カッパ・クリエイト 社長逮捕(その2)

はま寿司からかっぱ寿司に転職した現社長が逮捕されたという事件。社長に続き商品部長も不正競争防止法違反容疑で逮捕というニュースも飛び込んできました。この手のニュースは数ある不正の中でもメディアの食い付きが良いですね。ここまでのニュースで何度見たことか。

メディアでは

多くのメディアが指摘していたのが、「転職による情報漏洩リスクの認識強化が必要」だとか、「雇用の流動化が背景にある」みたいなことでした。これまでは、「確かにそういうリスクはあるし、退職時に誓約書取ってる」けど、訴えるところまではなかなか。というのが企業の本音だったと思います。

一昔前は顧客リストの持ち出しなんて、ほぼ当たり前のように行われてきました。何らかの媒体に記録されたリストと、退職者の頭にある記憶。明らかにリストが存在することの証明ができないため、訴えるところまではいけません。最近はメールの存在やダウンロードの記録なんかが決め手になるようになってきたんですかね。

はま寿司についても

また、自社の元役職員が働いた不正(自社の汚点でもある)だから公に晒したくない、という被害企業側の事情もありました。この事情って結構大きくて、持ち出された情報による被害と、そんな悪いことをする役職員を雇用してたんだ、という評価をされるリスクを天秤にかけることになるわけです。

今回のケース、メディアはカッパ・クリエイト側を徹底的に非難する形になっているようですが、はま寿司の問題についても認識しておく必要があります。営業秘密を転職先に持ち出し、「営業秘密に当たると思ってなかった」くらいのことを言ってる人が、同社の役員にまでなってたわけですからね。

コンプラに関する意識や倫理観がかけた人材を取締役にまで抜擢していたってことです。そういう人はこの役員だけなんでしょうか。いや、そんなことはなくて、この会社のカルチャーとして緩いんじゃないのか。この事件、そんな見方も必要ですね。

カッパ・クリエイト 社長を不正競争防止法違反容疑で逮捕

回転ずし業界4位の「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトの現社長が、同社に転職する前に競合他社「はま寿司」の仕入れに関する内部データを不正に持ち出した疑いがあるということで、警視庁は持ち出された情報が営業秘密に当たるとして、不正競争防止法違反容疑で同社長を逮捕したということです。

ここまでの経緯

当ブログでも以前取り上げたこの事案、株式会社はま寿司より不正競争防止法に纏わる告訴がされ、当該告訴に基づき、関係当局による初めての捜査が行われたのは昨年6月でした。あれから既に15ヶ月が経ったんですね。

逮捕容疑

今回の情報は報道が関係者への取材により入手したという格好。日本経済新聞も9/30付けで「かっぱ寿司社長に逮捕状 転職前のデータ持ち出しか」という見出しで報じています。

かっぱ寿司に転職する前に、競合他社である「はま寿司」の仕入れ価格等に関する内部データを不正に持ち出した疑いがあるということで、警視庁は持ち出された情報が営業秘密に当たるとみているようです。

不正競争防止法で規定する営業秘密は、企業が保有する技術上、営業上の秘密情報を指します。①秘密として管理されている(秘密管理性)、②事業などに有用(有用性)、③公然と知られていない(非公知性)――の3つの要件を満たす必要があるんだそう。

不正競争防止法に限らずですが、当ブログでも何度か取り上げているように、回転寿司業界はちょっとおかしなことになってますね。テレビCMなど見てる限りは、とっても元気のよい業界のように見えますが、既に過当競争で業界丸ごとおかしくなっていってるような感じです。

TOKAIホールディングス 取締役社長の不適切な経費の使用

見落としていました。TOKAIホールディングスは9/15、「代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表しました。続いて9/22には、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」も公表。代表取締役社長による不適切な経費の使用が認められたということです。

TOKAIホールディングス その2だな

TOKAIホールディングスは静岡県地盤で、エネルギーや情報通信サービス等を幅広く提供している企業です。元々は都市ガス事業からスタートした企業ですね。実は昨年10月にも当ブログで取り上げた企業。その時は同社子会社2社の元従業員2名による不正行為(総額5億円にのぼる会社資金の私的流用)についてでした。

開示の概要

そして今回の開示では、代表取締役社長による不適切な経費の使用が内部通報により発覚したため、同日開催の同社取締役会において、同氏を代表取締役及び社長兼最高経営責任者(CEO)から解職する旨の決議を行ったとしています。

