デンカ株式会社 認証不正等が発覚 さらに持分法適用関連会社でも

デンカは5/29、「当社および持分法適用関連会社の樹脂製品における第三者認証等の不適切行為ならびに社外有識者による外部調査委員会の設置について」を公表しました。関連会社の方は、同社が筆頭株主として発行済株式の50%を保有する東洋スチレンという会社です。

デンカ株式会社

デンカは、電子材料をはじめとした高付加価値のファインケミカル製品を中心に展開する、三井系の中堅化学メーカー。セメントや医薬品、インフルエンザワクチンなどにも展開している東証プライム上場企業です。2015年に現社名に変更するまでは、電気化学工業株式会社という社名でした。

不正の概要

同社 ABS 樹脂の一部グレードにおいて、外注委託先の工場で本来必要となる UL (米国の第三者安全科学機関)工場認定を取得しておらず、UL 認証上不適合状態にあることが、同社監査により 2023年3月下旬に判明しました。現時点で、対象製品を使用した最終製品に関して事故等の報告は受けていないとのこと。

おそらくこのことが契機となり、グループ会社への横展開が行われ、東洋スチレンにおける不正が把握されたんだと思われます。

東洋スチレンでは、UL が定めている樹脂の難燃性能を示す規格に対して、登録時の組成を一部変更した製品を、UL への申請を行わずに製造販売していました。さらに、UL によるフォローアップ試験の際に、指定されたロットではない難燃剤を増量した材料で燃焼試験片を作成し提出していたことも発覚しています。東レで起きてた不正とまったく一緒やね。

こうした不正の発覚を受け、これらの事実関係の調査を徹底的に行い、原因究明と再発防止策の検討を客観的かつ実効的に行うため、社外有識者による外部調査委員会を設置することとなりました。

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