ゼロ・エミッション

国連大学が1994年に提唱した排出ゼロ構想のこと。ある産業の廃棄物を別の産業において有効利用し、社会全体で資源を循環させることで、環境を汚染することのない生産工程を確立することだそうです。ただ、今日の記事では脱炭素という意味で使っています。

温暖化停止に向けた切り札

気象学の先生が書かれていたコラムによると、二酸化炭素の排出を減らしても気温の上昇は止められないんだそうで、できるだけ早くゼロ・エミッション(脱炭素)を実現するしかないと書かれていました。

その方法として、発電は全て化石燃料を燃やさない方法に切り替えることを提唱されています。資源エネルギー庁のデータによると、日本における自然エネルギーによる発電量の、全体に占める割合は17%だそうです(うち、水力発電が8%)。これを100%にできるめどが立たない限り、温暖化抑止のめども立たないとのこと。

デンマークの風力発電

驚いたのはデンマークにおける風力発電。なんと年によっては風力で全発電量を賄えるようになってきたと書かれていました。これって凄いですよね。ただ、ネットで調べると2017年で43%を賄ったとされていました。ちょっと先生の勘違いですかね。どうも時間帯によっては全部風力で賄えたりするというのが正解だと思われます。

それでも凄いでしょ。そりゃ、日本とデンマークでは人口も産業も違い過ぎて、というのはあります。しかし、希望はあるということです。ちなみに、面積は日本の約1/8で、人口では1/20という小国ではありますが、世界一幸せな国なんだそうです。

SDGsやESG

SDGsやESGにおいても必ず大きく取り上げられる環境問題。特に温暖化、気候変動問題に直結する炭素の排出に関しては、世界の日本への視線は冷たく、石油産業や石炭産業に投資している資金を引き揚げてしまうぞという、ダイベストメントという用語もよく見るようになってきました。

株式に投資した資金を引き揚げるだけではありません。そうした企業の発行する債券にも投資しないでしょうし、融資もしないし、融資する金融機関に対しても制裁は及ぶわけです。資金調達に窮するような産業に明日はありません。

ここはいっちょう、日本の技術力の高さを見せつけてやりましょうよ。先日書いた洋上風力発電、太陽光発電、他にも火山国日本ならではの地熱発電。新しい産業を興すくらいの感覚で、産業革命2.0ですね。ゼロ・エミッション、達成できるのは日本くらいかもしれません。

温暖化ガス削減 脱炭素化へ向けた日本が誇る環境技術

日経12/16の記事でアメリカズ・プレッジのカール・ポープ副議長の言葉「日本には脱炭素化に役立つ環境技術がたくさんある。イノベーションを起こせる」 。記事では、富士通、NTT、トヨタ、積水ハウス、イオンといった企業の取り組みが紹介されていました。

公害って死語ですか

最近、「公害」という言葉を聞かなくなりました。環境汚染や環境破壊ですね。kuniが幼いころ、まさに高度成長期には工場などから排出される排ガスや廃液、廃棄物で日本中が汚染されていき、大きな社会問題になっていました。公害の二文字を見ない日はないと思われるくらいの惨状だったんです。今の若い人たちは公害という言葉知らないかもしれませんね。

その後、公害を防止するための様々な技術が開発され、川や海、大気もきれいになりました。というか、きれいになったとされています。そして公害という言葉が聞かれなくなり、環境汚染や地球温暖化などのように、日本人にとっての直接的な被害ではなく、地球レベルでの問題に置き換わったように、やや他人事のようになった気がします。日本以外の国では同じことが繰り返されているわけです。

日本の環境技術

日本が公害を克服してきた技術は世界トップレベルにあると言われます。冒頭の副議長の言葉にもあるように、世界に役立つ技術がたくさんあるんだと思います。ただし、その技術で会社が儲かるかどうかは別の問題でしょうし、だからこそ国家レベルもしくはそれ以上のレベルでの後押しが必要になるというものです。

こんな感じで少し調べものしていましたら、面白い記事を見つけました。日経ビジネスなんですが、「環境技術 日本が10位にも入らない理由」という記事。ただし、2011年9月ということで少し古い記事ですね。

