シキボウ 今度は海外子会社で火災

8/27に連結子会社である株式会社シキボウ江南において火災が発生したばかりのシキボウ。今度はインドネシア子会社 マーメイド・テキスタイル・インダストリー・インドネシア で火災が発生しました。9/8のことです。9/10までに第2報までが公表されています。

事故の概要

9/8、午後3時15分頃(日本時間)に火災が発生。インドネシア共和国東ジャワ州モジョケルト県というところにある会社らしいです。前回のシキボウ江南における火災は、1時間半ほどで鎮火していましたが、今回の火災は鎮火まで5時間を要してます。最終鎮火の確認に至っては12時間以上かかってます。

消防の消火能力や鎮火の定義などが日本とインドネシアでは違うのかもしれませんが、今回の火災はそれなりに大きなもののようですね。工場の紡績部門の原材料倉庫付近から出火とだけ説明されています。

人的被害については今のところ確認されていないとのこと。物的被害については、今のところ建屋の一部に損傷が確認されているようです。周辺地域への影響については、現在調査中としており、発生原因についても同様。この会社の開示も非常にアッサリしたものですね。

まぁ、火災発生から二日目、第2報の段階ですからしょうがないですか。ただ、同社はTDnetでの開示をしっかりしています。これは評価できますね。

しかし、シキボウ江南の火災も発生の原因がよく分かりませんでしたが、今回の火災もなんで「紡績部門の原材料倉庫付近から出火」なんでしょうね。普通、火の気があるような場所ではなさそうですもんね。タバコ?、放火?

株式会社 アイ・テック 第三者調査委員会の中間調査報告書

役員及び従業員の不正行為(キックバック)を調査していたアイ・テックは9/8、「第三者調査委員会の中間調査報告書(要約版)の公表に関するお知らせ」を公表しました。この件、検察による捜査が進行中のため、物証のほとんどが押収されており、ヒアリング調査が中心のようです。

調査の結果

物証やデータ保全の対象となる機器のほとんどが検察に押収されているため、デジタルフォレンジック調査もできず、同社の役職員及び関係者へのヒアリングに依拠した調査結果だとしています。

行為者は取締役1名と従業員2名(うち1名は退職済み)。行為の期間は2008年ごろから2021年6月までの間で、舞台は東京支社です。2008年から2013年までの間は、どうやら別の役員も絡んでいたようですが、この役員が2014年に死去しており、この間の不正行為については、今回開示された調査報告書では触れられていません。

ということで、2014年以降の行為にフォーカス。取締役と従業員は共謀のうえ、鉄骨工事請負の下請け先である現場施工業者をしてアイ・テックに工事費用を過剰に請求させ、当該現場施工業者が支払いを受けた工事費用からキックバックを受けていました。

当該従業員へのヒアリングによると、現場施工業者に対する工事費用の過剰支払総額は、680,800千円。現場施工業者より受領したキックバックの総額は278,300千円だそうです。キックバックとして受領した金銭はゼネコンへの接待にも使われていましたが、当然私的に流用もされています。

結構な金額ですね。これに2008年からの数年間、別の役員が絡んだキックバックも上乗せされると凄いことになりそうです。2014年に亡くなったのは専務取締役東京支社長みたい。東京支社が舞台ということで、もう一人の取締役も大体分かってきますね。

パナソニック 施⼯管理技⼠等の不正取得(その2)

実務経験の虚偽による施工管理技士等の不正取得を公表したパナソニック。グループで500人以上が不正取得していました。今日は8/31に公表された同社グループの再発防止策についてです。

資格取得を過度に重視しない適切な人事制度の構築

施⼯管理技⼠を昇任要件とし、役職上の優遇措置や経済的なメリットを与えるような人事制度を設けていたことが不適切な資格取得の背景となっていた。ということで、こういう再発防止策が出てきたようです。

しかし、この国家資格が突然価値がなくなってしまったかのように映ってしまう制度変更ってどうなんでしょうね。この資格が求める経験や知識、スキルには何の変化もなく、引き続き重要な資格なんじゃないでしょうか。社内で自己矛盾起こしてしまわないですかね。

