ダイハツ工業 やっぱ悪いのは親会社だよ

明けましておめでとうございます。新年早々能登地方での大地震の報。自身に津波、大規模な火災も。まだまだこの後も余震とかありそうですね。そしてさらに、羽田での航空機事故。三が日からこんなことって、、、今年はどんな年になるんでしょう。いや、だからこそ皆でいい年にしないとね。

ダイハツ工業

地震や事故が起きたことで今はその報道も下火になっていますが、年末まではダイハツの不正でもちきりでした。監督する国土交通省の対応も、同社の倒産やそれによる関連企業への悪影響をどう回避するか、、、みたいなモードで動いている感じです。

12/29の朝日新聞記事に、「ダイハツだけ責められる、社員の違和感 歴代トップ8人はトヨタから」というのがありました。ほとんどずっとトップを務めるのはトヨタからの人材。当然トップが孤立しないように参謀として何名も役員や部長クラスが送り込まれていると思います。

部長クラスも部下がダイハツプロパーばかりでは使いにくいので、ある程度仕事のできるトヨタ出身の実務系社員が出向等で配属されます。こうしてダイハツでは、実務トップクラスと主要部署の部長クラス、役員がほとんどトヨタ勢で占められていくわけです。子会社というのはそういうものです。

トヨタの責任にあらず

にもかかわらず、調査委員会の調査結果ではほとんどトヨタの責任に言及しておらず、朝日が書いたように「違和感」が残るわけです。kuniもよく似た構造の企業におりましたので、まさに違和感しかありません。調査委員会でも忖度が、、、。親会社の責任をこのあとどう問うていくのかが最大の焦点になります。

はま寿司 カッパ寿司(カッパ・クリエイト)を提訴 別会社のコロワイドMDにも

ゼンショーホールディングスは12/27、「営業秘密の不正使用に対する民事提訴について」を同社ホームページで公表しました。はま寿司からかっぱ寿司社長に転職した際、はま寿司の営業秘密を持ち出したとして問題になっていた件です。

公表内容

「当社子会社である株式会社はま寿司は、本日、カッパ・クリエイト株式会社前社長、カッパ・クリエイト株式会社および株式会社コロワイド MDに対し、はま寿司の営業秘密の不正使用等について、営業秘密の使用差止め・廃棄および5億円(63億円以上の損害金額の一部請求)の損害賠償を求め、東京地方裁判所に提訴した」、とのこと。

提訴されたのは前社長とカッパ・クリエイトだけではなく、同じコロワイド傘下の別会社のコロワイド MDまで含まれてるんですね。このことについて、「カッパ・クリエイト社内に開示され、同社内で使用されていた事実に加え、一部の情報がコロワイド MD にも開示されていた事実を確認しています」としています。

ゼンショーホールディングス vs コロワイド

提訴したのははま寿司となっていますが、どうやらゼンショー vs コロワイド という構図になりつつある感じ。ゼンショー(すきや、なか卯、はま寿司などを展開)の時価総額は1兆1,663億円。一方、コロワイド(牛角、かっぱ寿司、大戸屋などを展開)の時価総額は1,935億円です。

業績や規模の大きさは圧倒的にゼンショーが上。かつ、不正を働いたのはコロワイド側という状況。この訴訟はどれほどの影響をもたらすでしょう。これまで居た会社の情報持ち出し、これだけ高くつくんです。転職の際は皆さんもお気を付けて。

デンソー 欠陥燃料ポンプで自動車メーカーが大ダメージ

デンソーは12/22、「リコール対象の燃料ポンプが搭載された車両をお使いのお客様へのお願い」を公表しました。燃料ポンプの不具合が原因で最悪の場合、走行中エンストに至るおそれがあるというもの。自動車メーカー各社が採用しているようで、リコールの嵐となっています。

デンソー

デンソーはトヨタグループの中核をなす自動車部品メーカーで、売上収益規模、技術力ともに世界有数。多種多様な自動車部品を取り扱う東証プライム上場企業です。得意先別では、トヨタグループ向けが5割を占めていますが、ホンダ、ステランティス、GM、SUBARU、スズキ、マツダなどと幅広く取引関係にあります。

