回転寿司業界 はま寿司でも不祥事が発覚

少し前の話になりますが、はま寿司は3/30、「はま寿司に関する一部報道について」を公表。続いて4/7、「はま寿司に関する一部報道について<続報>」を公表しました。不祥事相次ぐ回転寿司業界のはま寿司では、一部の店舗で自社で定める使用期限が切れた食材を顧客に提供していました。

回転寿司業界の不祥事

業界1位のスシローでは、メバチマグロの代わりに、仕入れ値が安いキハダマグロを提供していたという不正が公表されました。ウニやカニの在庫がない店があるのに宣伝を続ける「おとり広告」や、生ビール半額キャンペーンの広告を一部の店で開始前に掲示していたという問題もありましたね。

元気寿司では、新店舗の建設工事に関連して、工事の架空発注や架空の仲介手数料の支払いを通じた取引先からのキックバックがおこなわれていた、なんて不正もありましたし。さらに、かっぱ寿司の社長が、同業他社(はま寿司)の営業秘密を不正に持ち出した疑いで逮捕され、辞任という事件も。

この事件ではかっぱ寿司がやり玉にあがりましたが、不正行為を行ったのは元はま寿司親会社の役員。はま寿司でもいずれ不祥事が出てくるだろうな、と思わせる事件でした。

一部報道により開示

今回のはま寿司の使用期限切れの食材提供については、3月末に文春が報じたことで始まりました。しかし、はま寿司のその後の開示によると、2/3にゼンショーホールディングス(同社の親会社)の内部通報窓口宛てに、通報があったことで同社として認識。その1週間後には、郡山保健所が事前告知なく立ち入り検査を実施しています。

つまり、自社で認識、立ち入り検査まで受けたにもかかわらず、文春にすっぱ抜かれるまで1ヶ月半以上隠していたということになります。その後の開示もスッキリしなくて、、、はま寿司、まだ他にも問題が出てきそうな感じです。

サカイホールディングス 今度はグループ会社従業員が窃盗で逮捕

サカイホールディングスは4/18、「弊社グループ会社の事件について」を公表しました。グループ会社の従業員が、窃盗の容疑で逮捕されたということです。不祥事続きの同社ですが、今度はなんと香典泥棒だそうです。落ちるところまで落ちたって感じです。

おさらい

サカイホールディングスは、ソフトバンクショップを運営する移動体通信機器販売関連事業をコア事業に、再生可能エネルギー事業、保険代理店事業、葬祭事業、不動産賃貸・管理事業、ビジネスソリューション事業を展開する東証スタンダード上場企業でしたね。

事件の概要

香典袋に入っていた現金12万円を盗んだ疑いで、同社グループ会社の、「ティア安城桜井」を運営するエスケーアイマネージメント株式会社の従業員が、窃盗の容疑で安城警察署に逮捕されたということです。「ティア安城桜井」はエスケーアイマネージメントが8カ所で運営する葬儀会館の一つです。

これまでの経緯

事件としてはしょうもない窃盗ではありますが、サカイホールディングスは不祥事続き。当ブログで最初に取り上げたのは、連結子会社である株式会社セントラルパートナーズにおける会計不正でした。その後会計監査人が変更になり、株主総会ではそれまでの経営陣が退陣を余儀なくされました。

この時監査役も辞任されてるし、他にも株主代表訴訟やら、元取締役からの損害賠償請求訴訟なんかもあったりします。それでも新社長が就任して、さぁ、これからというタイミングで、この香典泥棒、、、ということなんですね。やっぱりダメですかね。

KNT-CTホールディングス株式会社 コロナ関連業務で過大請求 調査委員会を設置

KNT-CTホールディングスは4/17、「調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。これより前の4/12、「当社連結子会社による『新型コロナウイルスワクチン接種に係る業務』における過大請求について」を公表していて、このことに関する調査委員会が設置されたということですね。

KNT-CTホールディングス

KNT-CTホールディングスは、近鉄グループホールディングスの子会社で、「近畿日本ツーリスト」が個人・団体・法人向け、「クラブツーリズム」が会員向け・Web販売の旅行商品を提供する旅行会社大手です。今はこんな名前で上場してたんですね。東証スタンダード上場企業です。

