楽天 公正取引委員会が立ち入り検査 共通の送料無料ライン施策

このところどうも楽天がおかしい。と感じているのはkuniだけでしょうか。昨年には楽天トラベルでホテル側に最安値保証させたり、進出する携帯事業では基地局設置が遅れまくり。楽天ペイ・楽天カードではシステム障害が何度も発生しています。内部で何かが起きてるんでしょうか。

共通の送料無料ライン施策

2/10 公正取引委員会が、通販サイト「楽天市場」を運営する楽天の関係先を独占禁止法違反(優越的地位の濫用)容疑で立ち入り検査しました。楽天自身も立ち入り検査を受けたことを同日開示しています。

彼ら自身は「楽天市場における共通の送料無料ライン施策」と呼んでるんですね。一定額(3980円)以上購入した利用者への送料を、3/18以降出店者負担で、一律無料にする方針のことです。公取委がこんなふうに事前に検査に乗り出すのって珍しいですね。

先月、楽天ユニオンが公取委に独禁法違反での調査をl求めたからというのもあるでしょうが、公取委としてもこの件については違法性が高いと判断してるんでしょう。

事前に相談?

日経によると、楽天は今回の一律無料の方針が独禁法に抵触しないかどうかを、事前に公取委に相談していたといいます。公取委としては同法違反の恐れがあることを指摘したんだそうです。こんなふうに事前に相談して「ダメだ」と言われたにもかかわらず、事を進めるなんて普通考えられません。

どうしても進めたかったら、弁護士からリーガルオピニオン取って理論武装して進めるんじゃないかな。普通当局に尋ねたら、その結論に従うものです(実際には判断してくれず、違法性については御社で判断しなさいって言われることも多いですが)。公取委としては面子をつぶされたという感じかな。

この問題って、コンビニの24時間営業の件とよく似てますよね。プラットフォームやフランチャイズを利用する事業者が、とうとう反旗を翻したという構図。楽天にとって事業者は顧客のはずなのにね。楽天トラベルの時のように、検査受検を機に方向転換するんでしょうか。

大和ハウス 2億数千万円の架空発注

またしても、、、です。本当にこの会社多いですね不正・不祥事の類。東北工場勤務の課長が4年間にわたって鉄骨加工物件において2億数千万円の架空発注を行っていたというもの。2月7日付で当人を懲戒解雇し、刑事告訴も行ったそうです。

捜査当局に全面的に協力

全容究明に向けて捜査当局に全面的に協力する、とプレスリリースにはありました。第三者委員会とか設置しないんですね。。。ってよく考えたら、今年1月15日に外部調査委員会が設置されたばかりでした。当ブログでも取り上げた、施工管理技士の技術検定試験における実務経験証明書虚偽記載の件です。

同時期に外部調査委員会が2事案走ってます。ってのはシャレにならないからでしょうか。調べると、外部調査委員会、去年の3月、5月、今年の1月って具合にバンバン設置されてました。不祥事はこの委員会設置の数にとどまりませんけどね。あれ、よく見ると去年一時期2本走ってる期間あるなぁ。

当社取締役会の実効性評価の結果の概要について

架空発注の件、第3四半期の決算短信の開示に合わせて公表しているんですが、同時に「当社取締役会の実効性評価の結果の概要について」も公表しています。その中から一部抜粋しておきましょう。

「取締役会の構成、意思決定プロセス、業績管理等の取締役会の運営状況、社外取締役へのサポート状況、取締役の職務執行状況等を確認した結果、当社取締役会の実効性は十分確保されているものと評価しました。」  ん~、空しいねぇ。

度重なる不正・不祥事を受けて同社が新設した「法令遵守・品質保証推進本部」。同本部がしっかり機能したことで今回の架空発注も発見した、、、そういうことだったんでしょうかね。

ネットワンシステムズ 納品実体のない取引に関する調査 中間報告書

昨日、ネットワンシステムズは「納品実体のない取引に関する調査 中間報告書」を公表しました。調査の過程で、類似する不正(原価付替取引)が存在することが発覚したため、最終報告の受領は3/12に延期しますということです。掘ったら何か出てくるんですね。

中間報告ということで

中間報告書、まだしっかり読めていないところもあるので、要約の要約っぽく、まとめておきます。

  • 東日本第 1 事業本部 第 1 営業部 営業第 1 チームに所属するマネジャーA氏が本不正行為に係る取引(架空循環取引)を実行していた。
  • 同社において組織的に実行されたものではなく、全容を把握して架空の商流取引であることを認識していたのは A 氏のみであり、A 氏が単独で行っていたものであった。
  • 架空循環取引の名目上のエンドユーザーは中央省庁である(防衛省かい?)。
  • 同社のほか、情報システムに関する機器等の販売等を行う甲社、乙社、丙社、丁社及び戊社の 5 社(これらを併せて「当事会社」と呼んでいます)により繰り返されていた。
  • 当事会社の各担当者が A 氏と連絡を取り合い、本不正行為のために必要な書類をやり取りしていたことは認められるが、各担当者が、本不正行為が架空の商流取引であることを認識していた事実や、A 氏と共謀していた事実については、これまでの本調査においては判然とせず、現時点で認定するには至っていない。
  • 当事会社以外の複数の業者(「関与会社」と呼んでます)に架空発注されることがあった。すなわち、戊社及び同社の発注先である業者に対し、本不正行為によって支払われた金銭の一部が流出していると認められる。

