欧州委員会 キャノンに制裁金34億円 ガンジャンピング

6/28付け日本経済新聞に小さく載っていた記事です。欧州連合(EU)の欧州委員会はキャノンがEUの競争法(独占禁止法)の買収ルールに違反したとして、2,800万ユーロ(約34億円)の制裁金を科すと発表したことを伝えています。

ガンジャンピング

この制裁金の決定は、2016年にキャノンが旧東芝メディカルシステムズの株式を取得した件に関するものだそうです。キャノンのホームページでも既に開示されていました。「ガンジャンピング」にあたるとして制裁金を科しているとの記述がありまして、、、「ガンジャンピング」ってなに?、ということで調べてみました。

M&Aにおける競争法(独占禁止法)に関係する論点の一つ。ガンジャンピングは Gun jumping のことだそうで、つまり陸上競技におけるフライングの意味なんだそうです。企業が合併や買収を行う際に、当局の承認を得る前に行ってはならない行為をフライングしてしまうことです。

この禁止されている行為というのが、「企業結合規制によって必要とされる事前手続きを取らないままにM&A取引を実行」する行為(届出義務違反)であったり、「事前手続きの完了後でなければ許されない行為を完了前に実施」する行為(待機義務違反)なんだそうです。他にも、競争機微情報の交換というカルテル規制違反とかもあるようです。キャノンのケースは届け出義務違反の嫌疑です。

企業結合規制

今回のキャノンによる東芝メディカルシステムズの買収、もちろん日本における日本企業同士の企業結合です。日本企業同士であっても、海外で事業を行っている場合は、こんなふうに外国の独占禁止法による制裁金を科されることがあるということです。

この規制の内容が各国で違っているみたいで、そういった規制を知らずに後から刺されて制裁金を食らってしまうケースが多いとのこと。今回のキャノンのケースも調べてみると、日本の公正取引委員会が注意喚起したのに加え、中国から30万人民元の罰金なんてのも出てきました。問題視しているのは欧州委員会だけではなかったようです。

スマホに押されて本業のカメラが不調のキャノン。前年度メディカルシステム部門で売上の11%、4,375億円を稼ぐほどこのM&Aの成果が出ています。ここで34億円といえどもケチを付けられたくないでしょう。ホームページでは以下のようにコメントしています。

「キャノンとしては、欧州委員会の判断は、根拠となる先例を欠き、EU企業結合規則および欧州司法裁判所の判例法にも矛盾するものであることから、同意できるものではないと考えています。そのため、キャノンは、本決定については欧州司法裁判所に提訴する予定です。」

日本の労働生産性が低いとか・・・

最近やたらと、日本の労働生産性が低いことにみな言及するんだけど。労働生産性とは、1人の労働者がどのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標なんですが、これがG7の中で最も低いと。で、働き方改革が声高に叫ばれるわけです。確かにそうなのかもしれないけど、そんなに悪いところというか、ちょっと見劣りするところばかり気にしなくても良いんじゃないの、、、ってkuniは思うわけですよ。働き方改革を否定しているわけではありませんが。

GDPランキング

世界各国の名目GDPランキング(2018年)を見ると、1位:アメリカ、2位:中国、3位:日本、4位:ドイツ、5位:イギリスと続きます。残念な話ばかり聞こえてきますが、それでも立派に世界3位ですよ。これを就業者数で割って生産性を計算すると、見劣りする順位になってしまうというお話です(国際比較で用いられる労働生産性はGDPをその国の1年間の「平均就業者数」で割って求めています)。

世界平和度指数ランキング

世界平和度指数ランキングという統計があります。各国がどれくらい平和であるかを表す指標とされ、国内紛争や治安悪化、軍事力強化など平和維持への不安要素が大きいほど高くなる指数なんだそうです。この指数ランキングでは日本は第9位です。最近治安はすごく悪くなってきているような気がしますが、それでも世界9位です。

GDPで上位にいる国のこの指数を見てみると、アメリカが128位、中国が110位、ドイツが22位、イギリスが45位、フランスが60位となっています。先進国において、自国の治安や他国への干渉など、不安要素が最も少ない国の一つが日本なわけです。G7で日本より上位にいるのはカナダの6位くらいです。日本の学生の留学先No1になっているのもなんとなく分かるような気が。