それでも内容はなるほどという感じです。あくまで当時の話ですが、「代替エネルギーに関する特許の地域別の割合を見ると、なんと55%を占めているのが日本」とのこと。「太陽光発電に限ると68%になる」んだそうです。

ところが同じ時期にエネルギー・環境技術の国際会議で使用されたデータでは、「日本は世界の上位10か国の中に入っていない」という事実もあるということです。特許の数、つまり基礎的な技術は確実にあるけれども、それを活かすことが下手のようです。記事では「日本は情報戦が下手」としていました。

確固たる環境技術を世界のどこかにある需要に結びつけていく。従来からこうしたビジネスマッチングは総合商社の得意分野だと思われますが、環境技術のビジネス化の実態はどんな感じなんでしょうね。総合商社やメガバンク、国も一緒になって、日本の技術を世界に示していってほしいものです。

洋上風力発電 本格普及へ

太陽光発電の次に来るもの

北海道胆振東部地震では太陽光発電が今一つ活躍できなかった、というか少し悪者扱いすらされていたような感じがしました。で、次は風力発電ときましたか。まぁ、そんな感じでニュースを聞いていたんです。

少し気になって調べてみたんですが、資源エネルギー庁の資料によると、太陽光発電もなかなか活躍してたみたいですね。需給のバランスが崩れた中では、昼間だけ発電する太陽光発電は使いにくい。みたいなことが言われていたような記憶があります。しかし、家庭用の太陽光発電設備の多くは、停電時に自立運転を行う機能を備えていて、電力会社に売電するのではなく、自宅用の電力として使えたんだそうです。

同庁のアンケート結果によると、住宅用太陽光発電ユーザー428件のうち、約85%にあたる364件が自立運転機能を活用していたそうです。そうした人たちの声として「冷蔵庫、テレビ、携帯充電が使えた」とか「友達にも充電してあげ、喜んでもらえた」などが紹介されています。ということで太陽光発電がダメだからということではなさそうです。

11月30日 海洋再生可能エネルギー発電利用促進法 成立

海洋再生可能エネルギー発電利用促進法という新法が成立しています。従来は沖合での利用ルールが曖昧で、突然海が使えなくなるリスクがあったため、普及が進まなかったということらしいです。そのため、洋上での発電はもっぱら港湾内に限られていました。成立した新法により、国が5か所の海域を促進区域に指定し、最長30年間、その海域を発電用に占有できるようになります。

洋上風力発電のメリット

ではなぜ洋上風力発電なのか。まず、太陽光発電との比較で風力発電のメリットは、昼夜ともに発電可能であることがあげられます。もちろん風が止んだらできませんけどね。他にも、耕作地が減少したり、反射光が誰かの迷惑になったり、ということがありません。

また、洋上ということのメリットとしては、景観を損ねない。騒音問題がない。他にも巨大なパーツの運搬や組み立てが楽といったメリットがあるようです。確かに漁業や航路との関係さえ解決できていれば、人間の生活域から離れた洋上にはメリットがたくさんありそうです。

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のHPで調べてみました。3枚のブレードからなる風車で風を受けて発電するわけですが、このブレード1枚がなんと50メートルの長さですと。将来的に計画されている最大級の7メガワットクラスになると、80メートルだそうです。風車の直径は160メートルですね。

海に囲まれた日本は、この洋上風力発電をしっかり活かして、失われつつある原子力発電、世界からまさに批判の的になっている石炭火力を、置き換えていくしかなさそうです。同じ海に囲まれたイギリスが世界一で、日本の百倍の発電量らしいです。今後の取り組みに期待しましょう。

JFEテクノリサーチ 食品異物検査装置

日刊工業新聞で見付けた記事です。JFEテクノリサーチという会社が製造するこの検査装置が、よく売れているという記事です。何となく、なぜだか分かりませんがkuniの目に留まりました。

食品への異物混入

このところの企業の不正・不祥事は、その多くが機械の製造会社で、かつ製品検査に関するものが主流でした。食品会社やファーストフードでは、やはりこの異物混入というのが一番怖い事故であり、レピュテーショナル・リスクと認識されていると思われます。つい先日も、例によってマックでしたが、人の歯が混入していたとかいうニュースがありましたよね。

