日立 日立化成を売却

4/25、26と日立が子会社の日立化成を売却するというニュースが伝えられました。日立化成は日立が発行済み株式の51.2%を保有する子会社で、グループ内で御三家の一角と言われてきた会社です。5月にも日立化成が新たな出資先を募る入札を始める予定とのこと。日立のIT関連の事業に経営資源を集中しながらグローバル展開を強化するという選択により、売られることになりました。

日立化成の価値

日立の経営戦略は、まぁ理解できるところといいますか、今流行りの流れに乗ったものでしょう。中長期的に見てこの戦略が正しいのかどうかは何とも言えませんが。今の風向きでは妥当な判断ですし、株主や社会からも支持の得られるところでしょう。

しかし、一方で日立化成がとうとう見放されたという面も、実はかなり大きいような気がします。昨年11月、同社の国内7事業所すべてで品質データ改ざんなどの検査不正が行われていたことを公表しました。この件は当ブログでも取り上げています。そして、売却されることが公表された同じ26日には、新たに22子会社で数値改ざんや誤った手順での検査といった不正が見つかったと伝えられています。

いくら子会社だの、グループだのと言っても、さすがにもうこれ以上面倒見切れん。日立側にしてみると、こんな感じが正直なところじゃないでしょうか。

ますます気になる広報の在り方

30年以上にわたり不正が行われ、不正発覚後も不正を継続したり、隠蔽したりと、やりたい放題。データ改ざん等の不正は全7事業所で行われ、不正の対象製品は全127製品中42製品。出荷先は2,000社を超える。と昨年11月に公表した時も、タイミングが絶妙で、見事に日産ゴーン事件にかき消されていました。

そして今回の、22子会社でも同様に検査不正等が行われていたことを公表した日も、日立が同社を売却するというニュースに合わせてます。今回の件は日立も当然タイミングを合わせてるでしょうから、昨年から親会社の指示のもとに公表していたんでしょうね。10連休の直前というのも、忘れてもらうには絶妙のタイミングです。

ガバナンス改革

とまぁ、一通り文句付けましたが、ガバナンス面では吉報です。日立から送り込まれた経営陣や、不正をここまで許すというカルチャーを作ってしまった経営陣。総入れ替えしないと同社のガバナンスは改革できないだろうな、と思っていました。ガバナンス改革という面からは、日立色を一掃する今回の売却はチャンスになりそうです。

売却報道直前の4/24の日立化成株は2,621円。報道二日後の週末26日の株価は2,950円で、329円高。12.6%も上げています。ガバナンス改革後の日立化成を先取りしているようですね。

ネット・プロモーター・スコア (NPS)

昨日の記事「三井住友銀行 野村証券 ノルマ廃止」で、金融機関が評価基準から収益目標を外す代わりに、顧客満足度というという評価基準を持ち込んでいることを書きました。三井住友銀は試験的に「ネット・プロモーター・スコア」(NPS)と呼ばれる消費者調査を導入したようです。金融商品を購入した顧客を対象に、家族や友人から相談を受けたら同じ担当者を薦めるかどうかを10段階で尋ねるんだそうです。

もともとは顧客の企業やサービスに対する継続利用意向を知るための指標で、「顧客推奨度」や「正味推奨者比率」と訳される場合もあるそうです。これを営業員の人事評価基準に適用しようとしているわけです。

NPSの概要

顧客に対して、「今回お取引いただいた営業員を、親しい友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問をします。これに対する回答を基に、点数によって営業員の評価をしようとするものです。日経では三井住友の場合は10段階で点数化するような書きぶりでしたが、正確には、0~10点の11段階で評価するのがNPSです。

米国ではこのNPS、かなり多くの企業の経営指標として使われるようになっていて、人事評価と連動させている企業も少なくないようです。顧客とのリレーションを犠牲にして得た取引なのかどうかに着目することで、利益の多寡だけではなく、利益の質を見て営業員を評価しようというわけです。

NPSの弊害を考えてみる

顧客本位の業務運営を推進していくうえで、NPSは確かに有効だと思います。まず最初に期待できるのが、顧客との間でのコミュニケーションが増加することです。自身を他の顧客にも紹介したいと思ってもらうためには、とにかくコミュニケーションをとっていかなければなりません。買ってほしい商品を一方的に勧誘するような営業をしていたのでは、NPSの結果が悲惨なことになるのは明らかです。

