会社法改正と日本の貧国化?

ダイヤモンドオンラインで「『日本の貧国化』をさらに進める会社法改正案、絶対に通してはいけない理由」という記事を読みました。なかなか良いところをついてるなぁと感じたわけですが、ライターの方とはちょっと違う視点で考えてしまうんですね、株屋的な発想ですね。

これまでの20年間

記事ではこれまでの20年間について、こんなことが書かれていました。「資本金10億円以上の企業で見てみると、この20年で経常利益は3倍強になっているが、従業員の平均給与も設備投資も微減、売上高はほぼ横ばいである。そして配当は6倍以上になっている」

データの出所等については何も明かされてないんですが、このデータを信用しましょう。感覚的には腹落ちするデータのような気がします。要するに従業員への配分と設備投資を犠牲にすることで、株主への還元を強化してきた。そのため、日本が貧国化してきたとの主張ですね。

そして、今回の会社法改正は、こうした実態をさらに加速する恐れがあるので、成立させてはならないというご意見です。

しかし、ここからは

確かに会社法や昨今のガバナンス強化という流れが、株主の利益を増加させてきたのは事実でしょう。しかし、現在の日本企業は、犠牲にしてきた従業員と設備に対する投資を回復させる方向に、既に大きな揺り戻しが起きているように見えます。

働き方改革、最低賃金といった話題が盛んになってきていますし、サボってきた設備投資の付けが回ってきて、老朽設備やシステムの更新などが下支えする格好で、昨年度は9.4%の伸びを記録しました。今年度は若干低下すると言われていますが、それでも8.6%の伸びが予想されています(いずれも日経12/1記事より)。

株主への還元も高水準になってきた、設備投資も決して前向きではないかもしれませんが旺盛に。従業員への還元に対しても積極的になってくれば、「老後2000万円」効果で資産運用に回るお金もさらに増加するでしょう。kuniが考えるとこんな良いとこどりになってしまいます。やはり、日本は今「買い」ですね。

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