日本の食品輸出が絶好調らしい

日本が過去に世界一になったか、争ったようなハイテク製品、最近芳しくないですよね。自動車、鉄鋼、パソコン、液晶テレビ、数えればきりがないほど。どんどんコモディティ化が進み、後発のアジアのライバルに追い抜かれていってます。そんな中、うれしい話題です。

1/8 日本経済新聞の記事 「19年 食品輸出 1兆円視野」という記事。日本の食品輸出が好調で、「18年1~10月の輸出額は7341億円となり、前年同期比15%増と2ケタの伸びになった。このペースが続けば18年全体では総額9千億円に達し、さらに政府目標として掲げる19年の1兆円突破が視野に入る。」とされています。

他国が実現しえない品質

ハイテク製品が世界をけん引していたのは、絶対的な高性能と高品質、かつ低価格です。他国がまねできないから日本製品が売れたわけですが、コストダウンの必要に迫られアジアで製造することになりました。韓国や中国ですね。そこで守るべき技術が漏洩して、結果的にこれらの国に追い付かれてしまったわけです。

あの時の勢いをもう一度、という気もしますが、売れる製品が別の産業にシフトするんでもいいじゃないですか。さっき例に挙げたような業界の方には申し訳ないんですが、日本全体としてみた場合は別の産業が台頭してくるのも悪くありません。日本食に対する世界の評価は間違いなく産業として育成するに足りるモノです。絶対的な性能と品質持ってます。

輸出産業としての規模感

1兆円が視野に入ってきた、は良いんだけど、1兆円ってそんなに凄いの???、というのが正直な感想。そこでいくつか数字を集めてみました。2017年の統計では、日本の輸出額は78兆円です。品目別にみると、1位が自動車(12兆円)、2位:半導体等電子部品(4兆円)、3位:自動車部品(4兆円)、4位:鉄鋼(3兆円)、5位:原動機(3兆円)といった具合で、10位が有機化合物(2兆円)でした。

当然食品はベスト10には入ってなくて、6,445憶円。輸出総額に占める割合は0.8%です。これが1兆円になりそうだと言ってるわけですね。では、年率15%の増加を積んでみましょうか。2018年の10か月のデータを引き延ばすと年間8,800憶円、その後年率15%の成長として、2019年は1兆130億円、2020ねんは1兆1650億円、と増加していき、5年後の2024年には2兆400億円となります。

2兆円に乗せてくれば日本の品目別輸出額ベスト10に入ってきそうです。この間、東京オリンピックや大阪万博のインバウンド効果がさらにドライブをかけるでしょうから、2兆円輸出に5年はかからないかもしれません。ひょっとすると、5年後に鉄鋼や原動機を抑えて、一気にベスト5もあるかもしれません。

ハラスメントは想像力欠如

今年は、働き方改革関連法をはじめ、働き方に関連する法律が次々と施行されていく予定です。職場のパワーハラスメントを防止する措置を企業に義務付ける法案も、国会に提出される見通しとなっています。

一方で、どうやら先送りになりそうなのが、公益通報者保護法の改正です。不正の早期発見のために内部通報制度の実効性確保が求められており、こちらの改正対応についてもスピード感をもって進めてもらいたいところです。

パワーハラスメントと内部通報制度について取り上げたのは、コーポレートガバナンスを語るうえで、欠くことのできない重要な要素だからです。昨年は多くの企業の不正について調べましたし、当ブログでも取り上げてきました。企業の不正・不祥事には必ずといっていいほど、パワハラと機能しない内部通報制度がセットで登場します。

こころの健康学

日本経済新聞のコラム、「こころの健康学」で、認知行動療法研修開発センター 大野裕氏が、「ハラスメントは想像力欠如」と書かれていました。シンプルだけど、言い得てますよね。「ハラスメントをしている当の加害者は相手を傷つけているという意識がないばかりでなく、相手のことを思いやり行動していると考えていることがほとんどだ」としたうえで、その人たちに話を聞いて以下のようにおっしゃってます。

「相手のことを思いやっているようで、自分の世界ですべてを判断していることが分かる。相手がどう感じ、考えているかということを思いやる想像力が決定的に欠けているのだ。それでは一緒に仕事をしていこうという信頼関係は生まれない。」

また、そういうふうにハラスメントが発生してしまうと、「部下は無意識に仕事で手を抜くようになり、反発心からも手抜きをするようになる」と書かれ、最後に以下のように括られていました。