話を戻して 労働生産性 分母に問題あり

さきほど労働生産性の計算方法を書きましたが、「GDP÷1年間の平均就業者数」です。で、この平均就業者数というのが曲者らしく、失業者の定義が各国で違っているのと同じで、就業者数というのも違った定義のまま使われているようです。日本の場合は他国と比べると失業率が低めに出ると言われます。当然就業者数は高めになるでしょう。

また、国外から就労している人は就業者数に含まないし、不法就労者もやはり含まなかったりします。国外から就労している人がやたらと多いルクセンブルクが労働生産性第1位だったり、1200万人も不法就労者がいると言われるアメリカの生産性(第3位)も相応に高まります。国外就労者も不法就労者もいない日本、で、就労者数は他国より高めに出るため、労働生産性は低めになってしまう。どうもそういうからくりがあるようです。

漫画の拾い読み マンガアプリ 「マワシヨミジャンプ」 集英社

先週の日本経済新聞コラム「ヒットのクスリ」で、集英社が1月から始めているマンガアプリ「マワシヨミジャンプ」について書かれていました。スマホの位置情報を利用したアプリを開くと、実際の居場所の地図上に、電子マンガのタイトルが配置され、タップするとそのまま無料で読めるというサービスです。マンガは週刊少年ジャンプのバックナンバーや、そこで連載していた作品、現在も連載している作品が対象で、300作品、700冊に及ぶとのこと。

これはハマりそう

もちろん、こうやって地図上で拾えるのは1回につき1冊で、全巻を読めるわけではありません。コミックス1巻分を読み終え、続きを読みたければ電子書籍を買う必要がある。という戦略ですね。美容院などの待合室で時間つぶしに読んだ漫画が気に入って、全巻読む破目に陥ってしまった経験って、皆さんもあるんじゃないでしょうか。これはハマってしまいそうです。

ただ、集英社が着目したのは「電車あるある」だとのことです。最近でこそ少なくなってきましたが、かつてはよく電車の網棚にマンガ雑誌が置きっ放しになっていた。「その読み捨てられた漫画をたまたま手にして、気に入ったとき」をスマホアプリで再現したということです。よくこんな発想ができるもんです。センスかなりいけてますよね。

集英社によると、拾われた回数は250万回で、読まれた作品はもちろん電子書籍の販売につながったといいます。ちなみに、『マワシヨミジャンプ』は、週刊少年ジャンプの創刊50周年を記念して開催された、「ジャンプアプリ開発コンテスト」の第1期入賞企画だそうです。

人気作品もたくさん

ついでに調べてみましたが、「ONE PIECE」、「NARUTO-ナルト-」、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、「HUNTER×HUNTER」など、人気コミックスもラインアップされているようです。

ほかにも、アプリ上で拾った漫画には「マワシヨミ帳」という機能があり、読者は「マワシヨミ帳」にコメントを記帳し、次に拾ったユーザーと感想などを共有できるようになっているようです。ん~、この機能については、ちょっとkuniにはよく分かりませんが、、、。

漫画って、それを愛好するに至るきっかけがあると思うんですが、さっきの美容院の話と一緒で、偶然の出会いっていうのもありますよね。これって実は重要だと思います。今の時代はネットでユーザーの好みを分析してターゲティング広告を押し付けられるじゃないですか。そういうのではなく、偶然、たまたまの出会いだからこそ、今までの自分では到底発想できなかった、新たな嗜好にたどり着くことができるわけです。

リスト型アカウントハッキング攻撃(リスト型攻撃) ユニクロやコジマで

何らかの手段により他者のID・パスワードを入手した第三者が、これらのID・パスワードをリストのように用いて様々なサイトにログインを試みるという、リスト型アカウントハッキング攻撃(リスト型攻撃)の被害が増加中です。

コジマ

家電量販店のコジマは6月8日までに、通販サイトが不正アクセス被害を受けたと公表しました。一部の顧客アカウントに不正ログインがあり、会員23人のポイント計数十万円分が、本人に無断で商品購入に使われたとしています。

ファーストリテイリング

また、5月には、ユニクロを運営するファーストリテイリングも、ユニクロとGU(ジーユー)のネット通販サイトで不正アクセスがあったと発表しています。不正ログインされたアカウント数は46万件におよび、住所やメールアドレスなど個人情報の一部が流出した可能性があるとのこと。アカウントのパスワードは同日に無効化したということです。

