ステルスマーケティング(ステマ)

便利な時代になったもので、ネットでググれば調べたいことが何でも簡単に調べられるようになりました。先日もややネットに疎い先輩と電話で話しながら、先輩が調べたかったことをネットで解決。「良い時代になったなぁ」先輩もやはり同じことを言ってました。kuni達の世代は大人になってからネットが開花、定着したので、なおさらなんだと思います。

ソーシャルレンディングはステマだらけ

しかし、一方でネットの検索結果で正しい答えを常に見付けているわけでもなさそうです。このブログでも何度か取り上げたソーシャルレンディングの世界。検索結果の上位に必ず出てくるのが、ステルスマーケティングです。アフィリエイトブログと一括りにすると怒られそうですが、この手のブログにも怪しいのがあります。

明らかに怪しい業者を称え、推奨し、本人は非常に良い運用結果であるかのように宣伝します。けど、その中には嘘がたくさん紛れ込んでて、、、って、kuniが元々金融の世界に居たから、怪しさを感じるのでしょう。ソーシャルレンディング以外にも、仮想通貨や証券取引もそうですかね。お金儲けや運用に関する世界にはこうした輩が多いようです。

ということは、逆にkuniが大した知識がない分野では、こうしたステマとかに結構簡単に騙されているということになりますね。気を付けないといけません。最近は口コミマーケティングやインフルエンサーマーケティングなんてのも流行ってますしね。

日本には取り締まる法律がない

これらステマやアフィリエイトの一部は、いずれも顧客を業者のサイトに誘導することで、業者から利益を得ています。業者から金をもらっているから、良いことばかりをアピールする。けどそのことを伏せたまま、顧客を誘導しているところが問題なわけです。が、調べてみると、これって日本の法律では規制できていないんです。

日本の現行法で規制するとしたら、誘導する際の表示が明らかに、「優良誤認」や「有利誤認」にあたるケースくらいです。例の消費者庁が所管する不当景品類及び不当表示防止法ですね。ただ、これは業者から金をもらっているかどうかは関係ありません。

欧州やアメリカでは、「金銭を受け取っていながら、消費者や専門家の独立した意見であるかのように装って推奨すること」は法律で明確に禁止されているそうです。冒頭に書いた通り、ネットは非常に便利になりました。ネットの影響力がここまで大きくなってきているわけですから、日本でも早急に法規制の整備、検討した方が良さそうです。

銀行、リスク運用に走る

週末の日本経済新聞の記事です。「銀行、リスク運用に走る 外債買越額8年ぶり高水準  投信・REIT、5年で3倍に 超低金利 貸し出し不振続く」。またずいぶん長いタイトルです。銀行が預金で集めたお金を、価格変動リスクの高い金融資産で運用する姿勢を強めている、という話ですね。

外債投資

財務省の統計によると、銀行の外債投資(短期債と中長期債の合計)は17年度の8兆9千億円の売り越しから一転、18年度は3年ぶりの買い越しになったとのこと。買越額は10年度(9兆6千億円)以来の大きさだそうです。三菱UFJフィナンシャル・グループの3月末の外債保有残高が21兆5千億円と1年前から23%増、三井住友フィナンシャルグループも9兆円と25%増となっていることも、併せて伝えています。

米国であと2~3回利上げが行われるとみられていましたが、トランプ大統領の横やりや、米中貿易戦争の影響による景気後退見通しもあり、当面利上げはない(場合によっては利下げがあるかも)という見方が台頭し、外債投資の環境が良くなったということですね。さらなる貸し出しが見込めない日本の銀行には渡りに船といったところです。

投資信託保有

一方、株式や外債などで運用する投資信託の保有残高も2月末時点で18兆5千億円と18年3月末に比べて11%増えているそうです。大手銀行、地方銀行とも増加させているようで、合計の残高は5年前の2.9倍だそうです。また、不動産投資信託(REIT)を中心とする不動産ファンドへの出資残高は、18年9月末時点で約2兆4千億円と前年同月比17%増えており、過去5年間では2.8倍に膨らんでいるとのこと。