「立場の弱い人は、立場の強い人から強く言われると反論しづらい。だからといって言われるままに受け入れるのも釈然としない。そうすると要求された通りにしないで反感を表現するようになる。結果として仕事が思うように進まなくなったり、取り返しのつかない大きな問題が起きたりするようになる」

以前、kuniの身の回りでも、先生が指摘された通りのことが起きてしまいました。なくしていきたいですよね、こういう状況。「相手の立場になって考える」、そう簡単なことではないですが、気を付けていきたいと思います。

ガバナンス 女性役員 シニアに成果給

昨日の日本経済新聞に掲載された二つの記事。「女性役員3割 達成を」と「シニアに成果給・ポスト」という二つの記事が総合一面と二面に掲載されました。二つ続けて読むとなかなか面白いなぁと感じた次第です。

女性役員3割 達成を

英国発の推進団体とかで、機関投資家を巻き込んで実現しようという動きだとか。この団体のことはどうでもいいんですが、コーポレートガバナンス・コードも求めているように、女性役員を登用する動きは強まっています。会社法の改正案には社外取締役の義務化が盛り込まれるそうですが、役員の多様化という意味で通じるところがありそうです。

しかし、女性役員を3割とは、これは難題ですよ。もちろん、業種によってはすぐにでも対応できるほど豊富に人材抱えている会社もあるんでしょうが、kuniが見てきた金融界はそんな人材居なかったですね。重厚長大産業をはじめとした古い体質の業界はどこでもそうなんじゃないかと。

仕事のできる女性ほど、さっさと結婚退職してしまい、子育てに。子供が大きくなってみると別の会社に復職しちゃう、、、みたいな展開たくさん見てきました。要するに、彼女たちに対して会社が真剣に向き合ってこなかったんですね。で、今更そう言われても、ないものねだりというか、人材が居ないんですよ。社外取締役に女性弁護士を選べば、一石二鳥。というレベルの発想が関の山でしょう。

シニアに成果給・ポスト

一方でこちらは、労働人口の減少という要求に対する答え。やろうと思えばいつでもできます。毎年毎年、能力の高いシニアが月額20万円ほどの報酬で継続雇用されていきますが、定年前に稼いでいた金額の1/3くらいです。ほとんどの人がモチベーションを維持できず、定年再雇用という形だけを維持しているにすぎません。当然処遇に不満のある人は他社に流れます。

間違いなく60万円以上の価値を生み出す社員であっても、なかなか60万円の処遇を得ることは困難です。前提として労働人口が枯渇することは理解できているのに、会社として行動が起こせないんですね。

確かに、ポストを空けて次世代を引き上げていくことも大切です。しかし、現場がいろいろアイデアを出したとしても、多くの場合が「前例がないから」という人事部特有の発想が邪魔してしまいます。その逃げ口上がいずれ自分たちの首を絞めることになるでしょうに。

60歳定年を65歳定年に引き上げ。成果給や新しいポストの導入など、いま自社で抱えている有能な人材を手放さないのが最初の一歩じゃないですかね。人材が居ないんじゃなくて、実際に居るわけですから、やろうと思えば出来るはずです。20年ほど前に女性に優しくなかった企業はいま、女性役員の人材不足を嘆いているところ。今シニア相手にまた同じことを繰り返しているんですね。

平成30年中の交通事故死者数について

1/5 日本経済新聞で、平成30年の交通事故死者数が過去最低となったことが報道されていました。2018年の全国の交通事故による死者は前年より162人少ない3,532人でした。これを読んで、警察庁のホームページで、統計そのものを確認してみました。

24時間以内の死者数

この統計は交通事故が発生してから、24時間以内に亡くなった方を集計しているんだそうです。つまり、集中治療室等でまる一日以上治療を受けた場合は、亡くなってもこの統計にはカウントされないということですね。

平成5年あたりからは、発生後30日以内の死者数についてもグラフが添えられていましたが、生データが提供されていないので正確な数値は読み取れません。24時間以内のデータよりも数百人多くなっているようです。

交通事故件数と負傷者数

死者数が最も多かった昭和45年を基準年としていて、この年のデータを指数:100として、その他の年と比較しているんですが、死者数は一貫して減り続け、平成30年は指数は21まで下がっています。つまり79%減少したということですね。