営業員はひたすら顧客の承認欲求を満たすことに専念するようになってしまわないか。そんな弊害がありそうな気がします。営業をやっていると、その時顧客がどう行動したがっているかはよくわかるものです。顧客の意向を肯定してあげる(承認欲求を満たしてあげる)ことで取引もしていただけるし、目先の満足もえられます。

ブティックの店員なら「どれもお似合いですよ」でいいんでしょうが、金融商品を取り扱う以上、「私はこう思います」と、顧客の意に反する意見をしてあげることも重要です。これをやると、途端に顧客の表情が曇るのがわかります。「NPS下がりそう」と思いながらも、思ったことを伝えられるか、これって結構難しいと思います。長くなってきたので今日はこの辺で。。。

三井住友銀行 野村証券 ノルマ廃止

4/25 日本経済新聞に「銀行・証券、広がる「脱ノルマ」」という記事が掲載されました。先日の野村證券のニュースに続き、三井住友銀行など、金融機関での人事評価の改定が話題になっています。記事でも大和証券が2017年4月にノルマ制度を廃止したことを伝えていましたが、実はこの流れ既に2,3年前から始まっていたんですね。大御所が舵を切ったことで、ニュースバリューが出てきたということでしょう。

金融庁 森長官の唯一の功績

こうした流れが定着しつつある最大の要因は、金融庁が持ち込んだフィデュシャリー・デューティーでした。法令や規則ではないソフトローとして、金融機関が当然に果たさなければならない義務という意味です。後に世間一般にも理解できるように、顧客本位の業務運営と言い換えて、金融機関に受け入れを迫りました。

「コンプライ オア エクスプレイン」と言って、顧客本位の業務運営を約束するか、しないのであればその理由をしっかり説明しなさい。と言って迫ったんですね。そこから何年経ったでしょうか。金融庁森長官の目指したこの方向性を、遠藤長官も引き継ぎ推進。金融機関もとうとう折れてきました。

森長官の唯一の功績だと思います。しかしこの功績、劇薬でもあります。間違いなく証券や銀行の収益力は落ちますし、両業界の縮小・均衡は一気に加速すると思われます。野村やメガバンクが公表した構造改革というやつです。組織を縮小しなければ、現在ある金融機関すべてが生き延びることはできないと思います。少なくとも日本では。

収益目標から預かり資産積み上げ目標へ

ノルマがなくなったわけではありません。人事評価における評価基準から、収益達成率(フロー)がなくなっただけです。預かり資産の積み上げ(ストック)という評価基準は設けられていますし、これをノルマとして達成しに行くのは同じです。ただこの後者の達成が顧客を傷めない(顧客に不利益をもたらせない)というだけのことですね。これに加えて、顧客満足度というという評価基準を持ち込んでいます。

銀行はまだしもなんですが、証券会社にとってはこれって結構インパクトあると思うんです。営業員はお金を集めるだけ。運用はストラテジストやアナリスト、ファンドマネージャーが専業でやってくれます。最近は少なくなってきましたが、相場が好きで証券マンやってる奴らがいます。この人たちは仕事における楽しみや面白さを失い、退職していくことになりそうです。

寂しい話ですが、今以上に相場を知らない証券コンサルタントが増えていきます。そういうリアリティのない証券会社が受け入れられるんでしょうか。これはkuniみたいな古臭い株屋の杞憂かもしれませんが。

スリランカの連続爆破テロ

ニュージーランド クライストチャーチでの銃乱射テロから1か月くらいになりますか。またイスラムを狙った爆破テロがスリランカで起きてしまいました。キリスト教会や高級ホテルが狙われたということで、クライストチャーチとは逆のテロ(報復)のようにも見えます。イスラム過激派組織「ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)」が関与したとの見方がでていました。

連続テロ事件はコロンボの五つ星ホテルや教会など計8件発生、290人の方が亡くなり、その中には日本人も一人含まれているようです。他に4人の負傷者も。死傷者全体では800人を超えるとも。この数はまだ増えそうで、なんとも悲惨な事件です。

