三井ハイテック 決算短信をホームページでフライング掲載

株式会社三井ハイテックは3/13、「適時開示前の決算発表資料を当社ウェブサイトへ誤掲載した件に関するお知らせとお詫び」を公表しました。前日3/12の引け後に開示する予定の資料を、誤ってそれよりも早い時間に同社ホームページで掲載してしまったということです。

三井ハイテック

三井ハイテックは、高度な精密加工技術を基幹技術として、電機部品のモーターコア、電子部品のリードフレームを主力製品とする企業です。プレス用精密金型や、平面研削盤などの工作機械も手がけている東証プライム上場企業です。

フライング掲載

時系列でみると、まず発表当日である3/12の10:45~14:25までの間、同社ホームページで決算短信等をフライング掲載。その後15:10に東証で適時開示という流れ。3時間以上もフライング掲載されてたんですね。

原因は同社ウェブサイトへの掲載準備作業段階での誤操作、としています。このブログもそうなんですが、掲載準備の段階で公開日と公開時間を設定出来るんですね。この設定をせずに登録ボタンを押してしまうと、その時点で即掲載されるという仕組みです。

おそらくこういうミスだったかと思われます。しかし、決算にまつわる重要な書類の掲載作業、複数名で指差し確認しながら、みたいな対応しないんでしょうかね。残念。加えて、フライング掲載のお詫びの開示が翌日13:30というのも遅すぎ、これまた残念なことです。

ミロク情報子会社元社員を逮捕 福利厚生5,200万円の背任容疑

ミロク情報サービス子会社 Miroku Webcash International 株式会社の元従業員が3/7、警視庁に背任容疑で逮捕されました。昨年8月に当ブログでも取り上げた事案でしたが、元従業員の逮捕という結果に。

おさらい

ミロク情報サービスは、会計事務所とその顧問先企業を中心とした中堅・中小企業向けに、財務会計・税務・販売・人事管理システムなどの業務用アプリケーションソフトウェアの開発・販売を手掛ける企業。東証プライム上場企業です。

逮捕容疑など

会社の福利厚生で付与されるポイントを着服し勤務先に損害を与えたという容疑。元従業員は子会社の元事業本部課長(39歳)で、計3億4千万円相当のポイントを着服、換金したとみて調べているとのこと。なんと、この事業本部課長、女性だったんですね。

福利厚生担当だった元従業員は会社が契約している福利厚生サービスについて、社員にポイントを付与する権限を持っていて、これを悪用していました。警視庁によると、元従業員は容疑を認めており、競馬や旅行、オンラインカジノの支払いに充てていたということです。

子会社には運営会社への約3億4千万円の支払いが生じましたが、元従業員は換金で得た金から、約1億8千万円分を穴埋めしていたということです。ってことは結局1億6千万円使い込んだってこと?

東亜道路工業 元取締役が株主代表訴訟を提起される 損害賠償約21億円

少し前になりますが、東亜道路工業は3/1、「株主代表訴訟に関するお知らせ」を公表しました。同社株主1名が同社代表取締役等 10 名に対して、損害賠償を請求する株主代表訴訟を提起した旨の訴訟告知書を受領したということです。

東亜道路工業

東亜道路工業は、道路舗装や土木などの施工とアスファルトをはじめとする舗装材料を製造販売する企業。主に舗装工事会社向けに販売するアスファルト乳剤では、国内トップクラスのシェアを有する東証プライム上場企業です。

訴えの概要

アスファルト合材の販売価格決定に係る独占禁止法違反行為に関し、同社に生じた損害(2019 年7月 30 日に公正取引委員会から課徴金納付命令を受けた 21 億 7,070 万円)について、当時、同社の代表取締役および取締役であった者に善管注意義務違反があったという訴え。

2012年から 2015年までの間に取締役等であった被告 10 名に対して、連帯して、最大 21 億 7,070 万円およびこれに対する損害遅延金を同社に賠償するよう求めています。訴訟を提起したのは 株式会社ストラテジックキャピタルです。10名で21億円、こりゃ、たまらんね。取締役にはこういうリスクがあるんです。

ちょっと分かりにくいかもしれないので平たく言うと、「善管注意義務違反があった元取締役10名が、個人のお金で東亜道路の損害を埋め合わせろ」、という訴訟。そのため、現在の法人としての東亜道路はこの訴訟の当事者ではありません。

秩父鉄道 車両基地で車輪の窃盗事件

秩父鉄道の熊谷市大麻生にある車両基地で、貨車から外して屋外に置かれていた廃棄予定の車輪76個がなくなっていることが確認されたそうです。銅製の水道メーターや太陽光発電施設の送電用ケーブルなど金属製品が盗まれる被害が相次いでいますが、この件もやはりそういう目的の窃盗事件のようです。

秩父鉄道

秩父鉄道は埼玉県北部を東西に横断する鉄道の運行を中核に、沿線における不動産、観光、バスなどの事業を展開する企業。太平洋セメントの持分法適用関連会社で、同社のセメント原料等の輸送も手掛け、全営業収益の3割を占めています。「長瀞ラインくだり」は同社が手掛けてるんですね。東証スタンダード上場企業です。

事件の概要

3/4、熊谷市大麻生にある車両基地で、貨車から外して屋外に置かれていた廃棄予定の車輪76個がなくなっていることが確認されました。今月2日までは置かれていたということで、近くの柵が壊れていたことなどから秩父鉄道は盗まれたとみて、5日、警察に被害届を出しています。

車輪は鉄製で1個270キロほどあり、4個ずつこん包してあった木の枠ごとなくなっていたとのこと。一塊で1トン超ですよ。銅製のケーブルなんかもそうですが、どうやって盗んでるんでしょうね。全部で20トン近く、運ぶだけでも大変です。

燃料費や素材価格の高騰などを背景に、鉄スクラップの買い取り価格は4年間で2倍以上に上がっているということで、こうした犯罪が後を絶ちません。それだけ価値が上がってるわけで、保管する側も十分留意する必要がありそうです。

ラックランド 特別調査委員会の委員を追加

株式会社ラックランドは3/7、「特別調査委員会の構成の一部変更に関するお知らせ」を公表しました。同委員会の設置が公表された2/14時点では委員長を含めて3名で構成する委員会でした。今回の開示ではこれに2名を追加して、5名体制にして調査を進めるということです。

おさらい

ラックランドは商業施設や小売・飲食店など店舗施設の制作会社でしたね。昨年5月には、工事原価に関する下請け工事業者からの見積書の電子ファイルが変造されていたという不正。そしてさらに、この事案を調査している最中の6月、協力会社との間で原価の付け替えに係る不適切な要請などが行われたという会計不正も。

そして現在調査しているのは、同社代表取締役社長による経費流用疑義です。1ヶ月程度調査をしてきて、このタイミングで調査委員の2名増員となりました。

何が起きてるのか

実は今回の開示に先立ち、3/6、「第 54 回定時株主総会の延期に関するお知らせ」が開示されています。調査がまだ長引きそうだとして、3月末までに開催するはずだった定時株主総会の開催を、5月以降に延期するとしています。

増員の理由は?総会までになんとしてでも調査を完了させたいからなのか、調べてみたら類似事案がゾロゾロ出てきて収拾がつかなくなってきているのか。まぁ、考えてみたら、トップがいい加減な経費申請してるような会社だから、あちこちで似たような不正が見つかってきた、というのが素直な見方かも。さてさて、どんな展開となるんでしょう。