ITbookホールディングス 従業員の不正行為(横領) 調査結果

ITbookホールディングスは6/27、「調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」を公表しました。経理担当マネジャーがATM から現金を着服し、その行為を隠蔽するために、ATM からの出金が正当な処理と思わせる会計上の操作を行っていたという件の調査結果です。

結果の概要

2021年8月から2023年5月にかけて、同社の口座から、セブン銀行ATMでキャッシュカードを利用して合計6,750万3,300円を不正に引き出し、遊興費として費消していたということです。当然、発覚を恐れて、仮払金を不正に計上するなどの会計処理を行い、隠ぺい工作も行っていました。

もちろん行為者が悪いんだけど

当初公表されていた通りの横領額でしたが、発生に至る経緯が酷過ぎます。不正な会計処理により仮払金の残高が突如増大したことなどが何度か経理部の部長に相談されているんですが、同部長はまったく機能せず、2年間近く放置されてしまいます。

で、最終的に事が発覚したのが、同部長が当該キャッシュカードを使用しようとした際にカードがなく、初めて入出金履歴を精査したタイミングだったということです。このキャッシュカード、手提金庫に入れてあったということですが、施錠もされていなかったとか。

これって、どう見ても上場企業の管理レベルではありません。起こるべくして起きた不正行為であり、もちろん行為者が一番悪いんだけど、経理部の部長や、同部を管理する担当役員などの責任が問われてしかりですね。

こうして横領に関する調査は終わったようですが、同社では別途会計不正に関する疑義を特別調査委員会が調査しています。2023年3月期決算については、この調査結果を待って訂正するとしています。

東邦化学工業 「C9留分」と呼ばれる危険物約300リットルが川に漏れ出す事故

東邦化学工業は6/27、「当社四日市工場におけるC9留分の漏えい事故に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。2023年6月26日 17時頃、同社四日市工場の石油樹脂プラントで未反応 C9 留分が漏えいし、一部が河川に流出していることを確認したとのこと。

東邦化学工業

東邦化学工業は、界面活性剤を中心に樹脂、化成品、スペシャリティーケミカルの4つの製品分野で独自性豊かな化学製品を製造し、幅広い産業に向けて販売する企業です。1938年設立と、歴史はあるものの、従業員は670名で東証スタンダード上場企業。それほど大きな企業ではないようです。

事故の概要

生産設備(反応槽)内の C9 留分を抜き出す際、配管の接続部分より流出したといいます。大半は工場敷地内で回収しましたが、一部(約 300~400 リットル)が排水溝を通じて河川に流出したということです。河川へ流出した C9 留分はオイルフェンス及び吸着マットで速やかに回収作業を行っており、27日にも回収作業を完了する予定だとしています。

C9 留分、ってなに?

自社のホームページだけでなく、適時開示しているのは良いのですが、「C9 留分」って何なの? 普通こういう開示では、「C9 留分とはこういう物質であり、人体への影響は・・・」くらいの説明があってしかりじゃないかな。たとえ、説明しても分かりにくいとしてもです。

報道では、「C9 留分と呼ばれる危険物が」と言ってます。開示でそこ(危険物であること)を隠すってのはどうなの? たいした事故じゃないし、、、って経営が感じているとしたら、その時点で多くの方面から信頼失ってるよ。

日糧製パン 不正の概要が少しづつ見えてきた

日糧製パンは6/22、「特別調査委員会による調査進捗状況に関するお知らせ」を公表しました。会計処理の一部に誤りを発見した。とか言ってたら、特別調査委員会が設置され、不適切な処理が含まれている疑いが明らかになったと展開。今回の開示で不正の概要がやっと見えてきました。

発覚の端緒

なんだか知らんけど、小出しにしてきますねぇ。そもそも発覚の端緒は、代表取締役社長に対して、社内関係者とみられる匿名人物から「製菓工場の棚卸金額が物凄い金額粉飾されている。」などと記載された電子メールによる通報がなされたんだそう。

