ENEOSホールディングス 社長を解任 2代連続セクハラで

ENEOSホールディングスは12/19、「社長等の処分および異動について (代表取締役の異動等)」を公表しました。役員3名が参加した懇親の場において、社長が酔った状態で同席していた女性に抱きつくという不適切行為があったためだそうです。やれやれ。

ENEOSホールディングス

ENEOSホールディングスはエネルギー、石油・天然ガス開発、金属の3つの事業を中核とする国内首位の石油元売りグループ。原油・天然ガスや銅鉱山の権益を所有する東証プライム上場企業です。

不適切行為

社長が酔った状態で同席していた女性に抱きつくというセクハラで解任。同席していた同社コンプライアンス部門のトップである副社長はこのセクハラが起きてしまったことの結果責任を問われ、辞任勧告を受け辞任。同じく同席していた常務執行役員も、性別役割分担意識を窺わせるような不適切発言をしたとして役員報酬の減額となっています。

この事案、11月末に寄せられた内部通報をもとに社内調査を行い黒判定となったようです。同社では2022年にも最高経営責任者(CEO)が那覇市の飲食店で、接客をしていた女性に対して「不適切な言動」があったとして辞任しているんですね。

どうも女性関係への規律が緩い会社のようですが、起きてしまったセクハラに対しては毅然な対処をしています。ん~、どう評価していいもんだか。

アルデプロ 会長、社長が辞任 他役員も報酬減額

アルデプロは12/15、「代表取締役の辞任、取締役・人事の異動ならびに役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。社外調査委員会による調査結果が9月末に公表されており、経営責任の明確化を図るため代表取締役社長が辞任するとしています。

アルデプロ

アルデプロは有効活用されていない中古マンションや商業ビル、オフィスビルなどの不動産を自社で取得し、再生・販売する再活事業と、旧耐震ビルの権利調整を手掛ける再開発アジャストメント事業を展開する企業でしたね。連結の範囲等の判断により、売上と計上して良いのかどうか、みたいな話でした。

調査結果

調査結果報告書は全176ページ。肝心なところがあちこち黒塗りされていて上手く読み進められず戦意喪失、正直言うと読めていません。すみません。

さらに、ネット情報などから、やはり同社が地上げのようなことをしていたんじゃないか、みたいな話もあり、あまり近付かない方が良さげだなぁ、という感触を持ったためです(過去にブログで取り上げた企業の弁護士からクレームが来たこともあり)。

まぁ、それでも代表取締役社長が辞任することになり、併せて会長も辞任するということでしたので取り上げてみました。ちゃんと改革しようとする意思はありそう、、、というふうに感じたもんですから。しかし、よくよく見ると、会長と同姓の専務取締役執行役員(年齢からすると 多分会長のご子息)が残られるようです。これ、本気で改革始めれるんかなぁ。辞めたといっても会長大株主だし。

株式会社タカミヤ 従業員の不正行為 調査結果を公表

株式会社タカミヤは12/14、「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。同社従業員1名が架空売上の計上を行っている疑義が発見されたという事案で、社内調査委員会で調査していました。

調査結果の概要

タカミヤは建設用仮設機材などの製造、レンタル、販売を行う会社でしたね。従業員が架空の売上を計上し、その後もそれを取り繕うための会計操作を繰り返していたというもの。当初の開示では詳細がよく分からず、当該従業員に対する過度なプレッシャーがあったのでは?とか、上席者等の関与があったのか?、取引先からのキックバックは?・・・といったことが懸念されました。

今回の調査結果では、収益獲得のための上席からの過度なプレッシャーは確認できなかったとのこと。他にも、その他の従業員の関与もなく、取引先からのキックバックも認められませんでした。類似の不正行為等も見つかっていません。調査結果を信じる限り、同社としては最小限の不正で済んだということですね。

調査結果ではその動機を、「自らの過去の経歴等より一定の業績を残さなければならないという当該従業員自身の自負心より、従業員自身で追い込み、本件不正行為に及んだもの」とされています。

実績をあげてきた従業員って、ときにこんなふうになっちゃうんですよね。できる社員という自身のプライド(ブランド)を維持するためでしょうか。kuniも自分の会社でこういう事案を経験したことがります。

国民の厳しい声に真摯に耳を傾ける?

自民党の各派閥で集めたパーティー券の購入金がキックバックされ、各議員の懐に入っていた件。この金に関して政治資金収支報告書に記載されていなかったことに対して大炎上。多くの閣僚が辞任する顛末となりました。12/13のキッシーの記者会見で使われた表現に違和感が・・・

国民の厳しい声

政治資金収支報告書に記載されてないということは、それ、裏金ってことでしょ。という声であって、この声は当たり前の声。厳しい声ではありません。厳しいと感じるのは、「そんなこと皆普通にやってきたんだから、そんな厳しいこと言わないでよ」という本音があるからですよね。

本来なら「国民の当然の声」であり、厳しい声ではないと思うんですよ。安倍派の閣僚4名が辞任ということになってるようですが、これも当たり前。政治家として、してはならない法令違反をしてきたわけですから。

自身の懐に入るお金、それも非課税で。そういう政治家が国民の税金を議論しているわけです。そう考えると、先日清水寺が決めた今年の漢字が「税」というのは一層刺さりますね。

元総理大臣だった麻生氏が、「政治家が金持ちで何が悪い?俺は金に苦労してないから悪いことをする必要がないんだよ」みたいなことを言ってたんだけど、これはまさに名言です。麻生さん自身は大丈夫かどうか知りませんが。

ID&E ホールディングスと子会社日本工営(その2)

先日書いたID&E ホールディングスと子会社日本工営の第二弾。不適切行為というか不正が行われたことについては子会社のホームページでお知らせし、上場企業である親会社は一切開示なし。逆に子会社で新しい事業に参入みたいな場合は、親会社が開示してアピール。こういうのって皆さんどう感じてます?

投資家にとっての透明度

事故や不正が発生しても、大手のメディアがあらためて取り上げない限り、子会社のホームページでは気付きません。今回のように上場親会社が持株会社の場合は特に、不正が起きたのは最重要子会社というか、こないだまで上場してた企業です。同社の株主にしても親会社の開示情報は入ってくるけど、子会社までは、ってことになってしまいます。

つまり、投資家や株主にとっては情報を知るためにもうひと手間が必要になるわけで、情報開示の透明度が下がってしまうということだと思うんですね。今回の親子上場の件における東証から上場企業への通知文でも、「(開示事項が)投資判断上重要であり、投資家との対話の出発点となる」と書かれているそうだし。

ネガティブな情報もしっかり

投資判断に重要なネガティブ情報もしっかり上場会社が開示するよう、東証から指導等があっても良いのでは?と思うんだけど、ただ、これやると、東証上場の超エクセレントカンパニーが主に指導対象になっちゃうのよね。TOYOTAとかね。