ID&E ホールディングスと子会社日本工営(その2)

先日書いたID&E ホールディングスと子会社日本工営の第二弾。不適切行為というか不正が行われたことについては子会社のホームページでお知らせし、上場企業である親会社は一切開示なし。逆に子会社で新しい事業に参入みたいな場合は、親会社が開示してアピール。こういうのって皆さんどう感じてます?

投資家にとっての透明度

事故や不正が発生しても、大手のメディアがあらためて取り上げない限り、子会社のホームページでは気付きません。今回のように上場親会社が持株会社の場合は特に、不正が起きたのは最重要子会社というか、こないだまで上場してた企業です。同社の株主にしても親会社の開示情報は入ってくるけど、子会社までは、ってことになってしまいます。

つまり、投資家や株主にとっては情報を知るためにもうひと手間が必要になるわけで、情報開示の透明度が下がってしまうということだと思うんですね。今回の親子上場の件における東証から上場企業への通知文でも、「(開示事項が)投資判断上重要であり、投資家との対話の出発点となる」と書かれているそうだし。

ネガティブな情報もしっかり

投資判断に重要なネガティブ情報もしっかり上場会社が開示するよう、東証から指導等があっても良いのでは?と思うんだけど、ただ、これやると、東証上場の超エクセレントカンパニーが主に指導対象になっちゃうのよね。TOYOTAとかね。

ID&E ホールディングス 子会社日本工営で不正行為

ID&E ホールディングスは12/8、「当社子会社の不適切行為に係る調査結果および再発防止等について」を公表しました。同社による開示はこれが第一報に見えるんですが、実は子会社の日本工営のホームページでは10/6に、「当社の不適切行為に関する件」というお知らせがありました。

ID&E ホールディングス

ID&E ホールディングスは建設コンサルタント大手の日本工営が単独株式移転により設立した持株会社です。日本工営は日本国内外における河川、水資源、上下水道、ダム、交通・運輸など社会インフラに関する調査や計画、工事監理などを手掛ける企業です。

不正行為の概要

日本工営は北九州国道事務所管内の渋滞対策検討業務を約1600万円で受注し、22年4月~23年5月に対策を実施しました。その後、渋滞状況を把握する際、取得データに基づく正しい計算値を使用せず、交差点に渋滞状況が発生していない結果となるよう意図的に計算値を操作し、発注者に報告していたということです。

都合の悪い情報は非上場企業のホームページでこっそり

不正行為の発生については日本工営のホームページでこっそりと。今では上場企業ではありませんので目立ちません。最近よく見られる風潮で、上場企業に求められる適時開示を見ていてもこういう不祥事は見付けられないんですよね。このやり口は非常に問題ありです。上場企業である持株会社もしっかり開示すべき。取引所はそういう指導してないんだろうか。

損保大手3社 タムロンも 業績絶好調とは

12/5付け日本経済新聞に業績好調の記事が二つ。一つは損保大手3グループで、今期過去最高益の見通し。そしてもう一つが交換レンズの大手タムロンで、今期純利益が上振れて20%の増益になる見通しなんだとか。今年、両社ともに不祥事で世間を騒がせた企業なんですけどね。

皮肉なもんで

中古車販売ビッグモーターを手下にして事故車を紹介する見返りに保険契約を伸ばしてきたり、企業向け保険で事前調整をめぐる疑惑のなか荒稼ぎしてきた損保各社が最高益。トップが中国系クラブの女性同伴で会社の金を使い込みまくっていたタムロンが大幅増益。ん~、なんとも腹落ちしない展開ですな。

こうした不祥事が発覚した企業が意外にも業績が好調ってケース、結構あるんですよね。勢いのある会社だからこそ、ちょっと勇み足。みたいなことは確かにあるかもしれません。不祥事が発覚しました、の一報があって株価が急落、その辺りが株価の最安値になったりするケース。

しかし、不信感は

しかし、今回取り上げた損保業界にしても、社長がご乱心のタムロンにしても、株主や投資家、世間からの不信感は高まっています。公表した事実以外にも似たような事案まだまだあるんじゃないかといった不信感。こういうのって、ボディブローのようにここから効いてきますよ。そうならないためにも膿はとことん出し切らないとです。

イートアンドホールディングス(大阪王将) 関東第一工場で火災事故

イートアンドホールディングスは12/7、「当社グループ関東第一工場における火災発生に関するお知らせ」を公表しました。群馬県邑楽郡にある同社グループ 関東第一工場で12/6、16 時頃 工場内製造ラインより出火し、約5時間後に鎮火したということです。

イートアンドホールディングス

イートアンドホールディングスは「大阪王将」を主要ブランドに、大衆中華料理業態を中核とした外食チェーンの展開と、餃子を主軸とする冷凍中華総菜の製造・販売を行う東証プライム上場企業です。

同じく「王将」を冠し中華料理チェーン「餃子の王将」を展開・運営する、京都に本社を置く王将フードサービスから、のれん分けして創業者の親類が独立して創業したのが「大阪王将」。その後、両社ともチェーン展開を進めていますが、資本や事業上の関係は一切無いということです。

事故の概要

鎮火までに5時間半を要したこの火災、幸い人的被害はありませんでした。物的被害についても、製造ラインの損傷は一部に留まっており、復旧可能な製造ラインより順次稼働を開始する予定としています。 なお、隣接する関東第二工場および関東第三工場への延焼はなく、通常稼働しているとのこと。

調べてみると、大阪王将は店舗でまぁいろいろと火災事故起こしてますね。強い火力がウリの中華ですからまぁそういうリスクもあるんでしょうけど。ナメクジ事件なんてのも出てきましたよ。ちなみに、社長が工藤会のヒットマンに射殺されたのは「餃子の王将」の方です。

アルプスアルパイン元社員 営業秘密持ち出しの疑いで逮捕

警視庁公安部は12/5、東証プライム上場で電子部品大手「アルプスアルパイン」の営業秘密を不正に持ち出したとして、同社元社員で中国籍の容疑者(32歳)を不正競争防止法違反(営業秘密侵害)容疑で逮捕しました。

アルプスアルパイン

アルプスアルパインは高付加価値の電子部品を産み出すアルプス電気と、カーナビゲーションを主体とするアルパインが2019年1月に経営統合して発足した、組み立て技術に強みを持つ総合電子部品メーカーです。幅広いユーザー層を抱えますが、なかでも自動車向け販売が過半を占めています。

ホンダの従業員

アルプスアルパインも12/5付けで、「退職した元従業員の逮捕について」を公表。当該元従業員による同社の技術情報の不正な取得を検知し、直ちに調査を実施。その結果より当該元従業員の故意による不正行為と判断し、警視庁に通報し、刑事告訴したということです。

報道によると、宮城県内の事業所に在職時の2021年11月、営業秘密にあたる車用電子機器の設計に関するデータを社有パソコンから私有のハードディスクに保存し、不正に取得したといいます。その直後に大手自動車メーカーのホンダに転職していたということです。多くの報道でホンダの社名は伏せられていましたが、ホンダは今後どのような対応していくんでしょうね。

アルプスアルパインは言ってみれば被害者なんですが、今年9月には第三者によるサーバーへの不正アクセスにより、国内ほぼ全ての拠点と海外の一部拠点で生産・出荷に影響が出たりしていました。脇が甘い感じはしますね。