NTT西日本子会社 900万件の情報流出 第三者へも

日本経済新聞は10/17、「NTT西系元社員、個人情報900万件流出 名簿業者に渡る」と報じました。NTT西日本の子会社が委託した、別のNTT子会社であるNTTビジネスソリューションズの派遣社員が約10年間にわたり、顧客情報を持ち出していました。

NTT西グループでは発見できず

900万件にはNTT西日本の約120万件、NTTドコモの約7.2万件も含まれており、福岡県や愛知県豊橋市、小牧市などの個人情報も。上場企業ではWOWOWが約4万人分の情報流出を公表しています。他にも山田養蜂場の400万件やら、森永乳業の34万件なども聞こえてきています。まだまだ出てくるでしょう。

22年4月、流出を疑った顧客の依頼で社内調査を実施したが漏洩は確認できなかったそうです。この機会に気付けなかったのは痛い。今年7月に警察から問い合わせを受けやっと発覚したといいます。

NTTに開示なし

しかし、900万人は凄いねぇ。日本人の14人に一人の情報が漏れていたということ。過去最多は2014年のベネッセコーポレーションの3504万件で、今回のケースは過去4番目なんだそう。これだけ大きな事件なわけですが、親会社のNTTはなんら開示をしていません。NTT西日本がホームページで12万件の流出を公表しているだけ。

これって、自社グループの顧客に対する公表であって、900万件を持ち出した社員を雇用していた会社の開示ではありません。いかがなもんかと思いますよ。

妙に納得した話 みずほ証券エコノミスト 上野氏の説明

10/16付けの日本経済新聞に、「あり得る緩和への回帰」という記事がありました。日本においても今後金利が上昇するだろうという大方の見方に対して、異論を唱えたみずほ証券エコノミストの上野氏の意見です。

記事の前提

来年の春辺りには、、、との予想が多い日銀によるマイナス金利政策の終焉。さらにゼロ金利も解除するなど利上げを重ねることになると、変動型住宅ローンの基準金利までも上昇し始めるのでは?、というお話に対して、同氏が反論というか、別の切り口で意見されている記事です。同氏の解説をまとめると次のような感じ。

上野氏の指摘

「冷静に考えると、原油高は再生可能エネルギーへのシフトが続いていくと終わる。米利上げ・金利高止まりもいつまでも続くはずはないから、円安圧力もいずれ後退する。」さらに、「人手不足による物価高も続かない。人口減少は供給だけでなく消費など需要も減らすはずだし、供給面の制約も外国人労働者の受け入れ積極化や人工知能(AI)活用で緩和されうる」

はい、確かにその通りです。どうしても我々庶民は、目の前で起きていることに目を奪われがちで、中長期的に考えるとどうなんだ、という点を見失ってしまいます。米国の金利引き上げは気になるし、円安は物価高を引き起こして我々の生活を圧迫します。

けど、長い目で見れば、こんな状況はそう長くは続かないはず。という上野氏のご指摘。こんなふうに少し引いて、世の中を俯瞰できるようにならないとな、、、と思わされた次第です。

中央発條 爆発事故でトヨタ自動車が国内7工場で稼働停止

昨日取り上げた中央発條の工場爆発事故。従業員2名の負傷ということでしたが、思ってた以上に大きな影響が出ています。

トヨタ自動車

中央発條が製造するバネの部品調達が滞り、10/16から、トヨタ車体の2工場の稼働を停止したほか、10/17はトヨタ、トヨタ車体、豊田自動織機などで4工場が稼働停止し、カローラ』や『クラウン』、『プリウス』などを生産する6工場10ラインの稼働を止めたとのこと。さらに、10/18は岐阜車体工業も追加する予定ということで、あわせて7工場11ラインで稼働を停止することに。

第1報では

中央発條からの第1報では、「設備被害につきましては、事故が発生した乾燥炉および建屋の一部が損傷しております」としか発表されておらず、7工場11ラインが止まってしまうような被害状況には見えませんでした。これって、ネガティブイメージを増幅させないように、トヨタが被害状況を伏せさせたんですかね。

しかしそれにしても

まぁ、中央発條の被害が実はかなり大きかったとしても、事故発生の当日からあちこちで生産が止まってしまうって、どういうこと?車体の製造・組み立てには必須のパーツなのに、生産側にもユーザー側にも在庫がない?、別工場などでの代替生産という手段もない?

いやぁ、不思議です。報道を見ていても、「1年半の間に4回も稼働停止」みたいなのが多く、トヨタの工場稼働管理や、子会社管理を問題視するような記事が多いのも頷けますね。

中央発條株式会社 藤岡工場の第4工場で爆発事故

中央発條株式会社は10/17、「当社藤岡工場 第4工場事故に関するお知らせ」を公表しました。10/16の12:15ころ、愛知県豊田市の同社藤岡工場で爆発事故が発生し、2名の従業員が負傷したということです。

中央発條株式会社

中央発條は自動車用のばねとコントロールケーブルの専門メーカーです。主力のばねは、サスペンション向けの「シャシばね」、エンジンなどに使われる「精密ばね」を製造する、トヨタ自動車の持分法適用関連会社。名古屋市に本社を置く東証プライム上場企業です。若い人にはなじみがないと思うけど、「発條」ってバネのことね。日本発条なんかもそうです。

爆発事故の状況

怪我をされた方が2名ということですが、1名は軽傷のため社内での応急処置、1名については確認のため病院で診断、処置を受けたとのこと。設備被害については、事故が発生した乾燥炉および建屋の一部が損傷しているということです。原因については、現在消防および警察に協力し鋭意調査中だそう。重大な被害がなくて良かったです。

皮肉なことに

同社は事故の一週間前の10/11、活力に満ちた安全で働きやすい職場づくりに向け「健康宣言」なるものを公表しています。その中で、ゼロ災害に向けた「安全な職場づくり」についても高らかに宣言したばかり。何とも皮肉なタイミングでの事故となりました。

全銀ネット障害 送金255万件に影響

10/10から2日間、金融機関同士の資金のやり取りを担う全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)のシステムで障害が発生しました。三菱UFJ銀行やりそな銀行など10の金融機関で他行宛ての振り込みができなくなり、合計255万件の送金が滞りました。復旧したのは10/12です。

全銀ネット

全銀ネットはNTTデータにより1973年に開発され、これまで極めて安全性・信頼性の高いシステムとして順調に稼働してきました。その取扱量や加盟金融機関数等において世界に例を見ないシステムとして世界から評価されています。そのシステムでおそらく初めてとなる大規模障害だったんです。

他行あての振り込みなど一部の取引ができなくなる障害が発生したのは、三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、もみじ銀行、商工組合中央金庫の10行の銀行だそうです。

全ての銀行ではなく、上記の一部の銀行で発生していることから、全銀システムそのものではなく、そこから中継されるシステムで障害が起きたことが分かると思います。今のところ報道等では、「システムの不具合は、全銀システムとつなぐために各金融機関に2台ずつある中継コンピューターで起きたとされています。

事業者さんへの影響は

255万件の送金が滞ったということですが、企業の決済や給与の振り込みが集中する「5・10日」に発生していることもあり、事業者への影響は心配です。インフレで事業が行き詰っているような時世で、この障害が引き金になって会社をたたむことになった事業者さん、、、どのくらいあるんだろうね。