株式会社サーキュレーション 代表取締役が違法薬物所持で退任

株式会社サーキュレーションは4/20、「代表取締役退任の開示に関する経過報告及び新経営体制に関するお知らせ」を公表しました。4/18には「代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表していたんですが、その際の説明されていた理由は「一身上の都合により」ということでした。

株式会社サーキュレーション

株式会社サーキュレーションは、企業に対し様々な経験や知見を有する外部の専門人材を紹介し、経営課題の解決を支援するサービスを展開する企業。雇用契約を前提とする人材紹介などと異なり、外部の専門人材を準委任契約によりプロジェクト単位で活用できるそうです。設立からまだ10年未満という、東証グロース上場企業です。

違法薬物所持

代表取締役社長から4/18、「違法薬物所持の疑いにより捜査を受けたとの申出及び辞任の意思表示」があったということです。違法薬物というのは、大麻・覚せい剤・脱法ハーブ・危険ドラッグなどを指している言葉らしいのですが、今回の開示ではその詳細までは分かりません。

今のところ、「捜査を受けた」ということだけしか開示されていませんが、全く身に覚えのない捜査であれば辞任の意思表示、とはならんでしょうしね。しかしまぁ、とんでもない事件です。

同社としても開示の中で、「本件は前代表による業務外の私的空間における純然たる私的な行動」と言ってますが、世間の目はそう割り切ってはくれないでしょう。前代表は現在も同社の筆頭株主(33%を保有)ですので、当面はこれがどうなるか、が注目されることになりそうです。

公正取引委員会 IPO公開価格を巡りみずほ証券に対して注意

公正取引委員会は4/13、みずほ証券株式会社に対して、独占禁止法(優越的地位の濫用)の規定の違反につながるおそれがある行為として注意を行いました。新規株式公開(IPO)で、「公開価格」を設定する際、主幹事証券の優位な立場から一方的に低く値決めした行為がみられたということです。

「注意」の概要

みずほ証券は上場するみずほフィナンシャルグループの証券子会社です。問題視されたのは、2020年6月~21年5月に、IPOで主幹事を担当した21社のうちの2社。企業が他の証券会社から聞いた意見等を参考にせず、企業側の主張を下回る想定発行価格を提示するなどしたとのこと。

この2社は上場後の「初値」が公開価格の倍以上となり、公取委は「より多くの資金を調達できた可能性があった」と問題視しました。独禁法違反が疑われた場合、公取委は、違反の再発防止を求める「排除措置命令」、行為の取りやめを求める「警告」、違反はないが未然防止のため口頭で行う「注意」、の対応を取ります。今回はこの中の「注意」にとどまったということですね。

公開価格設定プロセス等に関する実態把握

実は昨年1月に公取委は、「新規株式公開(IPO)における公開価格設定プロセス等に関する実態把握について」という報告書を公表しており、今回のみずほの件はこの時点で把握されていたものと思われます。この昨年の報告書で、「今後は追及するぞ」としていて、今回はそれより2年遡った事案に対するもの。当然、「注意」ぐらいしかできません。

しかし、なぜこのタイミングで「注意」なんかわざわざ出したんでしょうね。昨年1月以降にあくどいことを続けている証券会社が、このあと挙げられるってことかもしれません。

ディーブイエックス(DVx)株式会社 社外取締役が社内規程違反で辞任

ディーブイエックス株式会社は4/11、「社外取締役による社内規程違反に関するお知らせ」並びに、「社外取締役の辞任に関するお知らせ」を公表しました。社内規程に違反して同社株を取得していたことが判明したため、取締役を辞任する旨を申し出たということです。

ディーブイエックス株式会社

ディーブイエックスは、心臓ペースメーカーをはじめ、不整脈関連の医療機器を輸入商社および国内メーカーから仕入れ、顧客である医療施設に販売する企業です。虚血性疾患向けの医療機器の仕入販売も手掛けています。東証スタンダード上場企業ですね。

インサイダーもどきで

この社外取締役は、2022年4月から2022年9月までの間に、社内規程に基づく事前承認手続きを経ることなく、同社株式を取得していたということです。親族名義でも買ってたみたい。

