エルピクセル 取締役が33億円を着服(その2)

スタートアップが重宝され、メガバンクまでもがこぞって出資するようになってきました。ガバナンスやコンプライアンスの機能がまだ整っていない企業であっても、魅力的な技術があれが金は集まる時代になったということですね。エルピクセルだけの問題ではありません。

他にも似たような企業が

「当社が出資したスタートアップの〇〇は大丈夫なのか?(経営陣)」に対して、「は、はい。すぐに確認させます。(スタートアップ担当部長)」なんて会話が上場企業等のあちこちで聞かれたんじゃないでしょうか。そんなの出資する前に確認することでしょ、、、と思いますが。

これでまた監査法人の顧客層が拡大しましたね。従来は上場を意識したころ辺り、つまり証券会社が引き受けに際して態勢を求めるころから整備されてきたんですが、ガバナンス態勢はもっともっと早い段階からということになっていきそうです。

FX取引?

今回の取締役による横領事件。一番理解しがたいのが、この取締役が横領した金を主にFX取引(外国為替証拠金取引)に費消していたというお話。普通は一攫千金でお金のない奴がFXに賭け、、、そこで負けて借金を積み上げ、、、どうにもならなくなって他人のお金に手を付けるもの。

だと思ってましたが。この人、スタートアップとはいえ取締役ですからねぇ。なんでFXなんぞにはまり込んでしまったのか。何かほかにつぎ込んだ先があるんじゃないでしょうか。例えば異性とかね。つぎ込んだ金を取り返すための方法がFX取引だったとか。

最初からFX目的の横領だったとは思えないんです。プレスリリースでも「主な費消先がFX取引であることを確認しています」とビミョーな表現になってますしね。もう少し捜査が進むのを待つしかないですね。

エルピクセル 取締役が33億円を着服

画像解析ソリューションを開発する東大発ベンチャーのエルピクセルは、6/10、同社元取締役が33億5000万円を着服していたことを公表しました。前日にこの元取締役は警視庁に逮捕されています。この会社、上場企業から高い技術を評価され、かなりの資金調達をしてきています。

エルピクセルの概要

設立は2014年3月、資本金は27億円という千代田区大手町の企業です。ライフサイエンスと画像解析を背景に、独自の技術を研究・開発しています。などというコメントがHPでは見られます。が、kuniには難しすぎる世界です。

同社のプレスリリースによると、元取締役は2017年4月から2019年1月まで、会社資金を元取締役個人名義の銀行預金口座に多数回にわたって振込送金し、横領していたといいます。被害額は33億5000万円ですが、うち5億9500万円は横領発覚前に同社口座に返還されていたとのこと。

発生原因

スタートアップやベンチャーなどと呼ばれる企業のアキレス腱は間違いなくコーポレート部門。それもガバナンスやコンプライアンスを押さえるセクションです。組織として未熟なうちはこういうセクションにお金がかけられませんからね。それはやむを得ないところがあると思います。

エルピクセルも同様で、同社口座の資金を元取締役が一人で管理していたといいます。それなりのサイズの企業であればあり得ない態勢です。が、起業して当面はこんなもんでしょうね。大金もありませんから、こうした不正も起こりません。

事業のサイズと守りの態勢

ではこのエルピクセルがどこで間違ったのか。同社は2016年10月にジャフコ等から7億円を調達しています。2018年10月にはオリンパス、富士フィルム等から30億円を調達しています。これまでの会社に不釣り合いな出資を受けた時点。つまり2016年10月がそのタイミングだと思います。

この時点で、大きな資金をしっかり管理するための組織や態勢、ルール作りが必要だったんですね。不正にとって魅力的な環境が整った時点で、守りの態勢も当然必要になるというわけです。

スーパーコンピューター 富岳 ランキングで世界1位 史上初の4冠も達成

理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が6/22、計算速度で世界一位になりました。世界一は「京」以来の8年半ぶりだそうです。「富岳」は2011年に世界一に輝いた「京」の100倍以上とも言われていましたが、やってくれましたよ。

TOP500 他も合わせて4冠達成

TOP500というカテゴリーが最も一般的なスパコンの性能ランキングで、簡単に言うと計算速度を競います。このランキングで1位になりました。2位はというと、米国インテルなどが開発した「Summit(サミット)」というマシン。前回(昨年11月発表時)まで2年間首位を守ってきました。

