ポールトゥウィン 子会社元取締役の不正行為 調査結果を公表

ポールトゥウィンホールディングスは9/14、「特別調査委員会の調査報告書の受領及び役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社において元取締役による不正行為疑惑が発覚した事案の調査結果ですね。9/8に予定していた決算発表も延期され、この日に一緒に公表されています。

調査結果の概要

結論からいうと、子会社HIKEが実施した初期調査において、疑義取引として識別されたもの以外に、調査委員会が新たに見つけた不正はなかったということです。元取締役による不正行為は計25件、総額 172,448千円と認定したとのこと。

ライセンス料等の権利取得金や、外注費に関する契約書等や請求書を偽装して、HIKEに支払わせ、当該支払金額を取得していました。支払った金額を元取締役に還流させる役割で、外部に2人の協力者がいたようです。

不正行為に及んだ動機

動機について元取締役は、「営業活動費用として接待交際費に充てて使用していた」と言っているようですが、調査報告書では次のように結んでいます。「HIKE のための営業等活動資金とする目的を有していたことは否定できないものの、飲食や遊興等の原資をねん出するため、自らの地位、権限、他社とのつながりを利用して、本件不正行為に至った可能性もあると考える。」

なんともグレーな結論ですね。いや、これ、結論じゃなくて推測です。こんな終わらせ方で良かったんでしょうか。

株式会社アインホールディングス 役員が不正行為で逮捕

株式会社アインホールディングスは8/31、「当社及び当社グループ会社役員の逮捕について」を公表しました。同社常務取締役で子会社であるアインファーマシーズの代表取締役社長と取締役1名が北海道警察に公契約関係競売等妨害罪の容疑で逮捕されました。

アインホールディングス

アインホールディングスは北海道に本社を置き、処方箋に基づき調剤を行う調剤薬局を多店舗展開。病院・診療所の近隣に出店する門前型(特定医療機関の処方せんを集中的に扱う)などを手がける企業です。調剤薬局業界で売上高首位の東証プライム上場企業です。

逮捕容疑

札幌市KKR札幌医療センターが2020年に発注した敷地内薬局の整備事業を巡り、調剤薬局などを展開するアインホールディングスが受注できるよう入札情報を漏らしたとして、元事務部長が公競売入札妨害の疑いで逮捕されました。

その入札情報に基づき落札したアインHDの100%子会社アインファーマシーズの代表取締役社長とび取締役1名も逮捕されたということですね。医薬品関係業界ではこの手の不正が毎年といっていいほど頻繁に出てきますが、社長と取締役が、っていうのはあまり聞いたことないかも。

株価は

この事件を受けてアインホールディングス株は急落。656円安でなんと12%超の下落となりました。事件発覚直後に同社は好決算を発表しましたが、さすがに株価の方は戻り切りませんでした。

ビジョナリーホールディングス (メガネスーパー) 特設注意市場銘柄に指定

ビジョナリーホールディングスは8/31、東京証券取引所より、監理銘柄(確認中)の指定解除がされるとともに、特設注意市場銘柄に指定されることとなったと公表しました。同時に、PwCあらた有限責任監査法人から監査意見を表明しないとの報告書を受け取ったことも。

おさらい

前社長が一部の業務委託先の意思決定に影響力を及ぼし、ビジョナリーに不当に過大な費用を請求していたなどの利益相反行為がありました。第三者委員会による調査が行われ、不正に関与した者に対する責任調査委員会まで設置して、損害賠償請求を行うことも決議しています。メガネスーパーの顧客情報が漏えいしていたという問題もありましたね。

監査意見の不表明

8/31付で有価証券報告書を提出したことで、同社株式について監理銘柄(確認中)の指定が解除され、当面の危機は乗り越えたわけですが、監査法人からは監査意見を表明しないと通知されています(既に同監査法人は監査人を降りており、有名なお助け監査法人に交代しています)。

上場廃止の危機は免れたものの、あらたに特設注意市場銘柄に指定されており、1年以内に内部管理体制が改善されていない、と東証が判断した場合は上場廃止となります。とりあえず1年という時間は稼いだけど、再生できますかねぇ。

日本製麻 前社長のインサイダー疑惑で特別調査委員会を設置

日本製麻株式会社は8/29、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。同社の取締役(前社長)が日本製麻株の買い付けでインサイダー取引規制に違反した疑いがあり、特別調査委員会を設置して調査を開始するということです。

日本製麻とゴーゴーカレー

金沢カレーの火付け役として急成長しているゴーゴーカレーは、日本製麻にレトルトカレーの製造を委託しています。このゴーゴーカレーの創業者の社長(現在は会長)が日本製麻株を大量に買い付け、自らを取締役にするよう持ち掛け、今年4月に日本製麻の社長になっています。

その後8月に入ると同社取締役会は、不合理な議事運営、経費申請時の諸問題等を理由として新社長を解任。わずか4ヶ月での更迭となったわけです。いやぁ、メチャもめてますね。

ゴーゴーカレー創業者である前社長がインサイダー情報をもって(社長だから当然何でも知ってますわな)、ゴーゴーカレー名義で同社株をさらに大量に買い増しした(おそらく筆頭株主になってる)シーンについて、今回調査委員会を設置して調査するというわけです。

ゴーゴーカレー創業者の真意は分かりませんが、日本製麻を完全に手中に収め、社名をゴーゴーカレーに変更し、いわゆる裏口上場を目指したものなんでしょうかね。あまりに調子に乗りすぎたんで、日本製麻旧勢力が一揆を起こした、、、の図でしょうか。

株式会社タムロン 社長辞任で特別調査委員会を設置

株式会社タムロンは8/22、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同時に経費を私的に流用したとして社長の辞任と、それに関与したとして常務取締役の平取締役への降格も公表しています。

株式会社タムロン

タムロンはカメラ向け交換レンズで世界的なブランド力を有する企業です。一眼レフカメラ用交換レンズは、自社ブランドでの販売のほか、他のカメラメーカー向けにOEMもしています。もちろん東証プライム上場企業です。

不正の概要

代表取締役社長が少なくとも過去5年間、月に複数回にわたり出張に第三者女性を同伴させ、当該女性が関与する特定の飲食店において飲食し、当該費用を同社に負担させていたということです。経費の私的流用ってことですね。開示ではその金額については触れられていません。

また、こうした社長の行為に関する支出管理を行っていた元常務取締役が、常務職を解かれています。取締役としては残ってますね。ちなみに、この不正については、2023年7月9日、同社が運営する内部通報制度における外部窓口宛に内部通報があったことで発覚しています。

しかしまぁ、女と楽しんで使い込みとは情けない話です。この社長さん、少なくとも2019年以降は毎年1億円超の役員報酬を得ていた方。なんでまた会社の金に手を???