東邦ホールディングス 1億2,759万円の課徴金納付命令

東邦ホールディングスは3/24、「公正取引委員会からの排除措置命令および課徴金納付命令につきまして」を公表しました。独立行政法人国立病院機構が、九州7県の病院への医薬品納入のため実施した入札で談合があったという事件に対する課徴金です。

課徴金納付命令

この件に関して課徴金納付命令を受けたのは、同社子会社の「九州東邦」のほかに、「アルフレッサ」、スズケンの子会社「翔薬」、「富田薬品」、「アステム」の計5社で、その課徴金の総額は約6億2,700万円となっています。その中から今日、東邦ホールディングスブログを取り上げたのは、適時開示を最初に行っていたためです。

昨年3月にも

東邦ホールディングスでは、子会社の「東邦薬品」が昨年3月にも課徴金納付命令を受けています。独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札に関するもので、この時の課徴金の額は1億6,189万円(課徴金の減免額は30%)でした。ちなみに、「アルフレッサ」、「スズケン」もやはり課徴金食らってます。

課徴金減免制度

課徴金減免制度の目的(違反行為者に自主申告のインセンティブを与え、違反行為の調査を行いやすくする)から、今回も減免されている(やはり30%)のは理解するにしても、何度も同様の行為を繰り返す、懲りない企業に対しては、例えば減免金額を半減させる、などといった例外措置も必要なのではないでしょうか。

株式会社シグマクシス・ホールディングス 代表取締役増やし過ぎちゃった件

シグマクシス・ホールディングスは3/30、「(訂正)『代表取締役の異動(追加選任)及び取締役選任に関するお知らせ』の一部訂正及び取り下げについて」を公表しました。昨年、代表取締役を追加で選任したんだけど、やっぱりやめときます、、、ってお話のようです。

シグマクシス・ホールディングス

シグマクシス・ホールディングスは、企業の経営課題を解決するための、戦略の立案・策定から、ビジネスモデルの設計、事業運営基盤の設計・構築・導入などのコンサルティングサービスを提供する企業です。このほか、企業への投資事業も手掛ける、東証プライム上場企業です。

定員オーバー

上場企業でも、時々ビックリするようなミスを見ますが、この件も驚きです。同社では定款に、「2名以内の代表取締役を選定する」と規定しているんですが、3人目の代表取締役を選任してしまっていたというもの。

それも、昨年6月の株主総会やその直後の取締役会を経て、当時、常務取締役CFOだった方が代表取締役に選任されています。総会でも役会でも、、、マジで誰も気が付かなかったんでしょうか。さらに、そこから約9カ月間も。普通こういうのって、監査等委員の方が気付きそうなもんですけどね。

今回の開示での言い訳もイケてます。「2022年6月24日の代表取締役への選定決議後、当社を代表して具体的な取引行為や契約行為等を行っておりません。」、だそうです。代表取締役CFOなのに?

日本軽金属ホールディングス 検査不正の調査結果

日軽金は3/29、「当社グループの品質等に関する不適切行為に係る調査結果および再発防止等について」を公表しました。めちゃくちゃ時間かかりましたね。特別調査委員会設置から2年近く経過しています。

おさらい

グループ中核子会社である日軽金名古屋工場で製造及び検査に関連する不正が発覚し、その後、社内調査により日軽新潟株式会社、日軽形材株式会社、日軽蒲原株式会社においても同様の不正が立て続けに判明。「特別調査委員会」を設置する事態へと発展していました。

調査結果の概要

調査報告書によると、国内31社、56事業所について調査を実施し、その結果、18社36事業所において、合計214件(報告・公表に関する事案10件を除いた製造・検査等に関する不正は204件)の不正が明らかになったということです。半分以上の子会社、事業所で不正が行われていたんですね。いやいや、ここまで拡がってしまうとは。

もの凄いボリューム

今回開示された情報は、調査結果の概要等で5ページ。会社が取りまとめたその詳細と再発防止策で56ページ。特別調査委員会の調査報告書が205ページ。と、もの凄いボリュームです。ここまでしっかり調査したわけですから、これを機に良い会社になってもらいたいものです。

おまけ

今回の開示とは全く関係ないんですが、調べものしてたら、「駿河湾のサクラエビ異変 日本軽金属『令和の公害』問題」なる報道を見付けました。山梨県の雨畑ダムというところで、高分子凝集剤入り汚泥の大量不法投棄が・・・、みたいな。かなり大変そうな事案も抱えてるみたいです。

ダイダン株式会社 従業員の不正行為が発覚

ダイダン株式会社は3/28、「当社従業員らによる不正行為について」を公表しました。今年行われた税務調査の過程で、1月下旬に判明したということです。工事下請負業者と協力し、水増し又は架空発注を行った上でキックバックやら工事原価の付替えなどを行っていたとのこと。

ダイダン株式会社

ダイダンは、大型建築物の電気・通信、空調、水道衛生、防災設備を設計・施工する総合設備工事企業です。病院、オフィスビル、研究所、工場などを手掛け、日本武道館や関西国際空港旅客ターミナルビルなどの施工実績を有する東証プライム上場企業です。総合設備工事企業ってこの手の不正多いですね。

不正の概要

同社大阪本社に勤務する複数の従業員が、特定の工事下請負業者と協力し、当該業者に対して水増し又は架空発注を行った上で、その水増し又は架空発注額の一部をキックバックとして受領していました。また、同社が当該業者に対して発注する別工事の工事代金に充てる方法等による工事原価の付替えも行っていたということです。

この不正行為は、税務調査の過程で発覚したものであり、これを受け社内調査を行った結果、2015年3月期から2023年3月期までの期間において判明した同社の損害額は総額で約 173百万円になるとのこと。

社内調査委員会

事案の全容解明、原因究明、類似事案の調査及び再発防止策の検討を行うことを目的として、外部の弁護士及び税理士を含む社内調査委員会を2月9日に設置し、調査を進めているようです。調査期間は4月末日までの予定だそうですが、2023年3月期末の決算発表(5/11を予定)については、調査の状況等により、日程等を変更する場合があるとしています。

株式会社シンニッタン 高萩工場における火災発生

シンニッタンは3/27、「当社高萩工場における火災発生に関するお知らせ」を公表しました同社の高萩工場(茨城県高萩市)にて3/24、10時20分頃、火災が発生したということです。11時53分には鎮火を確認したということですので、大きな事故にはならなかったみたいです。

シンニッタン

シンニッタンは自動車部品、建設機械部品など鍛造部品や建設用機材、物流機器も手掛ける企業。大株主上位には東プレ、日本製鉄、日本パーカライジングなどがあります。小松製作所への売上高が全体の1割を超え、海外における売上高が全体の約3割を占めるんだそう。

火災の概要

1時間半ほどで鎮火したということで、人的被害もなく、大事には至りませんでした。「熱処理作業における機械の誤操作に伴い、油槽の油が引火」したというのが発生原因にあげられていました。油槽及び熱処理炉の一部が被災したとのこと。

鎮火から時間もあまり経ってないのに、「機械の誤操作」って原因特定できてるんですね。つまんないことだけど、開示文の冒頭、「2022 年3 月24 日(金)・・・」となってます。今年は2023年ですよ。

過去にも

何かで同社を取り上げたことがあったなぁ、と思ったら、2020年に「分配可能額を超過して剰余金の配当を実施してしまった」という事案でした。なんだか、雑というか、不注意というか、しょうもないミスの多い会社ですね。株価も250円台と低迷してるし、大丈夫かなぁこの会社。