ダイハツ工業(その2) なぜこんなことに

1989年から34年間、試験データなど不正が行われていました。トヨタとダイハツの業務提携は1967年、51%取得を取得してトヨタの連結子会社になったのは1989年です。不正が始まった時期と一致します。要するに親会社トヨタからの強烈なプレッシャーの下で車を作ってきたということです。

調査報告書から

調査報告書の最後には、「当委員会は、ダイハツの将来を悲観してはいない。調査の過程で等委員会が接した従業員は総じて真面目であり、改善の方向性さえ間違えなければ必ず信頼を回復できると期待している。」と書かれていました。

このことがすべてを表しているような感じですね。冒頭に書いたように、どんどんトヨタが入り込んできて、とにかく早く開発せよ、コストはとことん圧縮せよ、みたいな圧力を感じながら、それにこたえるために多くの犠牲を払ってきたということでしょう。

昔からトヨタの下請けへの圧力は有名でしたが、子会社に対しても同様だったようです。トヨタからの圧力に対抗できず、ダイハツの経営陣も同様に現場に圧力をかけるしかなくなります。そうなると、現場は良くないことと分かっていながら、やらざるをえない。どこの会社にでもありそうな構図です。

「すべて私の責任で改善する」とおっしゃっていたトヨタの会長さんは今回まだ会見等に出てこられていないようです。日野自動車に続くダイハツ工業の惨状。親会社トヨタの責任は非常に重たいです。マーケットもその辺は感じているようで、12/21の株式市場ではトヨタ株は100円安以上(4%超)売られました。

アルデプロ 会長、社長が辞任 他役員も報酬減額

アルデプロは12/15、「代表取締役の辞任、取締役・人事の異動ならびに役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。社外調査委員会による調査結果が9月末に公表されており、経営責任の明確化を図るため代表取締役社長が辞任するとしています。

アルデプロ

アルデプロは有効活用されていない中古マンションや商業ビル、オフィスビルなどの不動産を自社で取得し、再生・販売する再活事業と、旧耐震ビルの権利調整を手掛ける再開発アジャストメント事業を展開する企業でしたね。連結の範囲等の判断により、売上と計上して良いのかどうか、みたいな話でした。

調査結果

調査結果報告書は全176ページ。肝心なところがあちこち黒塗りされていて上手く読み進められず戦意喪失、正直言うと読めていません。すみません。

さらに、ネット情報などから、やはり同社が地上げのようなことをしていたんじゃないか、みたいな話もあり、あまり近付かない方が良さげだなぁ、という感触を持ったためです(過去にブログで取り上げた企業の弁護士からクレームが来たこともあり)。

まぁ、それでも代表取締役社長が辞任することになり、併せて会長も辞任するということでしたので取り上げてみました。ちゃんと改革しようとする意思はありそう、、、というふうに感じたもんですから。しかし、よくよく見ると、会長と同姓の専務取締役執行役員(年齢からすると 多分会長のご子息)が残られるようです。これ、本気で改革始めれるんかなぁ。辞めたといっても会長大株主だし。

ID&E ホールディングス 子会社日本工営で不正行為

ID&E ホールディングスは12/8、「当社子会社の不適切行為に係る調査結果および再発防止等について」を公表しました。同社による開示はこれが第一報に見えるんですが、実は子会社の日本工営のホームページでは10/6に、「当社の不適切行為に関する件」というお知らせがありました。

ID&E ホールディングス

ID&E ホールディングスは建設コンサルタント大手の日本工営が単独株式移転により設立した持株会社です。日本工営は日本国内外における河川、水資源、上下水道、ダム、交通・運輸など社会インフラに関する調査や計画、工事監理などを手掛ける企業です。

不正行為の概要

日本工営は北九州国道事務所管内の渋滞対策検討業務を約1600万円で受注し、22年4月~23年5月に対策を実施しました。その後、渋滞状況を把握する際、取得データに基づく正しい計算値を使用せず、交差点に渋滞状況が発生していない結果となるよう意図的に計算値を操作し、発注者に報告していたということです。

都合の悪い情報は非上場企業のホームページでこっそり

不正行為の発生については日本工営のホームページでこっそりと。今では上場企業ではありませんので目立ちません。最近よく見られる風潮で、上場企業に求められる適時開示を見ていてもこういう不祥事は見付けられないんですよね。このやり口は非常に問題ありです。上場企業である持株会社もしっかり開示すべき。取引所はそういう指導してないんだろうか。

損保大手3社 タムロンも 業績絶好調とは

12/5付け日本経済新聞に業績好調の記事が二つ。一つは損保大手3グループで、今期過去最高益の見通し。そしてもう一つが交換レンズの大手タムロンで、今期純利益が上振れて20%の増益になる見通しなんだとか。今年、両社ともに不祥事で世間を騒がせた企業なんですけどね。

皮肉なもんで

中古車販売ビッグモーターを手下にして事故車を紹介する見返りに保険契約を伸ばしてきたり、企業向け保険で事前調整をめぐる疑惑のなか荒稼ぎしてきた損保各社が最高益。トップが中国系クラブの女性同伴で会社の金を使い込みまくっていたタムロンが大幅増益。ん~、なんとも腹落ちしない展開ですな。

こうした不祥事が発覚した企業が意外にも業績が好調ってケース、結構あるんですよね。勢いのある会社だからこそ、ちょっと勇み足。みたいなことは確かにあるかもしれません。不祥事が発覚しました、の一報があって株価が急落、その辺りが株価の最安値になったりするケース。

しかし、不信感は

しかし、今回取り上げた損保業界にしても、社長がご乱心のタムロンにしても、株主や投資家、世間からの不信感は高まっています。公表した事実以外にも似たような事案まだまだあるんじゃないかといった不信感。こういうのって、ボディブローのようにここから効いてきますよ。そうならないためにも膿はとことん出し切らないとです。

神戸製鋼所 連結子会社で検査不正? ISOが認証停止や取消し

11/28付の日本経済新聞は、「神戸製鋼系、ISO認証取り消し」とメチャ小さく報じました。開示等では見たことない情報でしたので、同社ホームページを覗いてみると、「当社子会社等におけるISO認証一時停止ならびに取消しについて」と公表されてました。

神戸製鋼所

神戸製鋼所は、鉄鉱石を原料とし、鉄鋼製品を生産する高炉メーカーで、粗鋼生産規模は国内第3位の東証プライム上場企業です。そして、品質管理に関する国際規格ISOの認証停止や取消しを受けたのが、神鋼環境ソリューションと神鋼環境メンテナンスの2社。

神鋼環境ソリューション 神鋼環境メンテナンス

両社は、水処理関連事業や廃棄物処理関連事業、上下水処理施設や廃棄物処理施設の運転・維持管理を行う子会社で、いずれも神戸製鋼所の100%子会社です。どういった製品や設備等で認証が停止され、または取り消されたのかについては、公表されていません。

しかし、もし何かあれば国民の健康に害を及ぼす可能性のありそうな業態です。なぜ詳細を公表しないんでしょう。さらに、神戸製鋼所に至ってはホームページでお知らせし、子会社のホームページに誘導するだけという対応。適時開示もされていません。

大企業ほどこうした不正等に関する開示が行われない傾向がありますが、これでいいんでしょうかね。子会社2社で何か起きてるとしたら、親会社ではどうか、他の子会社ではどうか・・・。といったことは心配にならないんでしょうか。神戸製鋼所の他人事のような対応、気になります。

ひょっとしてCB(転換社債)発行を準備中で、これが中止になったり、同社株が売られやすい場面だから、悪材料を公表するのをためらったとか?