富岳はこの2位のSummitと約2.8倍の差を付けての1位です。そして、富岳はTOP500以外でも3つの性能ランキングで1位を獲得しています。スパコン上で動く実アプリケーションに近い演算の性能を測る「HPCG」、ビッグデータ処理に関する性能を測る「Graph500」、AI関連処理の性能を測る「HPL-AI」の3カテゴリーです。併せて世界初の4冠達成です。

2位でも構わない

今後日本の産業にどれだけ貢献してくれるのか楽しみなわけですが、理化学研究所のセンター長さんは「世界2位でも構わない」と以前おっしゃってました。富岳は京と違って非常に汎用性の高いマシンだそうで、マイクロソフトのワードだって動かせるとか。

特殊なソフトでしか動かせなかった京とは全く使い勝手が違うんだそうです。だからこそ4冠なのかもしれません。センター長いわく「巨大なスマートフォンみたいなもの」らしいです。汎用性と超並列による高速化を両立させたマシンなんですね。

4月から始まっている新型コロナウイルス感染症対策では、約2000種の既存薬から治療薬候補を探しているそうです。ここで成果が出ると一段と注目を集めそうですね。

住友重機械工業 労働組合元書記に懲役8年の判決

労働組合連合会の積み立て年金口座の資金着服事件で、口座から3億円余りを着服したとして、業務上横領罪に問われた元書記に懲役8年(求刑懲役10年)の判決が言い渡されました。今年1月に逮捕された会計を一人で担当してきた女性への判決です。

当初は10億円とも

事件発覚というか、この女性が逮捕された当時、着服金額は6億円とも10億円とも言われていました。既に時効になっているものも含んでいるようでしたが、今回の判決では「2013年12月~18年1月、37回にわたって連合会の口座から自身の口座に送金し、計約3億3660万円を横領した」とされています。

判決は

懲役8年(求刑懲役10年)の判決というのはどうでしょう。起訴された業務上横領罪は刑法253条で、法定刑は「10年以下の懲役」だそうです。 もし最高の10年を求刑されても、一般的に「7割司法」「7掛け判決」といわれるように、懲役6~8年の幅に収まるのでは、、、という予想でした。その通りになりました。

着服したお金は

着服したお金は、趣味である馬術競技馬や競走馬の入手や維持・管理費、高級外車や高級バッグなどの購入に使っていたといわれています。被告は刑事裁判で判決が言い渡されたわけですが、これとは別に、労働組合側が民事訴訟を起こして損害賠償を請求することは可能です。

しかし、過去の着服事件では、発覚したときにはほとんど被告の手元にお金は残っておらず、回収不能というのがよくあるパターン。今回のケースも逮捕時には安いアパート暮らしだったといいますから、回収は見込めないでしょうね。となると次は、杜撰な管理体制でこの横領事件を許した労組幹部も責任を問われることになりそうです。

アジャイルメディア・ネットワーク(6573) Oakキャピタルの出資で3日連続ストップ高

アジャイルメディア・ネットワークがぶっ飛んでます。3日連続ストップ高。それも3日間比例配分のストップ高です。6/18の夕方、両社が開示しており、株式の第三者割当と新株予約権を発行することで、アジャイルMがOakキャピタルから約4億円を調達するということです。

またOakキャピタル

先日書いたパス(3840)の記事でも登場したOakキャピタル。あの地産グループ総帥竹井博友の次男である竹井博康氏が会長兼CEOを務める投資会社ですね。パスではかなりの実力者3名を新取締役として投入。そしてアジャイルMでは資金の出資で支援です。

直近期で赤字転落したアジャイルM。第三者割当等で資金調達、、、の話題でこれほどまで株価が急騰するとは。6/16には同社ホームページで、「コロナ対策の独自AIソリューションの提供開始」というニュースも公表しているので、これに反応したのかと思いましたが、株式新聞(ソースはモーニングスター)はOakからの資金調達を材料視していました。

ちょっとヤバイかも

ということだと、明らかにインサイダーですね。正式な開示(増資に係る公表)があったのが6/18の16:00です。一方株価はというと、6/17から18、19と3日間連続のストップ高。17日と18日で出来高(ストップ高比例配分)は1万2000株。これを買った人はどう見てもインサイダー。

さらに、今回の第三者割当の発行価格は17日の終値である754円。そう、価格決定日もストップ高してるんですね。発行価格も作られているように見えてしまいます。

ここで効いてくるのが16日のAIソリューションのニュース。17日と18日の株価はこの材料に反応しただけ、、、19日はOakを材料視という言い訳も考えられなくもないか。などと妄想しております。なにせ竹井氏ですからね。監視委員会は当然調査を開始したとは思いますが。