銀行のリスク感覚

これがよく分からないんですよね。外債も投信も、REITもすべて金融商品です。当然ですが相応のリスクを伴います。そうした商品に強気でここまで残高を増やしてきているということ。一方で、銀行が顧客に勧めて買ってもらう、投資信託の販売や外債の販売はそれほど伸びていないようです。

ここが不思議なんですよね。外債購入の好機、株式や投資信託購入の好機だと思うんだったら、なぜ強気で顧客に勧め、販売を増やさないのか。いやらしい話ですが、顧客にたくさん外債や投信を買ってもらい、その後予想に反してマーケットが変調をきたしても、銀行は損しないわけです。これが金融商品取引の世界の大原則です。

現場の銀行員は顧客への勧誘にとても弱気で、手数料収入を増やせないのに、自分のお金では超強気で相場に乗ってしまうんですね。強気というか、そうせざるを得ないんでしょうけど。昔からですが、銀行員のリスク感覚はよく分からないです。赤信号、みんなで渡れば怖くない?いや、それが一番怖いんだって!

仮想現実が拓く世界 VRの可能性

5/22付日本経済新聞の特集「ディスラプション」で「他者に変身 心まで溶かす 第2部仮想現実が拓く世界(3)」が掲載されました。VR(仮想現実)技術で外見が変わると、実際の行動や心の動きが別人のように変わるという内容です。

プロテウス効果

記事ではVRゴーグルを付けて、自分自身のアバターを見ながらダンベルを持ち上げる実験を紹介していました。筋肉質のアバターを選択して実際にダンベルを持ち上げると軽く持ち上げることができ、ひ弱な体格のアバターに変えると、同じ重さのダンベルのはずが一気に重く感じるんだとか。

こんなふうに、見た目が変わることで、本当に自分が違う自分になれるという効果をプロテウス効果と言うんだそうです。プロテウス効果の仕組みはあくまで思い込みであり、人間は自分がどんな存在かを身体や服装などの見た目で決めている部分が多いとしています。

服装を変えることで気分が変わる、なんてのはずいぶん昔から言われてきましたし、そうすることで自分を変えていこうとする人も多いと思います。VRの世界ではもっとその可能性を広げることが出来そうです。VRの世界で自分の殻を破り、才能を開花することができる。まさにVチューバーの世界ですね。

記事ではほかにもVRによるプロテウス効果を使って、人種差別の解消に役立てようという取り組みも紹介していました。見た目を変えることで別の誰かの視点に立つ。そのことで社会問題の解決に役立つということです。当然こういうことを商売のヒントに事業を起こす人も出てきますよね。VRの可能性を感じさせるお話でした。

VR(バーチャルリアリティ)

最初に書いとけばよかったんですが、VR(バーチャルリアリティ)について少し整理。VRとは、「現物、実物(オリジナル)ではないが、機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系(ウィキより引用)」だそうです。

作り出す技術、つまり装置として最も早く提供され、現在世界シェアトップなのが、ソニーのPlayStation VRです。プレステというゲーム機に接続して使用するタイプのゴーグルですね。他にも、ゴーグルにスマホを取り付けて使用するタイプのもの、パソコンに接続して使用するタイプ。そしてゴーグル単体でPCやスマホといった機器を必要としないタイプがあります。いずれもゴーグルを頭から被って使用します。

価格の方もスマホをセットして使用するタイプが数千円程度で提供されているのに対し、PCにつなぐタイプでは10万円超のものまで様々です。VRを体験できるアトラクションなんかも増えてきましたし、kuniもそろそろ購入してみたいと思っているところです。

内部監査部門が発見した不祥事は監査役に報告

日本経済新聞で「経営陣の不祥事、監査役への報告優先を」という記事が掲載されました。経済産業省が新たにまとめるグループ会社の企業統治(ガバナンス)に関する指針の中で触れられているようです。東京証券取引所と金融庁が制定した、上場企業向けの企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)を補う位置づけで、6月をめどに公表するみたいです。指針ですので、法的な拘束力はありません。

コーポレートガバナンス・コード

ということで、コーポレートガバナンス・コードではどのように書かれているかをチェック。まず、【原則2-5.内部通報】 補充原則 2-5① では以下のように、経営陣による隠ぺい等に配慮した記述があります。

