日立化成 昭和電工が優先交渉権

2次入札が締め切られていた日立化成の売却ですが、残っていると言われていた4陣営の中から、昭和電工が選ばれました。まぁ、2次入札に残った中では順当と言えば順当なところですかね。日経の報道によると、日立製作所の保有株に加え、残りの49%も含めた全株式を取得することを視野に入れているとのこと。

ちと高すぎる買い物では?

同じく日経の記事では、全株式を買い付けるとなると、買収額は9000億円になるとも伝えていますが、昨日の日立化成株が急騰したため、1兆円規模になってもおかしくない展開になっています。いやぁ、マネーゲーム化してきました。この急騰を見越して仕込んできた投資家の皆さん、おめでとうございます。

一方で、買収する昭和電工の方はと言うと、急落です。買収資金の調達で株式を新たに発行することになると、、、ということを投資家は懸念したんでしょうかね。昭和電工の手元資金、現金および現金同等物の期末残高はせいぜい1100億円ですから、何らかの形で巨額の資金調達が必要です。

自社株の新規発行での調達、社債での調達、銀行からの借り入れ、LBO(レバレッジドバイアウト)、いろいろな選択肢はあるでしょうが、いずれにしても昭和電工には財務上の負荷がデカすぎるような気がします。

あれからちょうど1年

2018年11月22日、今からちょうど一年前。日立化成は不適切な検査等に関する特別調査委員会の報告書を受領し、再発防止策を公表するとともに、役員等の報酬減額という一連の処置を実施しました。あれからちょうど一年経ったことで喪が明ける? 何かとタイミングの良い日立の戦略ですが、今回もちょうど一年というところで売却先決定の公表です。これまた絶妙なタイミングですね。

SBI砲炸裂 福島銀行 地銀が動き出した

11/11 この週の株式市場が開く直前に「SBIと福島銀行が資本・業務提携」というニュースが。前週末の終値243円の福島銀行株はこの日310円まで買われました。翌日も値を飛ばし、3日目には470円まで付けています。凄いですね、SBI砲の威力。

地銀の地殻変動が

9月上旬には、SBIと島根銀行が、資本・業務提携するというニュースがあり、当ブログでも取り上げました。SBIは全国の地方銀行と資本提携する「連合構想」を掲げていて、地銀再編の呼び水となる可能性がありそう。なんてことも書いておきました。

第二弾に選ばれたのが福島銀行。島根銀行同様、金融庁が最も気にしている地銀の一つですし、当局的にも好感度抜群ですね、SBIの施策。株式市場で銀行株を空売りしてる投資家にとっては、恐怖のSBI砲です。おちおち売ってられません。当然、多くの地銀株で買戻しが進みました。

前にも書いたように、東海東京証券や野村證券も地銀との提携等を進めています。地銀の地殻変動を主導するのが証券会社とはねぇ。数年前までは想像もできませんでした。

次のターゲットは

収益力(ROA)の低い地銀で、現在金融商品仲介でSBIに委託を行っている地銀。という流れで調べてみると、福井銀行、高知銀行、長野銀行、青森銀行、宮崎太陽銀行、、、なんかが出てきますね。これらの地銀、いずれも証券子会社を持っていません。

証券各社による地銀の奪い合いが熾烈化する一方で、地銀自身の新たな動きも出てきたようです。東日本銀行が横浜銀行から頭取を受け入れ。南都銀行が郵便局との共同窓口設置。山形銀行が銀行初の全額出資で地域商社設立。。。なんていうニュースも、ほぼ同じタイミングで伝えられています。

日立化成 2次入札も終了

親会社日立の、「ルマーダ」との相乗効果が見込めないという判断から、売却の方向で進んできた日立化成の入札。先週11/15をもって2次入札も締め切られました。米投資ファンドのベインキャピタル、カーライル・グループと日東電工、昭和電工の4陣営が入札に進んだといわれています。

8000億円~9000億円

日経ビジネスがこの話題を取り上げていました。一次入札では、投資ファンドや韓国企業が、かなり高い価格で応札したとか。『8000億円~9000億円超(日立化成の時価総額は足元で約7000億円)とかなりの高値で応札したようだ』と書かれてました。

今回入札されるのは、日立が保有する日立化成株式ですよね。日立化成の発行済み株式は2億836万株ですが、日立はその51.2%を保有。1億670万株です。この1億670万株に8000億円も投入するんでしょうか。一株当たり8000円ですよ。これはいくら何でも高すぎますよね。

