大日本塗料株式会社 連結子会社で検査不正 JIS マーク表示の一時停止

大日本塗料は10/26、「当社連結子会社における不適切行為及び JIS マーク表示の一時停止等について」を公表しました。同社の連結子会社である岡山化工株式会社において、社内で定めた検査規格に係る検査値の改ざん等の不正行為が判明したということです。

大日本塗料 岡山化工

大日本塗料は防食・重防食技術をコア技術としてあらゆる塗料分野に展開する塗料メーカー。主力の塗料事業のほかに照明機器事業、蛍光色材事業も手掛ける東証プライム上場企業です。塗料業界では売上高第5位の企業ですね。ちなみに岡山化工は資本金8,000万円の100%子会社です。

不正の概要

JIS に係る認証を受けた製品について、社内で定めた検査規格から逸脱した検査結果が得られた場合に、当該検査結果を規格値内に収まるように改ざんするなどして出荷していたということです。例によって同社は不適切行為と言ってますが、立派な検査不正です。10/26付けでJIS マーク表示の一時停止の通知を受けています。

この件が発覚したのは、「社内コンプライアンスアンケートにて社内手続違反に係る不適切行為の疑義が生じた」ことから、としています。これも内部通報制度の一種ですね。「本件の重要性に鑑み、より客観性・独立性を高めた事実解明を行うための対応を検討」しているといいますから、近く調査委員会が設置されるんでしょう。

サワイグループホールディングス 子会社沢井製薬で検査不正

サワイグループホールディングスは10/23、「当社子会社における特別調査委員会からの調査報告書の受領及び再発防止策に関するお知らせ」を公表しました。子会社というのは沢井製薬のことで、今年4月に不正が発覚。6月から調査委員会を設置して調査していたということです。

サワイグループホールディングス

サワイグループホールディングスは後発医薬品メーカー大手の沢井製薬を中核とする持株会社です。小林化工や日医工など、品質不正等が相次ぎました。ライバルの不正を受け、また、小林化工が撤退する際に製造設備等を買収するなどして成長してきたのが沢井製薬です。

不正の概要

不正があったのは胃潰瘍や急性胃炎向けの後発薬で、製造後3年が経過した薬のカプセルが胃の中で問題なく溶け出すかを調べる試験(溶出試験)だそう。なんと、カプセルに入っている中身を取り出し、別の新しいカプセルに詰め替えて試験していたといいます。はぁ、何を検査してるわけ?

報道では沢井製薬の社長の会見内容が伝えられているんですが、これがまた酷い。「(違うカプセルに)詰め替えをして試験してもよいという間違った認識が広がってしまっていた」、、、だそうです。製造後3年を経過したカプセルがちゃんと溶けるかどうかの検査ですよねぇ。こりゃぁ、もう、笑うしかないですね。

沢井製薬の企業理念、「なによりも患者さんのために」。この看板掛け替えた方が良いよ。

豊田自動織機 フォークリフト向けエンジン2種の認証取り消し

日本経済新聞は4/19、「豊田織機、エンジン2種の認証取り消しへ 排ガス不正で」と報じました。3/17にフォークリフト向けのエンジンについて、国が求める評価試験で排出ガスデータを差し替えるなどの不正があったと発表していましたね。国土交通省が同社のディーゼルエンジン2種について生産に必要な認証「型式指定」を取り消す方向で調整に入ったとしています。

豊田自動織機

豊田自動織機は、自動車事業と産業車両事業を主力事業とする企業です。トヨタグループの祖で、トヨタの大株主でもあります。自動車事業ではカーエアコン用コンプレッサー、産業車両事業ではフォークリフトを手掛けていて世界トップシェアだそう。トヨタの持分法適用関連会社です。

事案の概要

排出ガスデータを差し替えるなどの不正があったのは、3つのエンジン(ディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種)で、これらを搭載したフォークリフトは約16万台が販売済みとのこと。フォークリフトは国内出荷を停止し、一部車種ではリコール(回収・無償修理)を届け出ています。

この不正発覚後、国交省は同社に立ち入り検査を実施。ディーゼルエンジン2種の排ガス試験では、測定においてデータの改ざんがあったと認定。悪質性が高いとして、型式指定を取り消す方向で手続きに入ったということです。

またしてもトヨタの関係企業で・・・、って感じですよね。昨年3月、中大型のトラック・バスエンジンの排出ガスのデータを改竄していたとして出荷を停止、国土交通省がエンジンの型式指定を取り消した日野自動車も、やはりトヨタ自動車の連結子会社でした。ん~、やっぱりトヨタ、おかしくなっていってるよね。

日本軽金属ホールディングス 検査不正の調査結果

日軽金は3/29、「当社グループの品質等に関する不適切行為に係る調査結果および再発防止等について」を公表しました。めちゃくちゃ時間かかりましたね。特別調査委員会設置から2年近く経過しています。

おさらい

グループ中核子会社である日軽金名古屋工場で製造及び検査に関連する不正が発覚し、その後、社内調査により日軽新潟株式会社、日軽形材株式会社、日軽蒲原株式会社においても同様の不正が立て続けに判明。「特別調査委員会」を設置する事態へと発展していました。

調査結果の概要

調査報告書によると、国内31社、56事業所について調査を実施し、その結果、18社36事業所において、合計214件(報告・公表に関する事案10件を除いた製造・検査等に関する不正は204件)の不正が明らかになったということです。半分以上の子会社、事業所で不正が行われていたんですね。いやいや、ここまで拡がってしまうとは。

もの凄いボリューム

今回開示された情報は、調査結果の概要等で5ページ。会社が取りまとめたその詳細と再発防止策で56ページ。特別調査委員会の調査報告書が205ページ。と、もの凄いボリュームです。ここまでしっかり調査したわけですから、これを機に良い会社になってもらいたいものです。

おまけ

今回の開示とは全く関係ないんですが、調べものしてたら、「駿河湾のサクラエビ異変 日本軽金属『令和の公害』問題」なる報道を見付けました。山梨県の雨畑ダムというところで、高分子凝集剤入り汚泥の大量不法投棄が・・・、みたいな。かなり大変そうな事案も抱えてるみたいです。

川崎重工業 子会社の川重冷熱工業で検査不正 調査結果

川崎重工は3/24、「川重冷熱工業の不適切行為に関する特別調査委員会の調査結果について」を公表しました。昨年6/7に設置した特別調査委員会でしたから、調査に要した期間は約10か月に及んでます。

おさらい

川崎重工の100%子会社である川重冷熱工業で、主にビルなどの空調システム用として製造・販売した一部の吸収式冷凍機に関する検査不正(顧客向けのデータ虚偽記載)が数千件も出てきたというもの。実は発覚したのは一昨年の7月末でした。

調査結果

これまでに判明していた顧客向けのデータ虚偽記載に加え、東京都や環境省などが機器の環境性能を認定する制度でも、虚偽データで申請するなど、類似事案として新たに5種類の不正が見つかったようです。冷凍機に関する検査不正についても新たに306台の不正が見つかったようです。

時間かけすぎ

グループ全体における潜在的な品質問題を徹底的に洗い出すことを目的に、各事業部門および関連会社等も対象とした「全社検査工程総点検」を実施してきたということなんですが、それにしても時間かかりすぎでしょ。

発覚が2021年7月、特別調査委員会の設置が2022年6月。そして調査完了が2023年3月です。発覚からもう既に2年近く経ってます。この苦い経験もグループ内では既に風化し始めているのでは?