PR TIMES 発表前情報への不正アクセス発生

PR TIMESは7/9、「PR TIMES、発表前情報への不正アクセスに関するお詫びとご報告」を公表しました。不正アクセスにより、公表直前のプレスリリース情報が不正に取得されていたとのこと。不正アクセスによる被害は毎日のように聞こえてきますが、この事件は特別かも。

PR TIMES

同社はプレスリリース、ニュースリリースの配信サービス会社です。月間5200万PV、国内最多のプレスリリース件数 月間21,000件、上場企業の40%超が利用、、、などと宣伝されてます(同社ホームページにて)。

東証が運営するTDnetの民間版といったところでしょうか。ざっと眺めた感じでは適時開示よりは、もっと砕けた感じというか、誰かに伝えたいことであればなんでも発信できる媒体といった感じですね。

以前当ブログでも取り上げましたね、売り上げの期間帰属の適正性に疑義があるとして決算発表を延期したベクトルという会社の子会社です。毎期売り上げがものすごい勢いで伸びている成長真っ盛りの企業です。

不正アクセスの概要

特定IPアドレスから不正アクセスを受け、会員企業13社14アカウントのプレスリリース230件に紐づく画像データ230点と、同13社のうち会員企業4社のプレスリリース28件に紐づくドキュメント28点だそうです。

少し砕けた感じの情報とはいえ、決算短信を検索してみるとちゃんと出てきますし、公表前情報にアクセスできたというのは、これは大きな問題です。公表前の好決算を利用して株式市場で大きく儲けていた、なんてことになると、インサイダー取引ですし、かなりのインパクトになりますね。

今回の開示では漏えいした情報の内容については触れていません。ここ、一番知りたいところなんですけどね。

ジェイリース株 インサイダー取引事件の告発

証券取引等監視委員会は6/30、「ジェイリース株式会社株券に係る内部者取引事件の告発について」を公表しました。このことを受けて、ジェイリース株式会社は7/1、「証券取引等監視委員会による発表について」を公表しています。

事件の概要

監視委員会の公表を受けて、ジェイリースとしては、「本件は当社株券に係る事案ではありますが、当社及び当社役職員による内部者取引への関与は一切なく、また嫌疑をかけられている事実もありません。」といいう事実を訴えているわけです。

確かにタイトルだけサラッと読むと、ジェイリース(もしくはその役職員等)が悪さをしたのか、、、って感じにも見えそうですね。お気の毒です。

事件は、ジェイリースと守秘義務契約を締結し、事業に関する検討をしていたJ・PROTECT株式会社の代表取締役が、知人に業務提携に関する情報を伝え、当該重要事実を公表する前に株券を購入したというもの。

利益を得させる目的をもって重要事実を伝達した代表取締役、重要事実を聞いて株式を買った知人、二人そろって金融商品取引法違反(内部者取引、情報伝達)の嫌疑で告発されたというものです。

遡ってみると

監視委員会の公表文では平成2年5月下旬としています。確かに業務提携が公表された5/25から株価はぶっ飛んでます。230円くらいの株価が5/28には444円まで。この知人さん、ジェイリース株式を9万株、約2270万円で買い付けたといいます。

買付け単価は250円くらい。1,700万円くらい儲けてますね。ここまで派手に買い付けて、バレないとでも思ってたのか。前にも書きましたが、インサイダー取引は絶対にバレるんです。

堺化学工業 役員報酬の減額

5/11の湯本工場の爆発・火災事故を受け、6/11には亜鉛末事業からの撤退を表明していた堺化学。6/25には、「役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。前期決算において、特別損失として固定資産の減損損失7,002百万円を計上。また湯本工場において爆発・火災事故を発生させことに対するものだそうです。

役員報酬の減額

代表取締役社長:月額固定報酬の 20.0%
専務取締役:月額固定報酬の 17.5%
常務取締役:月額固定報酬の 15.0%
取締役:月額固定報酬の 10.0%(社外取締役を除く)

報酬の減額についてはこんな感じです。不正行為や不法行為があったわけではありませんので、こんなもんかなと思いました。ところが、報酬の減額期間が凄いんです。なんと向こう12か月にわたって役員報酬を上記のように減額するとのこと。

