ルーデン・ホールディングス 第三者委員会のメンバーが全員退任?

ルーデン・ホールディングスは10/30、「第三者委員会の委員の退任について」を公表しました。ルーデンコインやビットコインがいつの間にか消えてなくなってしまいました。みたいな事案でしたね。代表取締役が5億円の不明朗な出金をしたとして訴訟にもなっていました。

ルーデン・ホールディングス

同社は新築住宅の壁・天井などに抗菌性に優れたコーティングを施すハウスケアサービスおよび事業用ビルやマンションの管理・メンテナンスサービス、不動産開発などを展開する東証グロース上場企業でした。

全員退任

今年3月末から2回目の第三者委員会を設置して調査を実施してきたんですが、「委員全員の一致で委員を辞任することとしたい」という申し出があり、委員全員が退任。もちろんこれで第三者委員会も消滅ってことです。こんなん、これまで聞いたことないですね。まぁ、当初からこの事件なに?って感じで呆れてみてたんだけど。

そもそも妙な事件起こしたのは創業者の代表取締役。その後代表取締役も二度交代していましたが、9月末にも交代してたんですね。「代表取締役及び取締役を辞任したい」旨の申し出があったそう。みんな逃げてく。

新たな代表取締役にも逃げられ、第三者委員会にも見放されたルーデン・ホールディングス。おそらくもう後がないんだろうね。代表取締役自らが不正に走る企業、、、アマナに続く消滅企業として、最右翼に居る企業かもしれません。

ペッパーランチ 食中毒発生でハンバーグメニューの販売を休止

ペッパーランチ(運営会社はホットパレット社)は10/29、複数の店舗で利用客が相次いで体調不良を訴えたことを受けて、すべてのハンバーグメニューの販売を休止することを発表しました。10/14~10/22までの間にハンバーグメニューを食べた顧客で、下痢・嘔吐等の症状が確認されといいます。

ペッパーランチ

ペッパーランチはもともと、いきなりステーキの運営母体であるペッパーフードサービス(上場企業)の傘下にあったお店なんですね。2020年にその傘下から離脱して、今の運営母体のホットパレット社(こちらは未上場)の傘下に。

ホームページの「ペッパーランチの美味しい食べ方」というのを見てみると、ペッパーライス、ステーキ、ハンバーグ、いずれも生肉を提供しており、それを客がテーブルで焼いて食べるというスタイルになっているようです。最後にしっかり火を入れて出来上がり、のところを客に任せているわけで、食中毒のリスクは上がりますよね。

過去にもO-157が

調べてみるとペッパーランチでは2009年8月にも食中毒事故を起こしています。この時は7都府県の7店舗で、「角切りステーキ」を食べた11人が病原性大腸菌O-157に感染しています。客が自ら焼くことで、店舗オペレーションを簡略化するというビジネスモデル。この時そのリスクを認識したはずなのに。

当時は他にも、店長らによる女性客への拉致監禁暴行事件や、求人広告会社の社員への暴行事件なども起きていました。たいしたお肉じゃないのに食べるからには命がけ。そんなお店、行く?

株式会社アマナ(amana) 第三者割当増資の実施後に

株式会社アマナは10/26、「第三者割当等・・・の実施」(タイトル長すぎなのでここでは割愛)を公表しました。度重なる不正・不祥事で業績を悪化させ、完全に信頼を失ってしまった同社ですが、とうとうその最終章が始まりました。

公表されたのは

長くなるので思いっきり端折ります。この日公表されたのは、Infinity brand capital を割当先とする第三者割当増資の実施。自社の株主を割当先のみとするため増資の実施後に株式併合を行うとしています。で、一般株主が保有する株式は1株22円でスクイーズアウト(強制買い取り)するということです。

公表日の同社株終値は307円。10月はだいたい300円を挟んで小動きでした。上記の公表を受け、同社株は急落し、10/27には227円のストップ安、10/30もストップ安で147円。日中はまったく値段が付きません。公表までに売った株主は100株で約3万円を手にしましたが、このままいくと100株が2千2百円になってしまいます。

まぁ、破綻した企業の最後ってこんなもんだし、今もこの株に投資している人はそれくらいのリスクは承知の上(その分低位にある株価は乱高下するので儲けやすかったりもします)。ってことかもしれませんが、しかし、酷い話ですね。

当ブログでは同社も含め、こういった不正や不祥事を取り上げていますが、お読みいただいた方は是非こういう企業の最期に付き合わされることのないよう、、、お願いします。

愛知製鋼 特別調査委員会から調査報告書を受領?

愛知製鋼は10/20、「特別調査委員会からの調査報告書受領のお知らせ」を同社ホームページでひっそりと公表しました。4か月前の5/17には、「当社の一部鋼材製品における長さ公差外れ 出荷に関するお知らせ」を、これまたホームページでのみお知らせという形で公表していたんですね。まったく知らなかった。

愛知製鋼

愛知製鋼は主原料である鉄スクラップと、ニッケルなどの合金鉄から特殊鋼を製造販売する企業。電磁品の製造販売も行う東証プライム上場企業です。トヨタ系で2023年3月末時点のトヨタ自動車の議決権所有割合は24.0%。またまたトヨタ系です。

不正の概要

同社知多工場で製造した特殊鋼鋼材の一部につき、顧客の要求仕様である鋼材長さ公差(-0+40mm 以内)に対し、(-0+60mm 以内)と上限を超える鋼材を出荷していたということです。彼らは「公差外れ」と呼んでいますが、要するに顧客が要求する規格を外れた製品を出荷していたということ。

調査の結果、知多工場のほかにも刈谷工場でも同様に、規格外製品の出荷があったことがわかったということです。調査委員会は「重大な法令違反などはない」と結論づけたそうな。役員5人がそれぞれ月額報酬の30%分を3カ月分返納するらしいけど。

発覚時、特別調査委員会の設置時、調査結果と役員処分に至るまで、一切の適時開示はなし。ホームページのお知らせのみという徹底ぶり。これがトヨタ流、ですかね。

大日本塗料株式会社 連結子会社で検査不正 JIS マーク表示の一時停止

大日本塗料は10/26、「当社連結子会社における不適切行為及び JIS マーク表示の一時停止等について」を公表しました。同社の連結子会社である岡山化工株式会社において、社内で定めた検査規格に係る検査値の改ざん等の不正行為が判明したということです。

大日本塗料 岡山化工

大日本塗料は防食・重防食技術をコア技術としてあらゆる塗料分野に展開する塗料メーカー。主力の塗料事業のほかに照明機器事業、蛍光色材事業も手掛ける東証プライム上場企業です。塗料業界では売上高第5位の企業ですね。ちなみに岡山化工は資本金8,000万円の100%子会社です。

不正の概要

JIS に係る認証を受けた製品について、社内で定めた検査規格から逸脱した検査結果が得られた場合に、当該検査結果を規格値内に収まるように改ざんするなどして出荷していたということです。例によって同社は不適切行為と言ってますが、立派な検査不正です。10/26付けでJIS マーク表示の一時停止の通知を受けています。

この件が発覚したのは、「社内コンプライアンスアンケートにて社内手続違反に係る不適切行為の疑義が生じた」ことから、としています。これも内部通報制度の一種ですね。「本件の重要性に鑑み、より客観性・独立性を高めた事実解明を行うための対応を検討」しているといいますから、近く調査委員会が設置されるんでしょう。