東証市場再編 3市場に集約 が、しかし、、、

金融庁は東京証券取引所の市場改革に関する金融審議会の報告書案を公表しました。現在ある5市場を、新一部(仮称:プライム市場)、スタンダード市場、グロース市場の3市場へ集約するというものです。この報告書を受けて、東証が本格的な検討に入るとのこと。

プライム市場の上場基準

上場基準の中に「流通時価総額基準」というものが。「流通株式数×株価」で計算される数値です。高株価だが流通する株式数が少ない。とか、流通株式数は多いが低株価。といった企業はこの基準に抵触することになります。この流通時価総額基準については、100億円を目途に検討することが考えられる、としています。

他にも流動性基準やガバナンス基準、収益基準といった基準について提言していますが、基本的に上場時の基準と退出(降格)時の基準を同一とするよう求めています。

で、問題は経過措置なるもの

利害関係者すべてに配慮した議論を行うとこういう結果になる、という典型的な結論がこの経過措置でしょう。現一部上場企業は、基準を満たしていなくても、「制度変更後も一定の条件の下、当分の間、プライム市場への上場・上場維持を基本的に認めることが適当と考えられる。」としている部分です。

流通時価総額を満たしていなくとも、より高いガバナンスについてのコミットメントを行う限りにおいて、、、上場維持を認める。とか、流動性の基準を満たしていなくとも、流通株式比率向上に向けた取組等を策定・開示することにより、今後の流通株式比率の向上に向けたコミットメントを行う限りにおいて、、、上場維持を認める。 みたいな。

大鉈を振るわなければならないときであれば、これまで野放図な一部上場を許して場口銭を得てきた取引所と、一部上場により利益を享受してきた「値しない」上場企業が、不利益を覚悟で取り組むんじゃないかな?既得権のオンパレード。ゆるゆるの改革案ですね。

昨年度 過去最多を記録したもの

12/25付け日本経済新聞に、昨年度過去最多を記録したものが3件載ってました。「教員のわいせつ処分最多 282人、文科省調査」、「高齢者施設の虐待が過去最多 621件、大半は認知症」など。なんとも情けないというか、悲しい話題ですね。もう一つは昨年度ではなくカレンダーイヤーで、ですが、「出生数の減少に伴う人口の自然減が51万人」というのも。

子供と高齢者

戦争や疫病などで多くの命を失ってきたのも高齢者や子供たちでした。平和な時代になっても、やはり社会現象の犠牲は高齢者と子供なんですね。高齢者の虐待が増加するのは、そもそも施設に入る高齢者の数が爆発的に増加していることが背景にありそうです。

しかし、出生数が減少し当然母数である子供の人数が減ってきているのに、わいせつ処分というか、わいせつ行為が増加するというのはどうでしょう。明らかに別の要因があるわけですよね。SNSを使用して子供を誘拐みたいな犯罪が増えていることも同根でしょうか。さらに結婚しない人、できない人が増加していることも背景にあるのかも。

わいせつ処分を受けた教員の97.9%、276人が男性とのこと。同じ世代の女性に対するストレスや劣等感みたいなものが、子供たちに向けられるのか。こと教員となると、モンスターペアレンツなどのストレスもあり、精神的にも追い詰められている人も多そうですよね。とはいっても、やはり弱者である子供たちは守らなければね。

いじめ認知件数

昨年度に過去最多を記録したものとしては、「いじめの認知件数」というのもありました。全国の小中高校で認知されたいじめは、過去最多の54万3,933件だったそうです。同じく、小中高で発生した暴力事件や児童生徒の自殺、不登校の小中学生なども激増しているようです。必ず解決していかなければならない社会的課題です。年の瀬に何とも暗い話題ばかりで申し訳ありません。

都留信用組合に対する行政処分(その2)

支店長の不正を公表後、読売新聞が他の支店における不正の情報をつかみます。6/5、読売の取材攻勢に対して明確に否定する専務理事。ところが、この取材を契機に役員ミーティングが開催され、翌々日の6/7に3支店、3案件についても公表されることになりました。

案件の把握時期

この不祥事3件、社として概要を把握したタイミングは2018年8月、2019年3月、同年3月、といった具合で、元支店長事案を公表する時点では、既に詳細までを把握していながら、当局への報告もせず、公表もしていなかったということです。

当局報告を行わなかった理由

この組合では、コンプライアンス担当理事である前専務が、当局への届け出を行うかどうかの裁量を持っていたようで、3件の不祥事とも前専務へ情報集約が行われ、損害の補てんが行われていることなどを考慮し、報告は不要との判断に至っている、と報告書は推定しています。また、専務以外の者が報告不要という結論に関して、何らかの意見をした形跡もないとしています。

報告書では、「不祥事を表面化させないという強い隠ぺい体質があるとまでは認められない」としています。が、これはあくまで決定プロセスにおける状況を描写しただけのこと。結果的にはレピュテーショナル・リスクを回避するための隠蔽行動そのものです。

