株式会社建設技術研究所 従業員の不正行為(その2)

8/4、「決算発表の延期及び社内調査委員会設置のお知らせ」を公表していた建設技術研究所。8/14には、「不適切な取引の発生及び当社業績に与える影響について」を公表しました。同時に、2023年12月期の業績予想の修正(上方修正)も公表しています。

調査委員会の結論

社内調査委員会の結果が出て、会計処理の前提となる事実関係の確認も済んだため、決算短信を公表し、業績を上方修正しましたと。良い話ばかりなもんだから株価は急騰。前日比430円高となりました。

が、しかし、今回の開示ではあえて不正行為そのものについてはまったく触れていません。上手いやり方があるもんですね。公表されたのは、「2008年2月から2023年4月までの期間に、従業員が実質的に経営する会社へ合計141百万円の不適切な外注取引を行ったもの」とだけ説明されています。

調査漏れ?

2021年に同社が公表した従業員の不正行為。この時は2015年から2020年まで行われた架空発注で資金を還流させ、他の業者からきて、建設技術研究所に常駐で働く同僚たちの処遇が酷過ぎるため、これを改善するために補填していたというものでした(詳細は過去記事を参照)。

現在開示されている不正は2008年から今年まで続くもので、外形的には前回とほぼ同様の手口のように見えます。2021年の調査で発見できなかった、調査漏れ事案ということになりそうです。このことは非常に問題だと思われますし、今回の開示では良い話ばかりを並べて、悪い話を隠している格好に見えます。

もちろん、調査結果の詳細は後日開示するとはしていますが。

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