資格を取る意味を浸透させ、資格という形だけにとどまらない技術者の成長を促していく態勢が必要だと思います。

コンプライアンス意識の向上と教育の徹底

再発防止策には必ず入っている項目ですね。ところがこの中に、「外部有識者を講師として招く等の方法により、定期的にコンプライアンス意識を向上させるための研修・教育を行ってまいります。」というのがあります。

コンプラが破綻するとき、会社や事業所が持つ独特の伝統やしきたりのような要素が強く働いてるものです。そうした会社独特のカルチャーみたいなものを知らない外部講師を呼んでもしょうがないんです。最大公約数的な退屈な話を聞かされるだけ。

外部講師を呼ぶ企業は多いですが、これこそコンプラやガバナンスにおける「現実逃避」でしかありません。パナソニックの再発防止策、以上2点が気になりました。

三菱電機 今年公表した不正を整理してみた

三菱電機は9/1、「当社 UL489 遮断器の第三者認証定期検査に関する件」を公表しました。福山製作所が製造する低圧遮断器の一部であるUL489 遮断器(主に機械装置向け)で、認証機関による検査時に不正行為があったということです。

例によって、「対象製品は全て出荷前に別の検査をしており、安全性に問題はない」ということのようですが。

2021年のまとめ

5月7日  当社電磁開閉器における第三者認証登録内容に関する件
6月30日 当社鉄道車両用空調装置等の不適切検査に関する件
7月30日 業務用空調・冷熱機器ご愛用のお客様へのお詫びと点検のお知らせ
8月17日 当社72/84kVキュービクル形ガス絶縁開閉装置の不適切検査に関する件
9月1日  当社UL489遮断器の第三者認証定期検査に関する件

開示された文書のタイトルを並べてみました。検査不正に関する話題、今年に入って5件目ですね。毎月出てきてる。

このあとは

品質に関わる不正行為について、三菱電機ではこれまで3回(2016年度、2017年度、2018~2019年度)にわたり、同社および同社子会社の点検を実施してきています。にもかかわらず、今年に入ってこれだけの不正が出てくるんですね。

鉄道車両用空調装置等の検査不正については、今年9月に調査結果と再発防止策を公表するとしていました(7/2時点では)。が、その後もこれだけ出てくると、、、かなり予定が狂ってしまったでしょう。さてさて今月中にまとまりますやら。

スガイ化学工業 福井事業所で火災事故

スガイ化学工業は9/3、「当社福井事業所における発火事故発生に関するお知らせ」を公表しました。9月3日(金) 13時頃、福井県福井市の福井事業所F2-B工場で発火事故が発生したとのこと。発火事故と火災事故ってどう違うんでしょうね。

スガイ化学工業

スガイ化学工業は、医薬・農薬・機能性化学品の3つの分野を柱に各種中間物(原料から染料・医薬・農薬・合成樹脂などの化学製品を作る過程で合成される化合物)や界面活性剤などを製造し、医薬品メーカー、農薬メーカー、日用品メーカーなどに販売する企業。本社を和歌山市に置く東証2部上場企業です。

事故の概要

「火災につきましては、既に消火済みであります。」と書かれているのでやはり火災事故なんですね。人的被害については、社員2名が負傷したとのこと。物的被害や発生原因については、現在精査中としています。

業績への影響についても、現在精査中。この開示ではほぼ何も分かりませんね。ちなみに同社のホームページで、福井事業所のF2工場というのは、医薬中間物専用工場と説明されていました。

和歌山事業所でも

この会社けっこう頻繁に事故起こしてるみたいです。2018年2月には和歌山事業所で、ベンゼンを貯蔵しているタンクから出火したという事故。2020年10月には同じく和歌山事業所でガス漏れ事故が発生していて、この時は社員4名が負傷しています。

この過去二回の事故に関しても、同社の開示は非常にアッサリしたもので、どのようにして事故が発生したのか、とか、原因の究明や改善対応なんかには一切触れていません。だから、事故、繰り返すのね。