先ほどの引用部分に、カッコ書きで日立化成の時価総額が比べられているので、発行済み株式すべてを取得することを前提に8000億円と言ってるんでしょうか。まぁ、こちらのシナリオの方がまだ現実味ありますね。一株4000円ほどになります。

ところが日経ビジネスでは、「株価には買収によるプレミアムが上乗せされる。そのプレミアムは通常2~4割のところ、日立化成では2倍前後まで膨らんでいる」と書いてます。となると、やはり前者の考え方なんですかね。いやいや、春先の株価から現在は2倍になっている、、、とも読めなくはないですが。

結論がなくてすみません

筆頭株主の株式売却。おそらくM&Aにおける買収と同じような手続きで進んでいるものと思われますが、kuniにはM&A実務の経験がないもので、、、日経ビジネスの記事、感覚的によく分かりません。最後の方でディスカウントTOBもあり、、、なんてことも書いてるので、おそらく全株式取得で8000億円程度という意味だと思うんですが。

円安=株高 ではない

日本経済新聞の特集記事「チャートは語る」で、「為替と日本経済『通貨安=株高』は例外」が連載されました。今では定着してきた感のある、円安=株高という通説に対して、データをもとに異議を唱える内容です。日経もやっとこういうことを書くようになったかと、、、良い記事ですね。

円高=株高 の時代もあった

シリーズ第2話では、岡三証券のアナリストの話を引用する形で、日本も80年代までは円高=株高の時代があったと伝えていました。その後自動車をはじめとする輸出型産業が日本経済をけん引するようになると、円安=株高が定着してきます。

ところが、円高で収支悪化という経験を積むうち、為替の影響を受けないように現地での生産比率を上げていくようになります。そうして現地での生産比率がかなり高くなってきた最近は、円安=株高とは言えなくなってきている。ざっくり俯瞰するとそういうことなんですね。

実態をデータに基づき説明してくれるところは、メディアの素晴らしいところです。しかし、一市場参加者の相場観的に言わせてもらうと、そんなことはもう当たり前って感じなんですね。感覚的に円安=株高の時代はもう終わったな、、、っていうのは既にありました。ただし、市場がまだそう反応するなら、当分はうまく付き合ってやるしかないな。そんな感じです。

日経のこの記事でどれだけ変化が起こせるか

市場参加者の間ではおそらくもっとも読まれている新聞ですから、それなりの影響力はあると思われます。とはいえ、円安=株高ではない、、、が定着するにはそれなりに時間がかかるでしょう。ちょうど同じタイミングで自動車産業の10万人リストラのニュースも出ていました。

花形だった自動車産業が衰退していく。これからの日本経済をけん引する主役が交代していくのにあわせて、円安=株高の常識も色褪せていくのかもしれません。

ラック株急落(3857) トレンドマイクロ(4704)は大幅高

先週末の株式市場でラック株が急落してましたね。前週末の株価が1305円で、先週末は1127円。おまけにこの日はほぼ安値引け。この会社、日本貿易保険におけるシステムの入札妨害事件で逮捕者が出た際、同社社員も書類送検されたことから、当ブログでも取り上げたことのある会社です。

ラック急落の謎

その後、会社自体は悪くない会社だなと思いながら、株価と事件の進展状況を両睨みしてきましたが、ここで急落となったわけです。11/5に第2四半期の決算を発表していて、売上高6.0%増ながら、営業利益90.0%減益という内容。ただし、減益の理由は「社内システムの刷新や事業拠点新設」とのことですから、それほど後ろ向きに捉える必要はなさそうです。

決算短信もサクッと眺めてみましたが、システムの刷新や新オフィスの開設で、全社共通費用が3億円弱上昇してますので、利益が出にくくはなっています。が、それにしても、株価の下げ方がきつすぎる感じがします。日本貿易保険の事件の続きがあって、同社に関する不正等の情報が近々公表されるのでは、、、などと勘ぐってしまいます。

調べてみると、いちよし証券のアナリストがレーティングを「A」→「B」へ引き下げ、フェアバリューは2000円→1500円に引き下げた。。。という話はあるようです。詳細はいちよし経済研究所まで。

トレンドマイクロは大幅高

一方で、同業(と言っていいのかな)のトレンドマイクロ株は、週末金曜日、大幅高しています。11/6に、同社元社員が12万人分の個人情報を第三者に売却していたという事件を公表したにもかかわらず、、、です。公表後2連騰で、このところの高値を更新してるんですね。

トレンドマイクロの大幅高、投資家の反応がいまいち読めません。悪材料を公表した日が底になって、即反発し始める。この情報漏えいの事件に関する情報も、社外に漏れていたかのような動きなのはちょっと気になりますね。