく頑張ってるなぁ、という感じで見ていたんですけどね。ところがどっこい、、なんですよ。

今回の開示は、「半導体製造工場(那珂工場)の火災発生に関するお知らせ(第7報)」なんですが、実際には新たな火災の発生、それも同じ那珂工場のN3棟1階で発生しています。これって、第7報という扱いで良いんでしょうかね。疑問です。

「那珂工場のN3棟(300㎜ライン)1階床下において、2021年4月21日16時30分頃に、自動搬送車台車(RGV)の電源盤から発煙しました。発煙後すみやかに当社の社員により鎮火しています。」(原文のまま引用)

発煙と火災

まぁ確かに「発煙」としていますので火災ではないのかもしれません。しかしこれは従業員が詰めている16時30分だから良かっただけですよね。3/19の火災は午前2時47分に発生しています。もし夜中の発煙だったら、今回も発煙だけでは済まなかったのでは?

一つ前の第6報では、「煙や熱を検知するセンサの設置を進める」としていました。その効果があって煙の段階で鎮火できたということなのかもしれませんが、、、。