野村證券 長期国債先物に係る相場操縦で課徴金納付命令の勧告

少し前になりますが、証券取引等監視委員会は9/25、「野村證券株式会社による長期国債先物に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。今から3年前の大阪取引所に上場されていた長期国債先物に関する相場操縦です。野村証券に2176万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告しました。

相場操縦

その手口は、大量の売り注文を出し、第三者の売り注文を誘引。価格が下落したのを受けて安値での買い注文を出して約定させ、売り注文を取り消すという手法。さらにこれと反対の取引を1日のうち交互に繰り返して相場を操作し、利益を得ていたということです。

金融商品取引法は、架空の売買や大量の注文を出すなどして意図的に株式や債券の価格を操る行為を「相場操縦」と位置づけ、公正な価格形成をゆがめるとして禁止しています。今回の件も相場操縦としては典型的な事件です。

国債の先物取引をめぐる金融機関による相場操縦が問題となったのは4例目だそう。うち2例については、シティグループ系の英国法人に1億3337万円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券に2億1837万円の課徴金が課されました。

これらに比べると、業界最大手野村證券の2176万円は小さいですね。別件で調査している過程で見つけちゃったもの?この後デカい事案が出てくる? そんな感想を持ちました。

ミンカブ・ジ・インフォノイド株式でインサイダー取引 課徴金納付命令の勧告

証券取引等監視委員会は9/13、「株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド役員からの情報受領者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。これを受けて同社も、「証券取引等監視委員会の公表事案について」を公表しています。

ミンカブ・ジ・インフォノイド

ミンカブ・ジ・インフォノイドは、ライブドアブログなどインターネットメディアを運営するメディア事業と、金融機関向け情報系ソリューションサービスを提供するソリューション事業を展開する企業。株式や投資信託など金融系情報・分析サービスも提供する東証グロース上場企業です。

事案の概要

ミンカブ・ジ・インフォノイドの役員であった者から、同人がその職務に関し知った、「LINE株式会社によって新たに設立される会社の全株式を取得し、同社をミンカブの完全子会社とする」という重要事実の伝達を受けた知人が、当該重要事実の公表前に、ミンカブ株式合計1200株を、買付価額合計約234万円で買い付けたというもの。このインサイダー取引に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は35万円です。

一方、ミンカブ・ジ・インフォノイドは公表文の中で、「当社及び当社役職員による法令違反の事実はございません」としていますが、株式等の情報・分析サービスを提供する企業の役員が、知人に上記のような情報を伝えていたことについては、同社はもっと深く反省すべきところです。役員の処分はどうなったんでしょう。

監視委員会は、「情報伝達行為・取引推奨行為の禁止」にまでは該当せず、という判断をしたようですが、この役員は違反行為を問われるべきだったと思います。

日経平均株価 4,450円安 NISAショック?

8/5、日経平均株価は31,458円、前日比4,451円安の暴落となりました。下げ幅ではもちろん過去最大。下落率で見てもいわゆるブラックマンデー翌日の14.9%に次ぐ12.4%となりました。ただ、この日に至るまでに既に3,000円以上下げてますからねぇ。ブラックマンデー超えといってもいいかも。

暴落の原因

まぁ、いろんなことが言われてます。米国の景気後退懸念と金利低下、日銀による利上げと、これらにより誘発された予想を上回る円高の進行などなど。米国株価の好調に乗じて円安が進み、円キャリートレードで加速していた日本への資金流入が一気に逆回転してしまいました。

こうした株高の背景にあったのが新NISAのスタート。株式市場では新しい制度や取引が開始されるとき、開始に向けて気運が高まり上昇し、開始された途端に下げに転じる(好材料出尽くし)といった事例をたくさん経験してきました。今回で言うとその好材料が新NISAだったと思われます。

国が税制を優遇し、国民の資産形成を推し進めるという政策に多くの投資家が誘導されてきた結果、日経平均は大きく上昇してきました。新NISAスタートで実際に巨大な資金が市場に流れ込んだのは事実ですし、それをあてにした外国人買い等も強烈に買ってきました。

皆が強気になった時

こうして市場参加者が全員強気になった時、下げが始まります。ブラックマンデーもリーマンショックも市場関係者として見てきましたが、詳細な下げのメカニズムは違うものの、このセオリーは一緒です。さらに、これらの暴落場面と比べても、今回の下げは強烈ですね。

新NISAスタート直前の日経平均は33,500円程度、TOPIXは2,360ポイント程度。そこからの上昇分をすべて吐き出してしまいました。政策にに煽られる格好で新NISAを始めた方には非常にお気の毒ですが、相場ってそういうものなんです。

ただ、NISAという制度は長期保有が前提。今回の暴落は単なる通過点と考え、一喜一憂されませんよう。ここからは安いところが買えるわけですから。

ヤフー掲示板で風説の流布 会社役員の男性に課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は7/26、「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式に係る風説の流布に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。利益を得る目的で嘘の情報を流し、株価を吊り上げたとして、会社役員の男性に課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告しました。

勧告の概要

「Yahoo!ファイナンス」内の電子掲示板に、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズに関して、合理的根拠のない情報を投稿し、これにより、同社の株式の価格を上昇させ、もって有価証券の売買のため、かつ、相場の変動を図る目的をもって、風説を流布し、当該風説の流布により有価証券の価格に影響を与えたとしています。

上記のように、価格を変動させる目的で、虚偽の情報を流すことにより、東京都内に住む50代の会社役員の男性は、およそ139万円の利益を得たということです。これに対して監視委員会は課徴金(209万円)納付命令を出すよう金融庁に勧告しました。

風説の流布で課徴金

過去に聞いたことないなぁ、なんて感じましたが、「風説の流布」によって課徴金納付命令の勧告が出るのは初めてなんだそう。偽情報の共有や拡散がSNS等でいとも簡単にできるような時代になっているわけですから、監視委員会の初対応は正解、至極当然なものだと考えます。っていうか、むしろ遅すぎたんじゃね、ってのが本音。

株式市場 今後注目されそうな賃貸不動産の含み益

東洋経済オンラインで、「首位は4兆円、賃貸不動産の含み益が多い企業80社」という記事がありました。ここでいう含み益というのは、現時点での「潜在的な(評価上の)利益額」のこと。実際に売却するまでは金額が確定しないものの、過去の株式市場ではよく材料視されてきました。

時価評価

日本では以前、会計上、保有する不動産を取得時の価額で計上する方法が一般的でした。しかし、資産価値の変化を会計に適切に反映できないという弊害があることから、2000年から順次時価評価の適用が拡大されてきました。バブルの時代、不動産は簿価で評価されており、時価との差額である含み益が、しばしば株式市場での買い材料となっていたんですね。

その後この時価評価は有価証券等にも拡大され時価評価が当たり前になっていたんですが、この記事が言っているのは「賃貸不動産」です。会計上、賃貸不動産は取得したときの価格(簿価)で貸借対照表に計上され、不動産の高騰などで価格が変わっても、売却しない限りは基本的に利益を計上しないんだそう。

株式市場のテーマに?

確かに、よそ様にお貸ししている不動産ですから、そう簡単に売却して現金化はできない資産だからという判断だったんでしょうね。しかし、今では店子に影響がない形でビルやショッピングモールなど、他社やファンドに譲渡される事例はいくつもあります。

会計処理のルール変更を、、、なんて話題が出始めたら株式市場はほっとかないでしょうね。ちなみに4兆円で首位とされたのは三菱地所。以下に大手不動産や電鉄会社などが並んでました。