GMOインターネットグループ 政府に「能動的サイバー防御」の適用を求める緊急要請

GMOインターネットグループは、FX取引に使うサーバーが不正アクセスを受け、利用者の口座で“身に覚えのない取引”が実行されました。これを受け、同社は政府に「能動的サイバー防御」の適用を求める異例の緊急要請に踏み切りました。

能動的サイバー防御とは今月1日から運用が始まった制度で、サイバー攻撃の被害が発生する前に警察や自衛隊が攻撃元のサーバーに侵入して無害化させる措置です。非常に前向きなアプローチではありますが、実務上ではプライバシーへの配慮や国際的摩擦のリスクも伴います。攻撃元への直接的な介入は法的制約があるため、導入にあたっては慎重な運用と法令遵守が求められます。

スピード感に欠ける日本の政府や行政を巻き込んだこの対応、どこまでの成果を得られるのか、が注目されます。日本の公的機関や企業等を攻撃対象にすると厄介なことになる、という結果を示すことができればいいのですが。

ケンカを売ったら簡単にひれ伏す国ではなく、逆に倍返しでボコられてしまう国。という実績を積んでいこうというわけですね。今回の事案、まさに今後に向けた試金石となります。

国内企業への不正アクセス 中国系AIインフラ悪用か

GMOの子会社、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社は2026年10月19日、日本企業への不正アクセスに使われた攻撃元インフラを調査し、自律型ペネトレーションテストツール「ARTEX」の使用を確認したと発表しました。「ARTEX(アルテックス)」は中国系のツールだそうです。

同社のホームページのブログ(https://gmo-cybersecurity.com/blog/20261019/)で「相次ぐ不正アクセスの攻撃元の多くがAIであることを確認」という投稿で紹介されています。新たな事実が判明次第、情報を更新するとしていますので、今後も要チェックですね。

この攻撃元インフラはほぼ日本のみを標的としているようで、今回調査した限りでは、日本企業約20社を標的としており、そのうち9社は同業種のサイトだったとのこと。国と業種を絞った攻撃キャンペーンを行っており、キャンペーンごとに別の攻撃用ホストを用意して攻撃を実行してきているそうです。

中国やロシア、北朝鮮などは、サイバー攻撃による外貨獲得を国有主力産業としている、と言われますが、今回もその一環なんでしょう。この領域ではなめられたらお終い。わが国でもホワイトハッカーの育成にしっかり予算付けてほしいものです。

KADOKAWA ランサムウェアの身代金を支払ったの?

ランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃を受けたことを公表したKADOKAWA。今も混乱は続いているようで、特設ポータルサイトで6/22、「一部報道について」を公表しました。NewsPicksが報じた、「ハッカーが要求する『身代金』の全容」という記事に対するもののようです。

NewsPicks(ニューズピックス)

NewsPicks(ニューズピックス)は、日本のソーシャル型オンライン経済メディア、ニュースサイトで、創業は2015年4月なんだそう。株式会社ニューズピックス(株式会社ユーザベースのグループ会社)が運営しています。ユーザベースは昨年上場廃止となった企業ですね。

記事の概要

記事では、「KADOKAWAは既に取締役会の決議を経ることなく身代金を払ったものの、犯人が追加の身代金を要求している」といったことが書かれているようです。問題はNewsPicksのこの記事の情報源が犯人側だということのようです。確かに犯人の主張により事実かどうかも分からず記事にされたんじゃたまりません。

KADOKAWAは「一部報道について」の中で、「サイバー攻撃を助長させかねない報道であり強く抗議するとともに、損害賠償を含めた法的措置の検討を進める」としています。が、ちょっと引っ掛かるのがこの抗議文の中で、身代金支払いの事実については否定していないんですね。身代金支払い自体が犯罪を助長するだけですし、矛盾した主張に見えてしまいます。本当に支払っちゃたんだろうか?