このところ不祥事の責任を取って役員報酬の減額を表明する企業のほとんどが、2~3割の減額、3カ月間というのが相場です。なんかこの会社凄いですね。

ちょっと気に入りました

気になって株価等を調べてみました。6/28の株価は1,898円。PERはわずか7.3倍。PBRはなんと0.42倍です。驚きの割安株ですね。配当利回りも2.14%の予想となっています。もちろん、これらの指標だけで株を買えるわけではありませんが、、、。

あともう一つ、6/21に調査機関が投資判断を最上位で継続し、かつ目標株価を引き上げた銘柄群の中に同社も入ってました。最上位に格付けしたのはいちよし証券で、目標株価は3,100円→3,300円に引き上げられています。ほぉ、評価高そうですね。

ただし、株式投資は自己責任原則でお願いしますね。

成長戦略実行計画 SPAC 導入 新規株式公開(IPO)における課題

6/18、閣議決定された成長戦略実行計画。グリーン14分野に係る投資や研究開発、フリーランスの働く環境整備、経済安全保障のためのデジタル政策、SPAC(特別買収目的会社)制度の導入などスタートアップ支援などが盛り込まれました。

SPAC

SPAC(特別買収目的会社)制度がとうとう日本でも導入されるようですね。経産省が前のめりになってる一方で、金融庁は反対してるらしく(まぁ、ここは新しいものについては基本的にこういうスタンスです)、まだまだ導入への道のりは険しそうですが。

成長戦略実行計画では、「投資家保護策等の観点から、SPACを導入した場合に必要な制度整備について、米国をはじめとする海外の規制当局の対応やSPACをめぐる市場の動向、我が国の国際競争力の強化の視点を踏まえつつ、検討する」という表現になっています。

ちなみに、SPACは米国のみならず、英国、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、韓国で導入・活用されているそうです。

現行IPO

成長戦略では現行のIPOの制度に関してかなり否定的に触れています。上場後初めて市場で成立する株価(初値)が上場時に起業家が株を売り出す価格(公開価格)を大幅に上回っていることを指摘しています。これは、米国や英国など、諸外国と比べて突出しています。

このため、IPOによる起業家の資金調達額が少なくなっている、という点に着目してるんですね。おっしゃる通りだと思います。初値で特定の金持ち投資家が利益を得る仕掛けで、公開する企業の売り出し価格は低めに設定され、資金調達額は少なくなってしまいます。

SPAC導入も、現行IPOの否定も、どちらも証券会社の収益機会を奪う方向の議論になります。濡れ手に粟、みたいなビジネスは、やはり消えていくんですね。

グロームホールディングス 急落

6/2、「当社子会社による情報の誤発信に関するお知らせ」を公表したグロームホールディングス。子会社のグローム・マネジメントが株式会社島津製作所との業務提携基本契約を締結したという誤発信。にもかかわらず、その後も株価は上げ続けていたのですが、、、。

6/14 急落

当該誤発信後も株価は上げ続け、6/11(金)の高値は2,341円まで入りました。誤発信の6/2の終値が1,918円ですから、400円以上上げてたんですね。ところが週明けした6/14、わずか一日で、というか前場だけで500円安。ストップ安して1,718円に。

上げっぷりも良かったですが下げっぷりもなかなか。おまけにこの日は前日比100円高辺りから始まっているので、朝一番に買った人は600円安食らってます。恐ろしや。

子会社がフライングして公表しちゃったもんだから、島津製作所が怒ってしまって、、、業務提携基本契約の話が流れてしまったんでしょうか。ついついこんなことを考えてしまいます。いろいろと調べてみましたが、この記事を書いている時点で、この急落の材料(ニュース等)は見当たりません。

業務提携情報

業務提携をする場合、解消する場合は開示するものですが、そもそも提携に関する話を進めていたが、契約は成立しなかった、ということであれば開示のしようがありませんね。しかし、水面下で進めてきた提携話が実現しなかったという事実は、誤発信により結構インパクトのある材料になってしまった可能性が。

買い上がった人も、急落でぶん投げた人も、インサイダー取引に問われることはないでしょうが、破談になったことを知ったものが売ったんだとすると、限りなくインサイダー取引に近い取引ですね。

いやぁ、株式市場は恐ろしいところですね。読者の皆様もどうかお気を付けくださいませ。