大日本塗料 不適切行為に関する第3報

大日本塗料は11/6、「今回の不適切行為の詳細に関するお知らせ(第3報)」を公表しました。工場火災等ではよく見る第〇報、検査不正に関する第3報って珍しいですね。特別調査委員会の調査が継続している中での中間報告的なもの。

不適切行為の概要

岡山化工での不適切行為の詳細について、それなりに問い合わせが来ているようで、同社が 2023年10月26日付けで公表した検査不正に関して、現時点で判明している事項について公表した、という事情のようです。この姿勢は評価できます。

行為の概要は、「JIS 製品の社内検査規格に係る検査値の改ざん・規格外品の出荷」とまとめられています。JISの3つの認証区分で計17種の対象製品において、比重値の規格外出荷および比重値の書き換え。光沢値の書き換え。粘度値の規格外出荷が行われていたということです。

大日本塗料本体は?

10/27付けで特別調査委員会が設置されているんですが、この開示改めて読んでみると、不適切行為の事実関係の解明、原因分析と再発防止策の提言とされていて、見る限り岡山化工の調査だけで、大日本塗料本体や他の拠点等は調査対象になってないようですね。

上記の通りかなりの対象製品で不正が行われていたことが判明しているのに、岡山化工の調査だけでいいんかしら?

愛知製鋼 特別調査委員会から調査報告書を受領?

愛知製鋼は10/20、「特別調査委員会からの調査報告書受領のお知らせ」を同社ホームページでひっそりと公表しました。4か月前の5/17には、「当社の一部鋼材製品における長さ公差外れ 出荷に関するお知らせ」を、これまたホームページでのみお知らせという形で公表していたんですね。まったく知らなかった。

愛知製鋼

愛知製鋼は主原料である鉄スクラップと、ニッケルなどの合金鉄から特殊鋼を製造販売する企業。電磁品の製造販売も行う東証プライム上場企業です。トヨタ系で2023年3月末時点のトヨタ自動車の議決権所有割合は24.0%。またまたトヨタ系です。

不正の概要

同社知多工場で製造した特殊鋼鋼材の一部につき、顧客の要求仕様である鋼材長さ公差(-0+40mm 以内)に対し、(-0+60mm 以内)と上限を超える鋼材を出荷していたということです。彼らは「公差外れ」と呼んでいますが、要するに顧客が要求する規格を外れた製品を出荷していたということ。

調査の結果、知多工場のほかにも刈谷工場でも同様に、規格外製品の出荷があったことがわかったということです。調査委員会は「重大な法令違反などはない」と結論づけたそうな。役員5人がそれぞれ月額報酬の30%分を3カ月分返納するらしいけど。

発覚時、特別調査委員会の設置時、調査結果と役員処分に至るまで、一切の適時開示はなし。ホームページのお知らせのみという徹底ぶり。これがトヨタ流、ですかね。

大日本塗料株式会社 連結子会社で検査不正 JIS マーク表示の一時停止

大日本塗料は10/26、「当社連結子会社における不適切行為及び JIS マーク表示の一時停止等について」を公表しました。同社の連結子会社である岡山化工株式会社において、社内で定めた検査規格に係る検査値の改ざん等の不正行為が判明したということです。

大日本塗料 岡山化工

大日本塗料は防食・重防食技術をコア技術としてあらゆる塗料分野に展開する塗料メーカー。主力の塗料事業のほかに照明機器事業、蛍光色材事業も手掛ける東証プライム上場企業です。塗料業界では売上高第5位の企業ですね。ちなみに岡山化工は資本金8,000万円の100%子会社です。

不正の概要

JIS に係る認証を受けた製品について、社内で定めた検査規格から逸脱した検査結果が得られた場合に、当該検査結果を規格値内に収まるように改ざんするなどして出荷していたということです。例によって同社は不適切行為と言ってますが、立派な検査不正です。10/26付けでJIS マーク表示の一時停止の通知を受けています。

この件が発覚したのは、「社内コンプライアンスアンケートにて社内手続違反に係る不適切行為の疑義が生じた」ことから、としています。これも内部通報制度の一種ですね。「本件の重要性に鑑み、より客観性・独立性を高めた事実解明を行うための対応を検討」しているといいますから、近く調査委員会が設置されるんでしょう。

サワイグループホールディングス 子会社沢井製薬で検査不正

サワイグループホールディングスは10/23、「当社子会社における特別調査委員会からの調査報告書の受領及び再発防止策に関するお知らせ」を公表しました。子会社というのは沢井製薬のことで、今年4月に不正が発覚。6月から調査委員会を設置して調査していたということです。

サワイグループホールディングス

サワイグループホールディングスは後発医薬品メーカー大手の沢井製薬を中核とする持株会社です。小林化工や日医工など、品質不正等が相次ぎました。ライバルの不正を受け、また、小林化工が撤退する際に製造設備等を買収するなどして成長してきたのが沢井製薬です。

不正の概要

不正があったのは胃潰瘍や急性胃炎向けの後発薬で、製造後3年が経過した薬のカプセルが胃の中で問題なく溶け出すかを調べる試験(溶出試験)だそう。なんと、カプセルに入っている中身を取り出し、別の新しいカプセルに詰め替えて試験していたといいます。はぁ、何を検査してるわけ?

報道では沢井製薬の社長の会見内容が伝えられているんですが、これがまた酷い。「(違うカプセルに)詰め替えをして試験してもよいという間違った認識が広がってしまっていた」、、、だそうです。製造後3年を経過したカプセルがちゃんと溶けるかどうかの検査ですよねぇ。こりゃぁ、もう、笑うしかないですね。

沢井製薬の企業理念、「なによりも患者さんのために」。この看板掛け替えた方が良いよ。

豊田自動織機 フォークリフト向けエンジン2種の認証取り消し

日本経済新聞は4/19、「豊田織機、エンジン2種の認証取り消しへ 排ガス不正で」と報じました。3/17にフォークリフト向けのエンジンについて、国が求める評価試験で排出ガスデータを差し替えるなどの不正があったと発表していましたね。国土交通省が同社のディーゼルエンジン2種について生産に必要な認証「型式指定」を取り消す方向で調整に入ったとしています。

豊田自動織機

豊田自動織機は、自動車事業と産業車両事業を主力事業とする企業です。トヨタグループの祖で、トヨタの大株主でもあります。自動車事業ではカーエアコン用コンプレッサー、産業車両事業ではフォークリフトを手掛けていて世界トップシェアだそう。トヨタの持分法適用関連会社です。

事案の概要

排出ガスデータを差し替えるなどの不正があったのは、3つのエンジン(ディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種)で、これらを搭載したフォークリフトは約16万台が販売済みとのこと。フォークリフトは国内出荷を停止し、一部車種ではリコール(回収・無償修理)を届け出ています。

この不正発覚後、国交省は同社に立ち入り検査を実施。ディーゼルエンジン2種の排ガス試験では、測定においてデータの改ざんがあったと認定。悪質性が高いとして、型式指定を取り消す方向で手続きに入ったということです。

またしてもトヨタの関係企業で・・・、って感じですよね。昨年3月、中大型のトラック・バスエンジンの排出ガスのデータを改竄していたとして出荷を停止、国土交通省がエンジンの型式指定を取り消した日野自動車も、やはりトヨタ自動車の連結子会社でした。ん~、やっぱりトヨタ、おかしくなっていってるよね。