肌の色や宗教の違い

昔から肌の色や宗教の違いがもめごとの元になってきました。兵器技術の革新で爆破テロや銃の乱射テロなんかが当たり前のように起きてしまう世の中になってしまっています。遠い国での出来事のようですが、日本でも新興宗教によるテロが起きたことを若い人は知ってますかね。

地下鉄サリン事件と言えば聞いたことはあると思います。そう、オウム真理教という教団による無差別殺人テロです。麻原彰晃を教祖として、地下鉄サリン事件を筆頭に、魂を救済する「ポア」を大義名分として、組織的に数多くの殺人事件を起こした新興宗教団体です。当時は物凄い衝撃を受けたものです。kuniの知り合いにも被害者がいます。幸い今でも元気ですが。日本でも起こるんですよ。マジで。っていうか、日本人がテロを起こすんですよ。

日本と韓国

そんな風に考えると、日本と韓国の間でこうしたテロ事件が起きてもおかしくないと思うわけです。自衛隊航空機へのレーダー照射に、慰安婦問題に徴用工問題まで。両国の関係が非常に悪化している時期がありました。今はちょっと落ち着いてきましたが、そんなお互いの憎悪が引き金を引くことだってありそうな状況が続きました。

もう少し前になりますが、韓流って言葉が流行りましたよね。そして今ではK-POPって言うんですか、若い女性の間では韓国の芸能人が大人気です。この現象はよく理解できないんですが、彼ら若い世代が年寄りたちの険悪な関係を緩和してくれてるんですね。韓国でも若い世代は日本のことを好きな人が多いと聞きます。

彼らの世代が両国の関係をなんとか維持してくれてるような気がします。この世代の交流は非常に大きな意義があり、私たちのような年寄りほど、この意義をしっかり認識する必要があるのかもしれません。

日本企業 再生

ブログでは出来るだけ日本を応援する話を書きたいと思っています。再生可能エネによる発電、食品輸出や5Gインフラでの日本再生などなど。しかし、5Gなんか、なんでこんなに出遅れてしまったんだって感じですよね。米国と中国が争って先陣を切る中、日本が後塵を拝していることにそれほど違和感もなさそうです。最近の日本人は。

kuniたちの世代は違和感ありありですよ。米国どころか中国にまで後れを取るなんて、どうしちゃったの。この状況に危機感ないの?って、ボヤきたいわけです。kuniが会社に入った頃、日本の企業の持つすべての技術が、世界を制してしまうんじゃないかと思わせるほどだったんです。と言っても今の若い人たちには上手く伝わらないんでしょうね。

皆さんも世界の株式時価総額ベスト20みたいな話を聞いたことあると思います。マジで半分以上日本の企業だったんですよ。しかし、それはどうやら幻想だったみたいで、その後日本は失われた20年とかいうデフレの中で衰退していきました。いったい何が起きたんでしょう、日本に。

30年前の米国に酷似

kuniはあまりテレビを見ないんですが、今でも日本のここが凄いぞ、みたいな番組ってやってますよね。確かに凄いところはあるんだけど、全体的に見て、もう二流の国になってしまっていることをしっかり皆で認識した方が良いんじゃないかと思います。で、一流になるために何が足りないのかを本気で考えるべき状況かと。

今の日本は、kuniの世代が若いころに見た米国によく似ています。先頭を走ってきたくせに、なんだか近視眼的な経営がはびこっていて、後ろから追いかけてきた日本に良いようにやられてました。先進国で一番のはずが、気が付いたら発展途上の国にどんどん追い越されていく。まさに、今の日本なんですね。

米国にもそんな残念な時代があったんです。今はどうでしょう。グーグルやアマゾン、フェイスブック、アップル。産業全体ではないかもしれませんが、やはり再度世界の覇者に返り咲いてます。歴史ってこういうもんなのかもしれませんね。ってことは、日本にもまだまだチャンスはあるということです。

経営者たちの挑戦する姿勢

はっきり言って経営者の問題が一番大きいように思います。リスクをとって新しいことにチャレンジする姿勢がない。それ以前に、世界に取り残されて行っている危機感をしっかり意識できていないことも重要。とりあえず、資金繰りも心配ない。次の金融危機が来た場合の備えはできた。そこで立ち止まっているように見えるんです。だから、使う予定のないお金(内部留保)が過去最高に積み上がってるんですね。そろそろエンジン掛けませんか!!!