過大請求の概要

同社子会社の近畿日本ツーリスト株式会社の西日本支社管内の支店が、大阪府東大阪市より受託している新型コロナウイルスワクチン接種に係る業務において、約2億9千万円の過大請求を行っていたことが発覚したといいます。

契約した席数を下回る数でコールセンター業務の再委託先に再委託していたにもかかわらず、東大阪市に対しては、契約した席数を基準に報酬を請求していました。東大阪市からコールセンターでの再委託先従業員の勤務状況に関する照会があり、この過大請求が発覚しています。

以前当ブログでも、パソナグループで発覚した過大請求を取り上げました。この件を受けて厚生労働省は全国の自治体に対し、同様のことが起きていないか確認するように指示を出していましたので、東大阪市でも指示に従い確認を行ったということでしょう。コロナ関連過大請求、、、同様の事案、まだまだ出てきそうです。

日本軽金属ホールディングス 検査不正の調査結果

日軽金は3/29、「当社グループの品質等に関する不適切行為に係る調査結果および再発防止等について」を公表しました。めちゃくちゃ時間かかりましたね。特別調査委員会設置から2年近く経過しています。

おさらい

グループ中核子会社である日軽金名古屋工場で製造及び検査に関連する不正が発覚し、その後、社内調査により日軽新潟株式会社、日軽形材株式会社、日軽蒲原株式会社においても同様の不正が立て続けに判明。「特別調査委員会」を設置する事態へと発展していました。

調査結果の概要

調査報告書によると、国内31社、56事業所について調査を実施し、その結果、18社36事業所において、合計214件(報告・公表に関する事案10件を除いた製造・検査等に関する不正は204件)の不正が明らかになったということです。半分以上の子会社、事業所で不正が行われていたんですね。いやいや、ここまで拡がってしまうとは。

もの凄いボリューム

今回開示された情報は、調査結果の概要等で5ページ。会社が取りまとめたその詳細と再発防止策で56ページ。特別調査委員会の調査報告書が205ページ。と、もの凄いボリュームです。ここまでしっかり調査したわけですから、これを機に良い会社になってもらいたいものです。

おまけ

今回の開示とは全く関係ないんですが、調べものしてたら、「駿河湾のサクラエビ異変 日本軽金属『令和の公害』問題」なる報道を見付けました。山梨県の雨畑ダムというところで、高分子凝集剤入り汚泥の大量不法投棄が・・・、みたいな。かなり大変そうな事案も抱えてるみたいです。

株式会社 きょくとう 雇用調整助成金の不正受給?

株式会社 きょくとうは3/17、「雇用調整助成金の受給に関する特別調査委員会組成のお知らせ」を公表しました。、同社の受給した雇用調整助成金について、支給申請の一部に精査が必要となる疑義が発生したといいます。

きょくとう

きょくとうは、福岡県を地盤に中国地方などでホームクリーニング店をチェーン展開する企業です。殺菌・消臭・分解力が高いとされるオゾンをドライクリーニングに使用しているのが特徴だそうな。福岡市博多区に本社を置く、従業員200名以下の東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

同社が受給した雇用調整助成金の支給申請において、福岡労働局から不適切な申請の疑義があるということで、現在、調査を受けているとのこと。これを受けて、事実関係の把握のため、特別調査委員会を3月1日付で立ち上げ、本件事案の調査を進めているところだそう。

ちなみに、同社が受領した雇用調整助成金の額は、2020年4月分から 2022年9月分までの累計で388,021千円だそうです。開示された情報は以上です。

なに?この株価の変動

ちょっと気になることが、、、。同社の株価が2/27に大きく売られてるんですよね。その前日には出来高増えてたりもします。福岡労働局の調査が入って、3/1付けで特別調査委員会が立ち上がっているということは、この株価が急変動するあたりで調査が入ったんでしょうかね。

しかし、その事実は開示されていません。不正が発覚した直後に急落。開示の前にインサイダー(内部者の売り抜け)なんてことはないですよね。