報告書ではこうした体質を「不祥事は内密かつ穏便に処理するという不祥事対応に関する『事勿れ主義』の発想」などと表現していました。

不祥事3件についてはガバナンスの問題

この3件の不祥事については、これを発生させてしまったことに対してよりも、当局へ報告せず、公表もしなかったことへの批判が大きいようです。コンプライアンス担当役員の判断に対して何のけん制も効かない理事会や監事のガバナンスの問題ということですね(株式会社では取締役会と監査役に相当します)。

財務局の行政処分の命令では、2番目でこのことが指摘されています。「理事会及び監事による経営監視・牽制が適切に機能する経営管理態勢の確立」。

都留信用組合に対する行政処分 特別調査委員会調査結果も

12/23 関東財務局は都留信用組合に対して、健全かつ適切な業務運営を確保するための業務改善計画の提出・実行を命じました。提出期限は令和2年1月31日。同日、都留信用組合は、「不祥事件に関する特別調査委員会調査結果」を公表しています。

不祥事件の概要

今回不祥事の概要を振り返りましょう。今年、5/29、支店長(50代男性)が顧客から1億9,500万円を着服していたことが公表されました。その後、6/7になって3支店3名の職員が顧客のお金を着服していたと公表します。そして6/14、特別調査委員会の設置が公表されています。

元支店長事案

現役支店長時代に着服が見付かっているわけで、元・・・とは書きたくないんですが、報告書でこう書かれているので、元支店長事案とします。この事案、なんと1994年から不正が始まっています。なんと25年間にわたり、不正行為がバレずに続いたんですね。

最初の不正行為は親族の定期積金を無断解約し、その後も掛金を毎月着服するところから始まります。取引先とのゴルフや飲食のためだといいます。その親族の定期積金の満期が近付くと、親密な取引先から500万円を借り入れて返済。その後この借入の返済のために、別の顧客の定期預金を無断で解約。

この時、着服したお金の返済を目論んで行った株式投資(信用取引)で失敗し、不正の連鎖に完全にはまってしまいます。得意先担当(ヒラ)の彼は、こうしたことを繰り返しながら、支店長にまで昇格し、支店長として勤めた3支店でも不正を継続。最後に顧客からの問い合わせで、今年4月に発覚しています。

なぜこれほど長期間発覚しなかったか

「なぜこれだけ長期間不正がバレなかったのか」という疑問がわきます。7回の転勤では前任者と後任者の間で引き継ぎがあるはず。また、次長や支店長に昇格する際には、それなりのチェックもあるでしょうにね。この辺りの詳細の考察は報告書に任せるとして、一点だけ気になったことがあります。

「エリア人口の減少に対応するため、営業力強化が行われ、その一環として本部の管理部門が縮小されている。そのため、ビジネスモデルに応じた不正や事故が発生するリスクに見合う内部管理態勢となっていない。」という報告書の警告です。

何とか黒字にするために、収益を増やすために、内部管理部門を縮小。地銀や信金も全く同じ状況でしょう。地域金融機関における不正リスク、実は足もとでかなり大きくなっているのかもしれません。

3支店3名の不正については次回にでも。

レオパレス21 一級建築士の懲戒処分について

国土交通省は12/20、建築士法に基づき、レオパレス21の一級建築士3人の免許を取り消しました。アパートでの施工不良が相次ぎ見付かった一連の問題を受けて、ということですが、行政処分は初めて。「免許取消」というのはおそらく最も重い処分でしょうね。

令和元年度 一級建築士の懲戒処分について(第2回)

これが国土交通省が公表した資料のタイトルです。第2回とありますので、令和以降で第1回というのもあるということですね。まずこの第2回では、レオパレスの一級建築士3名の免許取消のほか、14日間の業務停止の処分を受けている建築士がいます。

第1回の処分は令和元年9月6日付けで、同じく4名が処分を受けています。こちらは業務停止1ヶ月の人と14日の人が2名ずつです。もう一回遡って、平成30年4月3日付け処分では、計11名の処分が下っていました。最も長い人で5カ月の業務停止となっています。過去3回分の処分を見る限り、他に免許取消は見当たりませんでした。

レオパレス21の対応

建築士処分してもねぇ、、、と思いつつレオパレス21のホームページをチェック。今回の免許取消を受けて、同社は次のようなお知らせを出してました。

「今回の処分は一級建築士3名に対して行われたものですが、当社はこれを”会社”に対して下された処分と受け止めております。当社としては、今回の処分内容を真摯に受け止め、このような事態を二度と発生させることのないよう、今後はより一層コンプライアンス体制を強化するとともに、法令を遵守し、適切に業務を行ってまいります。」

直近大炎上した郵政トップの対応と違って、なかなかいい感じですね。一応、合格点のコメントです。話変わって、何度かチェックしてきた入居率の推移、11月はさらに低下して79.21%になってますね。前月から0.28%低下です。このぶんだと12月は79%割れてきそうな気配です。