さらに、同社グループ会社においても、各グループ会社の株主総会において速やかに取締役からの解任手続きを行い、同氏は同社グループ会社の全ての役職から離れる予定だそう。

代表取締役社長自らが不適切な経費の使用を行っていた事態を重く受け止め、事実関係を明らかにすべく、9/22開催の取締役会において、外部の弁護士及び公認会計士をその構成員に含む特別調査委員会を立ち上げることになったという顛末です。

グループトップがこんなことやってるわけで、子会社の従業員の不正も「さもありなん」ってところでしょう。それにしても特別調査委員会の設置とは大掛かりですね。報道によると「私的な会食費を交際費として複数回請求した疑い(請求額は最大で数千万円に上る可能性がある)」なんだとか。さてさてどんな調査結果が待っているんでしょう。委員会の報告を待ちましょう。

SMBC日興証券 副社長をコンプライアンス担当に

SMBC日興証券は9/27、「役社員の異動について」を公表しました。副社長が同日付で取締役に就任し、コンプライアンス統括役員を担うという人事です。大株主から株を買い取って投資家に転売する「ブロックオファー取引」での相場操縦を巡り、東京地検特捜部により同社役職員等が逮捕・起訴されていた件を受けての対応です。

前担当は取締役を退任

同時に発表された人事では、コンプライアンス統括担当だった取締役が取締役を退任し、常務執行役員に専念するという異動も公表されています。金融庁から行政処分が下される直前というタイミングでの役員異動ですので、事実上の解任でしょうね。

こういうタイミングで突然の公表。おそらく金融庁とのやり取りで「最低限の責任の取り方があるだろう」みたいな口頭指導があったんでしょう。SMBC日興は「相場操縦事件の再発防止の一環で、副社長クラスを統括に据えることでコンプライアンス順守の体制強化を図る」と言ってますが。

新たなコンプライアンス統括担当

コンプライアンス統括担当に新たに就任されるのは副社長執行役員だった方。今回取締役に就任し、取締役兼副社長執行役員として任に当たられます。前担当が筆頭取締役だったのでナンバー4。副社長という肩書ではありますが新任のこの方もやはりナンバー4なんですよね。取締役会での序列は一番下だと思われます。

同じ日に三井住友フィナンシャルグループも、子会社であるSMBC日興のこの人事を公表しているんですが、適時開示等はなし。本気でコンプライアンス徹底を目指した副社長人事ならもっと派手に公表しても良さそうなもんだけど。やはり、金融庁のご指示に沿っただけなんですかね。

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件 KADOKAWA会長を逮捕

じわじわと拡大してきましたね、五輪汚職事件。最初はAOKIホールディングスでした。次に出てきたのがKADOKAWAです。同社会長が事件に関連して初めてメディアからのインタビューを受けていたときの受け答え。なかなかビシッとしてて良かったんだけど、直後にあっさり逮捕されてしまいました。

昭和のにおいが

この事件、正直言うとあまり詳細情報は知らないんですよね。世間もそうかもしれないけど、オリンピックも終わってしまって、今一つ興味がわかないというか。視聴率もあまり稼げてなさそうな。まだまだ統一教会の方が世間の興味を引いてる感じがしますね。

受託収賄容疑で逮捕された大会組織委元理事が79歳。贈賄容疑の側ではAOKIホールディングスの元会長が83歳だっけ。同じく贈賄のKADOKAWA会長が79歳です。いずれも昭和の時代に大活躍された爺さんたちですね。事件全体からも昭和臭がします。

今の日本を停滞させ、もしくは後退させてしまっているのは、この人たちのように昔の名前で出しゃばってくる高齢の重鎮たちなのかもしれませんね。もちろん昔は非凡な才能を発揮されてきたんだろうけど。肝心なところが時代について行けてなかったり。

反社と一緒やね

今回時代についていけなかったのは、みなし公務員への対応という新しい常識でしょうか。反社会的勢力との付き合いが御法度になったころとよく似ています。反社に関する新常識が欠けていた財界人や政治家、芸能人が叩かれまくりました。

五輪汚職事件、パーク24も名前が出てきましたが、まだまだ拡大しますでしょうか。森喜朗元首相(85歳)も参考人として任意で事情聴取だとか。いつもの流れだけど、政界へも飛び火するんだろうなぁ。