AMR 薬剤耐性菌問題

AMR(antimicrobial resistance)という言葉をご存知でしょうか?薬剤耐性だそうです。薬剤耐性については知っていましたが、AMRという言葉は初めて聞きました。週刊東洋経済の記事からです。ジム・オニール氏のこの記事は、気候変動への対策を求める声が強まっているが、それと同じくらい深刻なAMRについては置き去りにされているという主張です。

薬剤耐性

抗生物質を使い続けていると、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり、薬が効かなくなることがあります。このような抗生物質への耐性を持った細菌のことを薬剤耐性菌といいます。薬剤耐性は、耐性を持たない別の細菌に伝達され、その細菌も薬剤耐性化し、次々に連鎖していくこともあるそうです。

具体的な例としては、院内感染のニュースなどで聞くことがあるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が挙げられます。抗生物質(ペニシリン)で駆逐されたはずのブドウ球菌は、耐性を身につけ耐性化、これに対応するためにメチシリンが作られましたが、さらに耐性化したのがメチシリン耐性黄色ブドウ球菌というわけです。

社会へのインパクト

抗生物質が発明されたことで人類を大きな恩恵を受けてきました。細菌の耐性化が進むというのは、要するに抗生物質が発明される前の時代に戻っていくということ。気候変動と同じくらい深刻な問題であることがよく分かります。製薬会社は儲かる見込みが低いことから、新薬の開発を避けているといいます。

AMR対策。気候変動への対策と同じレベルの社会課題でありながら、今のところは気候変動に隠れてしまっていて、AMR対策は世界的にも広がりを見せていない。少なくともこういう現状であるということは、投資家としても認識しておく必要がありそうです。今後、株式市場でも折に触れて材料化するはずです。

特別調査委員会設置 ネットワンシステムズ 日鉄ソリューションズ(その2)

昨年12月中旬に「特別調査委員会設置 ネットワンシステムズ 日鉄ソリューションズ」という記事を書きました。この記事、意外に多くの方のお読みいただいてるようです。2社ともに不正経理と思われますが、当ブログに来られた方が検索エンジンに使われたキーワードから察するに、どうもネットワンシステムズの方を気にされてる方が多いようです。

株価は2800円処

特別調査委員会設置が伝えられる直前の株価3100円台から急落し、一時2600円割れまで。その後自律反発して、現在2800円処です。それなりにインパクトのある悪材料が出たものの、その後材料なしということで、特別調査委員会の報告書など、新たな材料待ち。

ここ最近の特別調査委員会や第三者委員会は、概ね1か月~2か月の調査期間を要しているようですので、当時案ですと1カ月後の1/17辺り、遅くとも2月中旬までには結論が出るといったところでしょうか。もちろん、調査対象期間次第ですが。

問題はガバナンスの評価

元々国税の指摘に伴い設置した特別調査委員会ですので、追徴税がどのくらいになるのか、とか、業績に与える影響は、、、といったことが気になるかもしれません。が、しかし、2013年の不祥事発生当時とは大きな違いがあることは意識しておく必要がありそうです。

同社のガバナンスに対するステークホルダーの評価の影響です。似たような不正・不祥事を再発させてしまった同社のガバナンスに対するステークホルダーの反応。これまで組み入れてきたファンドは同社株を除外するでしょうし、株主にしても同様です。取引先でさえ今後の取引を見直さざるをえなくなるでしょう。

こうした動きは7年前とは格段に違ってきており、業績悪化をも含めて、ちょっとした負のスパイラルを引き起こす可能性がありそうです。まずは特別調査委員会の結果報告を待つしかありませんが、、、日鉄ソリューションズも含め、両社の今後の動向、追い掛けていきたいと思います。

イラン イラク レバノン 新春相場は荒れそうで

今年は暖かいお正月でしたね。お天気も良くて日本は良いお正月でした。そんな日本で正月気分を壊してくれたのがゴーン氏の逃亡事件。レバノンに逃亡した件で大騒ぎです。かと思えば、久しぶりに大幅な円高とシカゴで日本株急落とか。今度はイランの司令官がアメリカ軍によりイラクで殺害とのニュースです。

シカゴ日本株先物

イラン要人殺害の報道を受け、原油は急騰、円も一時11月以来の107円台へ急伸。ニューヨークも下げればシカゴ日本株先物も前日比400円安の2万3290円で引け、30日の大取終値を350円下回ったそうです。年末年始のリスク回避で手仕舞っていた皆さんは大正解でした。2020年もすんなり上げていく相場ではなさそうですね。

しかし、なんでこんなにいろいろ起きるんですかね、中東。石油の時代が終わってくれればこの地域も安定してくるのかと思いきや、その時代の流れを巻き戻したい輩が居るってことでしょうか。まだまだ株式市場は振り回されます。

世界地図で見ると

あらためて世界地図を眺めてしまいました。アフガニスタン、イラン、イラク、シリア、レバノン。中東を東から地中海まで辿ると、こんなふうに今旬な国々が並んでます。まぁ、とにかく物騒な話題しか聞こえてこない国々ですね。イランとイラクってこんなに長い国境線で接してるのかと、今さらですが。

三度目の正直?