欠陥燃料ポンプ

開示によると、燃料ポンプの不具合は、燃料ポンプを構成する部品の1つであるインペラにおいて、樹脂密度の低いものが燃料によって変形し、作動不良に繋がることがあるということです。この問題は約4年前に発覚しており、既にトヨタ以下の各社がリコールの届け出をしてきました。

リコールの対象者は今年11月時点でトヨタ620万台、ホンダ433万台、ダイハツ137万台などで計1,245万台といわれていましたが、12/21にホンダが7度目となるリコールを届け出し、807万台へ。合計で1,617万台のリコールとなってしまいました。今後もまだまだ増加しそうな勢いです。

日野自動車、ダイハツ工業と不祥事が続く同業界。不正ではないけど、このような大量のリコールが発生。モノづくり日本、技術の日本、はどこに行ってしまったのでしょう。

ダイハツ工業(その2) なぜこんなことに

1989年から34年間、試験データなど不正が行われていました。トヨタとダイハツの業務提携は1967年、51%取得を取得してトヨタの連結子会社になったのは1989年です。不正が始まった時期と一致します。要するに親会社トヨタからの強烈なプレッシャーの下で車を作ってきたということです。

調査報告書から

調査報告書の最後には、「当委員会は、ダイハツの将来を悲観してはいない。調査の過程で等委員会が接した従業員は総じて真面目であり、改善の方向性さえ間違えなければ必ず信頼を回復できると期待している。」と書かれていました。

このことがすべてを表しているような感じですね。冒頭に書いたように、どんどんトヨタが入り込んできて、とにかく早く開発せよ、コストはとことん圧縮せよ、みたいな圧力を感じながら、それにこたえるために多くの犠牲を払ってきたということでしょう。

昔からトヨタの下請けへの圧力は有名でしたが、子会社に対しても同様だったようです。トヨタからの圧力に対抗できず、ダイハツの経営陣も同様に現場に圧力をかけるしかなくなります。そうなると、現場は良くないことと分かっていながら、やらざるをえない。どこの会社にでもありそうな構図です。

「すべて私の責任で改善する」とおっしゃっていたトヨタの会長さんは今回まだ会見等に出てこられていないようです。日野自動車に続くダイハツ工業の惨状。親会社トヨタの責任は非常に重たいです。マーケットもその辺は感じているようで、12/21の株式市場ではトヨタ株は100円安以上(4%超)売られました。

アルデプロ 会長、社長が辞任 他役員も報酬減額

アルデプロは12/15、「代表取締役の辞任、取締役・人事の異動ならびに役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。社外調査委員会による調査結果が9月末に公表されており、経営責任の明確化を図るため代表取締役社長が辞任するとしています。

アルデプロ

アルデプロは有効活用されていない中古マンションや商業ビル、オフィスビルなどの不動産を自社で取得し、再生・販売する再活事業と、旧耐震ビルの権利調整を手掛ける再開発アジャストメント事業を展開する企業でしたね。連結の範囲等の判断により、売上と計上して良いのかどうか、みたいな話でした。

調査結果

調査結果報告書は全176ページ。肝心なところがあちこち黒塗りされていて上手く読み進められず戦意喪失、正直言うと読めていません。すみません。

さらに、ネット情報などから、やはり同社が地上げのようなことをしていたんじゃないか、みたいな話もあり、あまり近付かない方が良さげだなぁ、という感触を持ったためです(過去にブログで取り上げた企業の弁護士からクレームが来たこともあり)。

まぁ、それでも代表取締役社長が辞任することになり、併せて会長も辞任するということでしたので取り上げてみました。ちゃんと改革しようとする意思はありそう、、、というふうに感じたもんですから。しかし、よくよく見ると、会長と同姓の専務取締役執行役員(年齢からすると 多分会長のご子息)が残られるようです。これ、本気で改革始めれるんかなぁ。辞めたといっても会長大株主だし。