気になるのは

ネットワンシステムズを含めると6社で循環。まだ1社明かされてない会社があるということ。他社の担当者と連絡を取り合い、不明瞭な資金のやり取りまであるのに、他社の担当者は巻き込まれただけと言えるのか。

上記では「金銭の一部が流出」とまとめましたが、毎月5000万円が支払われていたとの証言もあること。こんなところが気になるところです。もう少ししっかり読んでみようと思います。 (以上、速報でした。)

三菱電機 サイバー攻撃 防衛機微情報流出 パワー半導体

三菱電機の不祥事、まだまだ止まりません。一旦はなかったと宣言したはずの防衛省絡みの機微情報。一転してありましたとのこと。さすがに今回はマズイと感じたのか、8カ月間隠してきたパワー半導体の検査不正についても公表することとなりました。

機微情報

流出可能性のある情報として、防衛省の「注意情報」があることを 2 月 7 日に発見したとのこと。半年も前から対応してきて、つい最近見付けたとは。防衛省といろいろもめたんですかね、とにかく急展開です。

「流出した可能性のある当該情報の影響については、現在、防衛省がご確認されているところです。防衛省における全容解明に向け、ご指示に従ってまいります」。とニュースリリースの中で書いてますが、なんとも情けない一文です。ここまでのあらゆることをすべて防衛省に転嫁するかのようにも聞こえます。

防衛省も防衛省です。「漏洩したすべての情報は、取るに足らない情報でしかありません」、って言い切らないと。国を守るのが目的でしょうに。諸外国に対するハッタリも必要でしょう、一体何を考えてるんだか。

パワー半導体

こちらは8カ月間隠してきた検査不正。このタイミングで出てくるとねぇ。新人の自殺、パワハラ、サイバー攻撃に、機微情報の漏洩。これだけ重なってきて初めての公表です。ニュースリリースには、「本件の判明から公表までに約 8カ月もの時間を要し、深くお詫び申し上げます。」とあります。

起きてしまった不祥事に真摯に向き合うなら、まずは公表が優先されるはず。それをできない、腹をくくれない経営陣はいかがなものでしょう。ニュースリリースの処分の欄には、「本事案の関係者については、事実関係を踏まえ、当社規則に基づき、今後、厳正に処分いたします。」とあります。

本事案とは「公表せず隠ぺいを図った」という事実であると考えるべきで、、、であれば関係者とは経営陣でしかありません。

日鉄ソリューションズ 調査報告書(その2)

昨日書きました調査報告書の中から、気になるところをいくつか追記します。13日にはネットワンシステムズの決算発表が控えています。おそらくそこで架空循環取引の詳細が明らかになるんでしょうが、、、ちょっと先走ってみましょう。

最初の架空循環取引

日鉄ソリューションズの調査報告書では、最初に行われた架空循環取引は2014年6月に受注しています。売上への計上は同年12月です。今メディアで書かれているように、ネットワンシステムズが主導していたということであれば、この取引相手はネットワンシステムズでしょう。

以前当ブログでも書きましたが、ネットワンシステムズは同社社員の不正行為により8億円の被害を被る事件が起きています。循環取引ではありませんが、架空取引に対する架空外注費を払わせ、これを騙し取るという手口でした。この事件が発覚したのが2013年3月です。

3月8日に第三者委員会の報告書を受理して、適時開示も行っています。ということは2013年4月以降は、こうした不正行為をいかに未然防止していくのかといった、いわゆる再発防止策の実行時期になっていたはず。しかし、そこからわずか1年3か月後には新たな不正が始まっていたことになります。まったく酷いことになってますね。

ちょっと腑に落ちないこと

ネットワンシステムズの1回目の不正行為の際、「強い支配力を持つ行為者の行動については、治外法権として聖域化していた」と調査報告書に書かれていました。聖域化することで他のものを近づけないわけです。不正を働く者の常套手段と言っていいでしょう。

話を戻して今回の日鉄ソリューションズ。調査報告書の発生原因の中に、「秘匿性の高い取引先向けの案件であると説明されていたため」というのがあります。このように聖域化する必要があったのは、行為者が架空循環取引を認識して関与していたからでは?と思うんですが。