日産化学 名古屋工場で火災事故

日産化学は11/17、「名古屋工場における火災事故について(第 2 報)」を、同社ホームページで公表しました。第1報は11/7に出ており、火災事故発生日は11/6だったようです。いずれの公表も同社ホームページでのみ行われているだけで、適時開示はされていません。

日産化学

日産化学はファインケミカル分野を主力とする中堅化学メーカー。半導体、液晶ディスプレイ向けの電子材料や、除草剤を主力とする農薬、医薬品などに展開している企業です。最近ちょこちょこ話題になる除草剤のランドアップも、日本モンサントから買収していて、今では同社製品。東証プライム上場企業です。

事故の概要

11/9の夕方、硫酸製造工場の電気集塵機から出火したとのこと。2時間弱で鎮火しており、人的被害はなし。物的被害も電気集塵機の一部を焼損した程度ということです。一時的に煤が、工場敷地外へ飛散したものの、排水等への影響は確認されておらず、近隣への大きな影響はないとしています。

決算発表と重なって

火災発生のタイミングよりは少し遅れてですが、同社株は大きく下落しています。11/10の決算発表を受けての大幅下落だと思われます。悪化している業績を公表する直前に発生した工場火災。できれば悪材料をこれ以上見せたくなかったのかな?だとしても、いつも書いてるけど、事故に関して適時開示はするべきだと思うよ。

リコージャパン代表取締役社長、不適切発言?で辞任

リコージャパンは11/15、「代表取締役 社長執行役員の交代および重要人事異動のお知らせ」を公表しました。これには報道機関も食い付いており、日経によると「知人女性に中絶を求めるなどの不適切発言をしたとして辞任となった」そうです。

リコージャパン

リコージャパンは、オフィス向け複合機やプリンターに強みを持つ事務機器の大手メーカーリコー(東証プライム上場)の販売子会社です。資本金25億円、売上高6,000億円超、従業員数約19,000名のピカピカの企業です。リコーの100%子会社ですね。

辞任の理由

知人女性に中絶を求めたことが不適切な発言だとして、同社が辞任を勧告。「人権的に問題がある発言で重大なことだと受け止めた。グループの行動規範にも反しており、厳格な対応を取ることにした」としています。兼務していたリコー(親会社)の執行役員も辞任してますね。

「不適切な発言」でクビ、、、ってのもビミョーですね。不倫はあくまでプライベートな問題。しかし、この発言は人権問題、みたいな・・・。記事で気になったのは、「リコーに報道機関から問い合わせがあり問題が発覚した」の一節。またまた文春?記事で書きたてられる前に素早く対応した、ってことですかね。

文春オンラインには「文春リークス」なるコーナーがあって、「あなたの目の前で起きた事件を募集」してるんですよね。日本を代表する外部通報システムになっちゃったかも。

トライアイズ(旧ドリームテクノロジーズ) 代表取締役を解職

かなり前の話になりますが、トライアイズは10/18、「代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表しました。タイトルが「異動」となってたため、まったく気付きませんでしたが、実態は代表取締役社長の解職であり、かなり問題があったようです。

トライアイズ

トライアイズはダム・河川などの水関連分野に関する建設コンサルタント事業、革製品などの企画・製造・卸売などを営むファッションブランド事業、米国内での不動産・証券投資を実行する投資事業と3分野に展開する企業グループです。

それぞれの事業に関連がなく。ここまでいろいろあった企業のようですね。旧社名はドリームテクノロジーズで、創業時はソフマップの関連会社だったみたいです。もともとはコンピュータの開発、設計、製作、販売を目的に設立された企業のようです。

社長を解職

内部通報制度を通じて、代表取締役社長及び故前代表取締役社長により海外出張経費の使用等に関して、適切とは言えない行為がある可能性がある旨の通報があったとのこと。これを契機として、同社及び監査等委員会において調査を行ってきたようです。

2017年から2019年の間、複数回にわたり社内規程を逸脱した経費の使用が発覚したと説明されていますが、それ以上の詳細情報が開示されていません。内部通報→社内調査で社長を解職するに至ったのはなかなかだと思いますが、もともと社内の権力構造は相当酷いものだったんでしょうね。問題はこれですべてが片付いてるのかどうか、です。

東亜建設工業 子会社信幸建設で組織的な不正行為

東亜建設工業は11/10、「社内調査委員会の中間報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。中間報告書というタイトルになっていますが、調査は概ね終了しており、これに再発防止策の提言の詳細が加わって最終報告に。つまり実質的な調査結果となっています。

不正の状況

2016年度から2023年度までの期間において判明した不正金額の合計額は 785百万円に及んだということです。子会社信幸建設で行われてきたこの不正は、①架空・水増し工事代金の支払及びキックバック、②領収書精算及び水増し代金の支払、③資金プール及び補填、といった類型に整理されます。

不正に関与した従業員は9名。取締役支社長に始まり、部長クラス2名、残りも課長や所長クラスです。一方、不正に関与した取引業者も10社に及んでいます。水増し工事代金の金額は合計で約7億9千万円、キックバックされた金額は合計で約4億2千万円だそうです。

不正を行った者の階層にしても、キックバックされた金額にしてもですが、かなり驚きの結果となりました。不正を主導した支社長はなんと、1億円程度のキックバックを得てます。その他の人物も含めて、まぁ、これ定番ですが、受け取ったキックバックはギャンブルや飲食・交遊費に費消したそうな。

親会社も

こんなふうに、完全に腐ってしまっていた子会社なわけです。ここまでズタボロなため、再発防止策の提言についてはより慎重に、時間をかけようということなんでしょうね。子会社のみならず、東亜建設工業の子会社管理についてもしっかりメスを入れないと。

株式会社タカミヤ(その2) 不正を行ったA社員とは?

昨日取り上げたタカミヤにおける社員による不正行為。なんともよく分からない内容でしたが、未入金となっているという金額は2,300万円とされていました。の割には同社株は結構大きく売られましたね。

A社員とは

開示では不正を働いた社員のことをA社員と呼んでいるのですが、この社員は営業職なんでしょうか。だとすると経理処理のためのシステム操作を自在に行っているのが不自然な感じがします。ただ、自分の数字のために悪さしたということであれば、会社としてのダメージは小さいかもしれません。

問題はこのA社員が経理担当者や経理担当の管理職だった場合です。自身にメリットがあると思えない見込み注文を売上計上する行為だとすると、背景にいろいろな力が加わっている可能性があり、会社組織としての問題という可能性もあります。

収益に対するプレッシャーが過大であり、経理担当者や経理部門が不正を働いたという構造です。もしそういうことであれば、類似事案が出てくる可能性も高くなるでしょうね。こうなると経営の問題、ガバナンスの問題がクローズアップされてくるでしょう。

と、まぁ、いろいろと勘ぐってしまうわけです。そんな不安を招かないよう、今回の事案について、もう少し株主に分かりやすく説明する必要があるのではないかと。

ちなみに、調査に時間がかかりそうだとしている理由は、昨年末に不正アクセスにより発生したシステム障害の影響もあるようです(この部分はちょっと読み飛ばしていました)。