パスワードの使い回し

もう今から5年以上も前に、総務省が「リスト型アカウントハッキングによる不正ログインへの対応方策について(サイト管理者などインターネットサービス提供事業者向け対策集) 」という資料を公表しています。サイト管理者などのインターネットサービスを提供する事業者が適切な対策を講じるように、事業者向けに出された資料です。

ただ、これを読んでみると、我々ユーザーにも大事な話がいくつも出てきます。最も重要なのが「パスワードの使い回し」問題。これ、読んでてドキッとしますよね。使い回しが行われているからこそ、あるサイトから流出したIDとパスワードで別のサイトをリスト型攻撃、、、で、ログイン出来ちゃうわけですから。

資料によると、ID・パスワードによるログインが必要となる Web サイトの利用について、一人あたり約 14 の Web サイトを利用しているんだそうです。利用者のうち約7割が 3 種類以下のパスワードを複数の Web サイトで使い回しをしていると。ん~、、、耳が痛い。リスト型攻撃は、このような現状を悪用したサイバー攻撃なんですね。

アナログに管理するか

14のサイト毎に、異なるID・パスワードを設定するってのはこりゃ大変です。そもそもそんなの覚えてられませんし。パソコンにID・パスワード一覧みたいなのを記録するってのも、まさに狙われそうです。最近の隠れたヒット商品で、パスワード管理帖というのがあるんですが、こういうアナログ的管理の方が安心かも。

ということで、100均(キャン★ドゥ)で買ってきました。が、しかし、あまりにコンパクトに作られ過ぎていて、老眼のkuniには厳し過ぎます。スマホのアプリやパソコン用のパスワードマネージャソフトなんてのもあるみたいなので、そちらを試してみようかと。。。しかし、こういうアプリやソフトもハッキングの対象にされそうだしなぁ。

ダイナミックプライシング(DP) AIによる需要予測

このところやたらと目にすることが増えてきたダイナミックプライシング。先日はビックカメラが導入を決定したというニュースが流れていましたし、日経ではイーティゴというタイの会社のオーナーへのインタビュー記事が組まれていました。この会社のアプリを使うと、時間帯によっては10%~50%の割引でレストランンが利用できるんだそうです。

意外に歴史のあるダイナミックプライシング

需給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング。意外と歴史は古くて、航空券やホテルの宿泊料ではかなり昔から採用されてきました。閑散期にはお安く、繁忙期にはびっくりするくらいぼったくられるあれです、あれ。あれもダイナミックプライシングです。

ここにきて新たに導入する業界や企業が相次いでいるとのこと。AI(人工知能)による需要予測を使うことで、よりきめ細かく価格を変動させることができるようになたのが要因のようです。冒頭で書いたビックカメラもそうで、対面販売の全直営店舗で全商品に電子棚札を設置し、本部から一括して価格を変更できるようにするというものです。

他にも、プロ野球の楽天イーグルスが観戦チケットの価格を変動させているとか、Jリーグやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどでもダイナミックプライシングを導入しているといいます。そういえば、東京オリンピック開催期間中の夜の首都高を半額に、なんてニュースがありましたが、首都高なんかも渋滞状況に併せて料金変更とかするようになるんですかね。

利用者の目線で

お客さんがなかなか来てくれない時間帯は値下げしてくれる、そんなサービスは消費者としても大歓迎ですね。お客さんが来る、来ないに関係なくお店は固定費がかかっているわけで、それならお客さんに来てもらって、いつもの半分の利ザヤでも売った方がお店側も得なわけです。kuniは去年証券界を引退して、時間をある程度自分のペースで使えるようになったので、世のサラリーマンが使いにくい時間帯でもOK。どんどん値下げしてくださいって感じです。

こんなふうに、お客さんを呼びにくい時間帯に価格を下げて、来店を促す方は良いんですが、逆に繁忙な時間帯はどうでしょう。お店側としては当然価格を引き上げたくなりますよね。経済学的に言うとこの行為も合理的な行為のはずです。しかし、消費者としてはこれは許せませんよね。

リチャード・セイラーというノーベル経済学賞を受賞した偉い人によると、基準となる価格(定価と考えていいと思います)よりも価格が上がった場合、消費者は「弱みに付け込まれた」という印象を持ち、不公正と感じるんだそうです。

ダイナミックプライシングを導入する企業も、この消費者の感覚は十分留意していると言いますが、どうなんでしょうね。温泉旅館の土曜日とかの休前日料金なんて、、、kuniはまったく納得しませんけどね。