不正の概要

少なくとも一部の部門において、特定の部門長の指示のもとで、自部門の業績を良く見せるため、現場在庫の棚卸数値を過大計上するという不正行為がなされていました。当該部門においては、最低でも過去2年間にわたって不正行為がなされており、2023年3月末時点で過大計上と見込まれる金額は最大で約6,000万円に及ぶことが想定されるとのこと。

当該部門においては、特定の部門長の指示のもとで、実地棚卸すらせず、生産管理指標の目標数値から逆算する形で棚卸数値を任意に決定し、現場在庫の棚卸数値を過大に報告・計上していたということです。

「製菓工場」、「特定の部門長」と表現されています。製菓部門というのは、和菓子、洋菓子を指してるのかなぁ。そうであれば、売上の3割以上を占めていますし、その部門長ということだと、場合によっては取締役の不正行為に発展してしまうかもしれません。あと、「少なくとも一部の部門において」という書きぶりも気になります。

株式会社ヤマウラ 不適切な支出 さらに拡大 25億円?

株式会社ヤマウラは6/22、「社内調査及び第三者委員会による調査の進捗状況に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社から、少なくとも334百万円の不適切な支出が行われていたことを公表していましたが、その後の調査でその金額がさらに拡大しているようです。

不適切な支出

前回の開示では、「不適切な支出」と表現されていたんですが、その概要が明らかにされました。ヤマウラの経理責任者で東京の子会社の経理担当を兼務していた者が、当該子会社の資金を自身の子どもが経営している会社に不正送金していたということです。

不正に送金した先は少なくとも4カ所で、自分の子どもが代表を務める会社には3億3,400万円を、また、子ども名義の個人口座や子会社とは取引関係のない会社にも送金していたといいます。

さらに拡大

前回の開示では、銀行預金残高と帳簿残高の差異が10億円ということで、最大10億円の不正支出か?という感じでしたが、この金額も増えそうな感じです。期を遡るほど不正支出のデータが見つかっているようで、銀行から取り寄せた不正支出先への振込票の合計額は25億円であることが判明しているそうです。

さらにこれら以外にも疑義のある支出があるようで、25億円で済むのかどうか、ビミョーな書きぶりになっています。ヤマウラの経理責任者ってことで、かなりの経理処理等を任されていたようなんですが、どういう職位の人なんでしょう。しかし、まぁ、凄いことになってきました。

三栄建築設計 東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告

三栄建築設計は6/20、「当社に対する東京都公安委員会からの勧告及び代表取締役社長その他取締役の異動について」を公表しました。創業者である元社長が、暴力団組員に金銭を供与したとして、東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告を同日に受けたとのこと。

三栄建築設計

三栄建築設計は、「メルディア」ブランドの戸建住宅の施工・販売を主力とする不動産会社。首都圏中心に関西および中部エリアで展開しており、東京23区では木造3階建て住宅のリーディングカンパニーだそう。東証プライム上場企業です。

勧告の概要

創業者である元代表取締役が、同社の事業に関し、2021年3月25日、指定暴力団住吉会系の暴力団組員に対し額面約189万円の小切手を交付し、もって規制対象者に利益を供与したとして、東京都暴力団排除条例第27条の規定による勧告を受けました。

この創業者である元取締役は、この件が表面化した昨年の11月に既に退任されているんですが、現在も同社の筆頭株主(約49%を保有)みたい。この株どうするの、ってのは今後の課題ですね。

いまどき珍しいズブズブの関係

このての反社関連の事件って、もらい事故的な側面があったりするケースが多いんですが、三栄建築設計の場合はそうでもないみたい。開示文の中に、「創業者である元代表取締役が捜査の対象となった工事以外にその後も、同社の解体工事に当該暴力団組員を関与させようと考えており、そのための仕組みづくりを当該暴力団組員と話し合っていた」、なんてのが出てきます。こりゃ、ホンマもんの真っ黒反社ですな。