米国というかトランプ氏は、昨年6月に米国の無人機が撃墜された際、報復措置としてイランへの空爆を仕掛けようとしましたが、直前で中止。9月に起きたサウジアラビアの石油施設への攻撃もイランが関与したと断定しましたが、同国に対する軍事攻撃は見送っていました。そしてとうとう今回は武力行使へ。

弱腰批判に対する三度目の正直となる武力行使。いずれ対北朝鮮に関してもこういう強硬姿勢を取り始めるんでしょうかね。「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」という相場の格言がありますが、北朝鮮は近過ぎて、、、。

こんな国、こんな企業までゼロ金利で資金調達できるなんて

1/3付け日本経済新聞の「政治が冷ます景気の熱 絡み合う世界の債務」という記事。少々気になりました。今世界で起きていること、それもかなりの勢いで。異常なイールドハンティングというやつです。マイナス金利に沈む各国から、少しでも高い利回りを求めて資金がさまよっています。

次のクラッシュがあるとすれば

投資をしている人なら誰もが、次に急落する場面があるとすれば、いったい何が引き金になるのか、何が原因になるのか、を考えると思います。日経の記事では、「債務の連鎖とでも呼ぶべき現象が国境を越えて起きている」と指摘していました。

分かりやすいところでいうと、日本の銀行がやっていること。貸出先に困った銀行が大挙して海外での投融資を増やしてきました。今では日本はグローバルな銀行資金の最大の出し手となっています。海外へというとメガバンクだけのことのように見えますが、地銀等でも状況は同じです。

リスクの高いクレジット商品、例えばジャンク級(投機的格付け)に近い外債やローン担保証券(CLO)などへの投資が増加しているようです。リスクを取ってでも高い利回りを求めざるを得ない。やはり地銀等も同様の行動を取っています。

ここへきてゼロ金利、マイナス金利はこの時代においてやむを得ないとか、資本主義の一態様であるかのように世界が受け入れ始めているのが気になります。バブルが膨らむ際の共通の感触ですね。

今身の回りにある感覚が当然のことのように受け入れられること。しかし、あとから振り返ると異常事態。そんな感覚です。国際的に絡み合った過剰な債務が逆方向に回り始めるとき、日本の金融システムはかなりの影響を受けそうです。

きっかけは?

と、ここまでは多くの金融関係者が警戒している話かもしれません。問題は逆回転し始めるきっかけ、何が引き金になるのかですね。中国なのか、米国の大統領選なのか、、、何がきっかけになりそうかを注視しながら、今年もマーケットを見ていきましょう。こんな国、こんな企業までが資金調達できるなんて、、、と感じることが多い今日この頃です。

経営者が占う2020年の株価

元旦の日本経済新聞に、「経営者が占う2020年」という記事が。主要企業の経営者20人に2020年の株式相場の見通しを尋ねたもので、日経平均株価の高値を2万5000円以上、安値は2万1000円程度とする回答が多くを占めていました。

最高値予想は

回答者20人の高値予想は平均で2万5450円だそうです。東京オリンピックの開催に向けた経済や、米国大統領選に向けた米株高に期待する向きが多いようです。最も高い予想をしたのは大和証券グループ本社の中田氏で、12月に2万7000円です。

最安値予想は

同じく回答者20人の安値予想は平均で2万1625円となっています。米中摩擦や大統領選に向けた経済政策のマイナス面に注目しているようです。最も安い予想をしたのは東京海上ホールディングスの小宮氏で、2月に1万9500円。一方でこの方は11月に2万6000円の高値も予想しています。

基本的には弱気派が多い

回答の最安値の時期に注目してみると、意外に多いのが1月安値と2月安値の回答です。1月安値と回答した方が7名。2月安値と回答した方を加えると11名となり、半分以上の経営者が1、2か月後に最安値を付けると予想したことになります。

中でも目を引くのが、1月に2万円の安値を予想したアサヒグループホールディングスの小路氏と、2月に1万9500円の安値を予想した東京海上ホールディングスの小宮氏です。昨年末の日経平均は2万3657円でしたから、それぞれ15.5%と17.6%という目先の下げを予想しているということです。

これはかなりの急落です。昨年末までの株価の上昇に納得されていないということでしょうね。他の9名の方も含めて、同じように目先の調整を予想されている方が過半数。まだまだ弱気派が多いことが確認できました。今年の相場も楽しみになってきました。