1ミリ程度の異物も検出

「近赤外3波長カメラ」を実装したこの機械で、製造ライン上を流れる食品の中から異物を検出するらしいのですが、従来のX線検査機や金属探知機、カラー検査機でも識別できなかったレベルの異物に対しても有効なんだそうです。

カメラで撮影した画像を独自のデータ処理技術で解析し、近赤外光を吸収する度合いの違いから、食品に含まれる異物を見つけ出すんだそうで、樹脂片やゴム、紙片などで色が食品に似た異物であっても識別するとか。例として、ひじきに含まれる黒い樹脂片やゴム片なども高い精度で検出できるとされています。

この価格は高いのか安いのか

価格は標準的な仕様で1000万円を超えるんだとか。それでも月に10台程度の引き合いがあると言いますから、立派なものです。ネットで調べてみましたが、JFEの100%子会社で資本金1億円の会社です。食品異物検査装置以外にもいろいろ作っているようで、なかなか面白そうな会社でした。

インクレディブル・ハルク

飲料水工場で働いている際、自分の指を怪我して、血液を飲料水に混入してしまったブルース。混入してしまったジュース瓶は結局出荷されてしまったわけですが、思わずこのストーリー思い出してしまいました。映画インクレディブル・ハルクの1シーンです。もしあの工場に食品異物検査装置があったら、この映画は始まらなかったんですね、きっと。

映画を観てない方にはなんのこっちゃというお話でした。申し訳ありません。けど、途中まではまじめに書いてます。食品関係の方で興味のある方は、是非同社のホームページをご覧になってください。別にkuniはこの会社から何も貰ってませんが。

大学と地銀に共通する衰退していく側の論理

週刊東洋経済のコラムで面白い話を読みました。コラムのタイトルをそのまま使わせてもらってます。筆者があるパーティーに参加した際のお話で、「国立大学の学長と地方銀行の頭取が、あいさつでまるで同じことを言っていたので、思わず苦笑してしまった」との書き出し。

大学と地銀、一見全く関係のなさそうな業種ですが、この書き出しを読むだけで、その場の様子が想像できませんか。政策によって推進され、一時はかなりステイタスの高い企業、組織になっていたと思われます。別に業界の中に熾烈な競争があったわけではなさそうで、気が付いたら、「近所のご同業と統合されたらいかがですか」と肩をたたかれている。そんな共通点が思い浮かびます。

また、筆者は二人の話の共通点について、「守りの姿勢」と「行政の介入を拒む姿勢の強さ」もあげていました。地域特性があるから、公的な役割があるから、自分たちは潰れるはずがないと思っていたことだ、とも言っています。なかなか本質を突いたご意見でした。

武田薬品 シャイアー社買収の臨時株主総会

上記のコラムを読んだ直後、kuniにも面白い展開が訪れました。武田薬品のシャイアー買収に向けた臨時株主総会のニュースに触れたのです。12月5日に開催され、株主の2/3以上の賛成を得て承認されました。来年1月には買収が完了するということです。

非常に対照的ですよね。製薬業界も特に創薬の分野では生き残りをかけた競争が激しいと聞きます。日本企業によるM&Aとしては最大級といわれる買収劇です。kuniにはこの買収が成功するのかどうか分かりませんが、彼らは衰退していく側にはならない決定をしたわけです。

この業界には新薬の特許が切れてしまうと、途端にその分の収益が見込めなくなるという特殊なルールが存在します。当然その時期に向けて新たな収益源を探す必要があります。有望な新薬が出てこないのならM&Aでということにもなるんだと思います。が、しかしそこには社運を賭けた決断があるわけです。

今月ソフトバンクが新規公開することで話題になっていますが、ソフトバンクグループも同様です。過去にとてつもないM&Aを繰り返して、ここまで成長してきました。彼らのM&Aを支える財務戦略は凄いです。あれだけの借金をしながら、普通に企業経営ができる孫さんが凄いんですね。

冒頭の地銀や大学。後半の武田薬品やソフトバンク。あまりに対照的ですよね。で、どちらも日本を代表する企業、組織として、今注目を集めています。