「上場会社は、内部通報に係る体制整備の一環として、経営陣から独立した窓口の設置(例えば、社外取締役と監査役による合議体を窓口とする等)を行うべきであり、また、情報提供者の秘匿と不利益取扱の禁止に関する規律を整備 すべきである。」

また、内部監査部門との関連では【原則4-13.情報入手と支援体制】 の補充原則4-13③ では、以下のような記述があります。

「上場会社は、内部監査部門と取締役・監査役との連携を確保すべきである。 また、上場会社は、例えば、社外取締役・社外監査役の指示を受けて会社の情報を適確に提供できるよう社内との連絡・調整にあたる者の選任など、社外取締役や社外監査役に必要な情報を適確に提供するための工夫を行うべきである。」

経済産業省の指針

そして今回の経産省の指針が言っているのが、「企業の内部監査部門が経営陣の関与が疑われる不正を確認した際、経営陣ではなく監査役への報告を優先させる規定を設けるのが望ましい」ということ。経営陣の関与が疑われる不祥事が内部調査で判明しても、報告先が経営幹部だともみ消されるのではないかとの懸念が消えないからだと言います。

現在のコーポレートガバナンス・コードは、内部通報する際や内部監査部門が発見した際の報告先について、取締役と監査役にという記述になっており、特に経営陣が関与している不正という前提については配慮されていなかったということですね。

しかし、なんで今回は経産省なんでしょうか。指針では、「急増するサイバー攻撃対策では、グループ会社やサプライチェーン全体の対処を進めるよう求める」なんてのもあります。こちらは経産省が推進するのも分かるんですが、内部監査部門の報告先についてはよくわかりません。

野村證券に業務改善命令

またまた野村です。金融庁は野村証券と野村ホールディングスに金融商品取引法に基づく業務改善命令を出す方針を固めたという報道です。東京証券取引所の市場区分見直しに関する情報を一部の投資家に漏えいした問題についての金融庁の判断ですね。野村証券に対する行政処分は2012年のインサイダー問題以来だそうですが、ここのところ不祥事だらけで常連さんのイメージです。

大崎貞和フェロー

情報を流したのは野村総合研究所の大崎貞和フェローという人物。東証が設置した市場区分に関して議論する有識者懇談会のメンバーです。この「市場構造の在り方等に関する懇談会」での議論・情報を野村証券のストラテジストや機関投資家を顧客に持つ営業員に伝えていたというお話。

この事件は3月下旬に発行されたFACTAという雑誌が報道していました。この情報が機関投資家に対して、野村証券のビジネスとして提供されていることから、会社ぐるみの対応ではないかとも言われています。大崎氏はこの報道を受けて政府の国会同意人事案から外されたりしてますね。

漏えいした情報

実際に機関投資家等に提供された情報というのが、「東証は一部上場・降格基準を250億円にしたい意向」というものらしいです。当時、降格基準は時価総額500億円ではないかとの観測がありました。そのため500億円未満だからとして売られていた銘柄は、買戻しが入るかも、、、みたいな感じで情報提供されているらしいです。

これって情報漏えいではなく、立派に積極的な情報提供ですよね。金融庁はインサイダー取引には当たらないとしているようですが、一連の行為は相当酷いです。ただ、一方で、「野村は主幹事企業の一部上場という地位を守るために、意図的に情報を流して議論を潰したのではないか」なんていう見立てまであるようです。

コンプライアンスの鬼門 プロフェッショナル

今回の業務改善命令、主役は政府が頼りにするほどの有識者。いわゆるプロフェッショナルはコンプラ的には非常に扱いにくい存在です。高度な専門性を有するが故、企業は非常に高い報酬で報います。高収入の彼らは一般的な社員とは別という感覚を持ちやすく、そのため会社のルールを守らない傾向が強いんですね。また、この手の輩は短期間で企業を退職し、別の企業に転職していく傾向もあり、会社に対するロイヤリティも低くなりがちという事情もあるような気がします。

終身雇用や年功制が廃止される方向に進んでいますが、一方で会社を次から次へと渡り歩く専門性の高い社員達に対して、コンプライアンスをいかにして徹底していくか。これは意外に大きくて、新しい課題だと思います。