成長戦略実行計画 SPAC 導入 新規株式公開(IPO)における課題

金融、証券

6/18、閣議決定された成長戦略実行計画。グリーン14分野に係る投資や研究開発、フリーランスの働く環境整備、経済安全保障のためのデジタル政策、SPAC(特別買収目的会社)制度の導入などスタートアップ支援などが盛り込まれました。

SPAC

SPAC(特別買収目的会社)制度がとうとう日本でも導入されるようですね。経産省が前のめりになってる一方で、金融庁は反対してるらしく(まぁ、ここは新しいものについては基本的にこういうスタンスです)、まだまだ導入への道のりは険しそうですが。

成長戦略実行計画では、「投資家保護策等の観点から、SPACを導入した場合に必要な制度整備について、米国をはじめとする海外の規制当局の対応やSPACをめぐる市場の動向、我が国の国際競争力の強化の視点を踏まえつつ、検討する」という表現になっています。

ちなみに、SPACは米国のみならず、英国、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、韓国で導入・活用されているそうです。

現行IPO

成長戦略では現行のIPOの制度に関してかなり否定的に触れています。上場後初めて市場で成立する株価(初値)が上場時に起業家が株を売り出す価格(公開価格)を大幅に上回っていることを指摘しています。これは、米国や英国など、諸外国と比べて突出しています。

このため、IPOによる起業家の資金調達額が少なくなっている、という点に着目してるんですね。おっしゃる通りだと思います。初値で特定の金持ち投資家が利益を得る仕掛けで、公開する企業の売り出し価格は低めに設定され、資金調達額は少なくなってしまいます。

SPAC導入も、現行IPOの否定も、どちらも証券会社の収益機会を奪う方向の議論になります。濡れ手に粟、みたいなビジネスは、やはり消えていくんですね。

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