当該株式の取得については、法令違反行為に該当する事実は現時点で確認されていないものの、社内規程で定める売買禁止期間中の買付取引が含まれていたことから、今回辞任ということになったようですね。

当該買い付け期間の終盤、9月末から株価は反転上昇しており、絶好の買付けタイミングになってるような感じです。このままインサイダー取引に関しては不問で済まされるかどうかビミョーかもしれません(重要事実の有無など詳細までは調べていません)。

この社外取締役って、なんと監査等委員じゃないですか。総会資料をみると、「〇〇氏は、司法書士として企業法務に関する豊富な経験と見識を有しており、それらに基づく経営の監督とチェック機能を期待し、社外取締役として選任をお願いするものであります。」と書かれてます。なんともトホホな事案です。

株式会社ジオコード 調査委員会を設置 決算発表も延期

株式会社ジオコードは4/10、「調査委員会の設置及び 2023 年2月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。不適切な会計処理を調査するとともに、4/14に予定していた2023年2月期決算(本決算)の発表を延期することとしたということです。

株式会社ジオコード

ジオコードは、主に中堅・中小の企業ユーザーを対象に、Webマーケティング全般にわたる課題を解決するための各種サービスを手掛ける企業。SEO(検索エンジン最適化)対策やら、Web広告全般の運用代行サービスなんかをやってるみたい。ほかにクラウド型業務支援ツールの提供なども。従業員117名の東証スタンダード上場企業。上場からまだ3年も経ってない企業ですね。

事案の概要

決算作業の過程で、売上債権の延滞管理対象である一部の取引について、取引が未完了であるにもかかわらず、売上を不適切に前倒し計上している可能性を認識したということです。

売上の期間帰属の適正性に疑義が生じるものであり、事実関係の把握、取引状況の詳細及び財務諸表等に与える影響額の確認等を直ちに行いましたが、公正かつ透明性が担保された形で事実関係の実態を正確に調査・把握すべきであると判断し、調査委員会を設置したとのこと。

昨日取り上げたパスコは利益の先送りでしたが、こちらは売り上げの先行計上。こういう先行計上とか架空売上やらが常態化、みたいなことになってくると、同社の場合上場審査時はどうだったの?(そもそも上場して良かったの?)なんてことにもなりかねませんね。

今回設置された調査委員会は社外監査役を委員長とした社内調査委員会。大事に至らず、この面子で最後まで調査を完了できればいいけど。

プロルート丸光 雇用調整助成金を不正受給 返還額は2.6億円

プロルート丸光は4/3、「雇用調整助成金支給決定取消及び返還通知書の受領に関するお知らせ」を公表しました。昨年3月から大阪労働局による雇用調整助成金についての調査を受けており、最終的に不正受給にあたるとの判断がなされたということです。

プロルート丸光

プロルート丸光は、衣料品、服飾雑貨、寝具・インテリア商品などを、全国の衣料品店、専門店、チェーンストア、百貨店などに、前売り・セルフサービス方式で直接販売する総合衣料問屋です。東証スタンダード市場上場企業ですね。

不正の概要

大阪労働局の調査において、本来助成金の申請対象にならないはずの時短勤務後の就業や、休業日の出勤の一部についても申請対象としてしまっていた事実が認められるなど、不正受給にあたるとの判断がなされたとのこと。返還金額は、263,293,056円だそうです。

今回の開示では発生原因等の詳細は分かりませんが、「申請担当者が、自らの一存で少しでも多くの助成金が支給されるようにと考えていた(ため)」などという記述があります。どこまで調査した結果か分かりませんが、担当者だけを悪者にしてというこの感覚はいかがなものでしょう。

同社はこのところ赤字続きで株価も50円を割ってきています。今期末で債務超過になろうかという状況で、この2億6,000万円はデカいですね。同じ日に役員報酬の減額も公表されていて、同社としての責任も認めてはいるんですが、、、「申請担当者が、自らの一存で」、はないでしょう。