死者ではなく、交通事故そのものの件数を見てみると、ピークは平成16年になっています。この年負傷者数もピークを付けていて、指数でみると交通事故件数が133。昭和45年との比較で33%増加しています。負傷者数を見ても指数121。21%増加ですね。

こうしてみると、昭和45年をピークに死者数は減少してきたものの、交通事故件数は平成16年まで増加していることが分かります。まず、事故が発生した場合の衝撃を緩和するテクノロジーや、救命のためのテクノロジーが導入され、その後平成16年以降には事故そのものを発生させないためのテクノロジーが実装されていったと見ることができそうです。

月別交通事故死者数の推移

こちらは平成28年、29年、30年の3年分が集計されていましたが、やはり師走というだけあって、毎年12月が一番多くなっています。昨年で見ると、12月は410人で、最も少ない6月が235人。最も少ない月はこの3年間で2月、4月、6月となっていて、毎年違うみたいですね。

ついでにですが、去年12月の410人という死者数。月間データでみると28年12月の420人以来の400人超となっていて、約2年ぶりの高い数値になっています。

都道府県別交通事故死者数

都道府県別にみてみると、ほとんどの自治体が減少している、もしくは減少傾向を示す中、山形県、神奈川県、広島県が2年連続で死者数が増加していることが分かります。埼玉、千葉も明確な減少トレンドではないようで、人口の増加が影響しているのかもしれませんね。

以上、日経で報道されていなかった視点でまとめてみました。統計ってなかなか面白いです。

化粧品輸出 5,000億円超へ 日本経済復興のカギ

この記事も12/31日本経済新聞から。日本製の化粧品の輸出拡大が続いているという記事です。2018年の1月~11月の輸出額は前年同期比で44%増だとか。1年を通じて初の5,000億円台で、6年連続過去最高を更新することになりそうです。

インバウンド+アルファ

インバウンド消費(いわゆる訪日外国人旅行者の日本での消費のこと)だけでなく、帰国後もその商品をリピートしてくれているのが増加の一因のようです。今年も中国で日本製の輸出に弾みがつきそうな法律が施行されるらしく、さらなる売り上げ増加が見込まれるそうとのこと。この法律って何?

中国で化粧品を販売するためにはCFDA申請なるものが必要らしいのですが、その方法について大きな制度変更が行なわれるようです。登録手続きの撤廃や輸入港の制限撤廃、申請できる地区の拡大といった規制緩和が行われるのではないかという観測があるみたいですね(長くなりそうなのでかなりザックリ説明しました)。 資生堂、花王など。日本の化粧品製造販売メーカーの対中ビジネスに追い風となりそうです。

東京オリンピックと大阪万博の経済効果

大阪万博が決定して以降、東京オリンピックや大阪万博といった催しを高度成長期のイベントの焼き直しとする批判的な意見をよく見るようになりました。「当時の成功体験を持つシニアの短絡的な発想」であったり、「こうしたイベントが経済、産業に与えるインパクトは過去のモノとは比較にならないほど小さい」といった意見です。

確かに日本の経済、産業はあの当時とは大きく変化しました。しかし、やることが決まったんだからどうやって成功させるかを考えるべきじゃないでしょうかね。kuniとしてはこのところのインバウンド消費に注目していまして、さらに帰国後の継続消費にも期待したいところです。

前回との違い

前回と今回の違いはインバウンド消費+αだと思います。前回も多くの外国人観光客を誘致したと思いますが、今回は間違いなくアジアからの訪日客が爆発的に増加するものと思われます。日本が変わった以上に、中国をはじめとしたアジアの国々は大きく発展を遂げました。その富裕層たちの購買力は今更説明する必要はないと思われます。

欧米人にとっての日本商品とアジア人にとってのそれはおそらく違っていて、アジア人は先ほどの化粧品のようにインバウンドで手に取り、買い付け、帰国後もリピートしてくれるんですね。文化や生活様式が近いアジアの人たちだけに、より生活に密着したレベルで日本の商品の魅力を知るきっかけになるはずです。中国、インド、アジアの人口侮れませんよ。

日本の魅力的な商品はハイテク産業機械や自動車だけではありません。化粧品や食品に至るまで、いくらでもあります。ホスピタリティを軸としたインバウンド消費。そしてインバウンド+α、日本経済再興のキーワードのような気がします。