婚活アプリのネットマーケティング 不正アクセスで情報流出

株式会社ネットマーケティングは5/21、「不正アクセスによる会員様情報流出に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。昨日に続いてサイバー攻撃の記事です。同社サーバーへの不正アクセスで会員情報の一部が流出した可能性が高い事が判明したとのこと。

ネットマーケティング

ネットマーケティングはアフィリエイトなどの広告事業とメディア事業(恋活・婚活マッチングサービス)を手掛ける、2004年設立のこちらも若い企業です。2017年に東証JASDAQ市場へ上場してますね。2019年からは東証一部に昇格しています。

不正アクセスの対象となったのは、同社が提供する恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を管理するサーバーです。同社のホームページではこのアプリを次のように説明しています。「自分にぴったり、しっくりくる相手をみつける恋活・婚活アプリ「Omiai」。恋のその先に未来を描いた時、大切な相手を見つけたいと思った時に安心して利用できるサービスです。」

会員情報の流出

同社は2021年4月28日15時頃、サーバーが攻撃され、顧客の年齢確認書類の画像データに対する不正アクセスを認識、その後、外部専門会社の協力をえて調査を実施していました。

流出した可能性のある会員情報は、2018年1月31日~2021年4月20日の期間に、同社へ年齢確認審査書類を提出した、、、なんと、171万1756件分(アカウント数)の年齢確認書類の画像データだそうです。過半数が免許証の画像データのようです。クレジットカード情報は含まれていません。こんなに大勢のユーザーがいるのに驚き。

4/28に攻撃を受けたことを認識していながら、公表は5/21。でもって、「対象のお客様におかれましては、万が一身に覚えのない連絡や、心当たりのないコンタクトがあった場合、念のためご注意をお願いいたします。」。は、ないでしょ。初動が上手くいかなかった事例ですね。株価もストップ安です。

サイバー攻撃 鹿島建設 Colonial Pipeline 東芝テック

GW入り直前4/28に、鹿島建設の海外子会社が、外部からのサイバー攻撃の被害に遭ったことが報道されました。そしてGW終盤の5/7には米国石油移送パイプライン大手の Colonial Pipeline もサイバー攻撃を受けています。いずれもランサムウェアによるものです。

鹿島建設

ゼネコン大手の鹿島建設の海外グループ会社が4/28、ランサムウェアに感染したことにより、請求書などの内部情報流出を引き起こしていることが日経で報じられました。ランサムウェアによるサイバー攻撃は3月下旬に発生したもので、攻撃者はハッカー集団「REvil(レビル)」と名乗っているとのこと。

盗み取られた情報は全部で約130万件に及ぶといわれており、ダークウェブ環境にて、当該情報の一部を公開しています。合わせて、鹿島側に「情報の買取」を請求する書き込みをしているようです。

日本を代表するゼネコンの鹿島ですが、今回の被害に関しては一切開示していません。この姿勢、いかがなものでしょう。

Colonial Pipeline Company

Colonial は米国石油移送パイプライン大手。5/7(現地時間)、ランサムウェアを含むサイバー攻撃を受け、すべてのパイプライン操作を一時的に停止したと発表しました。

Colonialは米国で最大のパイプラインを運営しており、テキサス州やルイジアナ州にある数十の製油所で生成されたガソリンやジェット燃料などを、全米のタンクや空港、軍事施設に移送しています。今のところランサムウェアで何を要求されたかなどの詳細は明らかにしていません。

米連邦捜査局(FBI)は5/10(現地時間)、同社へのランサムウェア攻撃には、「Darkside」というハッカー集団が関わっていることを確認したと発表しました。この件にはロシア政府は関わっていないものの、攻撃者がロシア在住というエビデンスがあるとしています。

そして、5/14には東芝テックのヨーロッパ4カ国にある現地法人に対しても、Darksideがランサムウェア攻撃。金銭の要求がありましたが、応じなかったといわれています。サイバー攻撃が止まりません。