大幸薬品 役員報酬の減額を継続

大幸薬品は6/20、「役員報酬減額の継続に関するお知らせ」を公表しました。第1四半期連結累計期間において四半期純損失であること等を真摯に受け止め、業績回復を目的として、役員報酬の減額を更に6ヵ月間延長するということです。

大幸薬品

大幸薬品は、胃腸薬「正露丸」など医薬品の製造・販売を主力とし、衛生管理製品「クレベリン」など感染管理事業等も手掛ける企業。本社を大阪に置く東証プライム上場企業です。あのラッパのマークの会社ですね。

クレベリンで課徴金納付命令

今年4/11には、空気中のウイルスや菌を除去できるとした「クレベリン」の表示や広告には根拠がなく、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、6億744万円の課徴金納付命令を受けていました。同法に基づく課徴金命令額としては過去最高額と報道されてましたね。

これは痛いでしょう。同社の主力商品は正露丸シリーズとクレベリンシリーズくらい。コロナの感染拡大時にはおそらくクレベリンが材料視されたんでしょう、同社株は3,000円近くまで買われましたが、その後急落し、今では400円割れ。そこへクレベリンの優良誤認で課徴金です。おそらくもう売り上げの拡大は見込めそうにありません。

1年半も

まぁ、そこまで追い詰められているからこそでしょう。代表取締役(2名)の月額報酬の80%を6か月間にわたり減額(延長)です。調べてみるとこの代表取締役2名については、2022年6月から80%減額されてるんですね。1年半に及ぶ80%減額はさすがに辛そうです。

北弘電社 3億3,000万円の請負金請求訴訟

北弘電社は6/19、「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」を公表しました。2021年に当ブログでも取り上げた同社の原価付替え等の会計不正。その後、証券取引等監視委員会から課徴金納付命令を受け、一時は上場廃止の危機に陥りました。

北弘電社

北弘電社は北海道地盤の電気設備工事会社。ビル・建築物の電気設備工事を手掛ける屋内配線工事を主力に、送電線工事などを行う電力関連工事などを手掛けています。三菱電機が発行済み株式の26%を所有する、同社の持分法適用会社です。

訴訟の概要

原告が、同社に対し、岐阜県高山市における太陽光発電所建設プロジェクト(高山案件)及び岩手県奥州市における太陽光発電所建設プロジェクト(奥州案件)に係る土木工事や設計・監理等の業務を請け負い、同業務を完成させたが、請負経費・報酬金のうち一部未払いがあるとし、その未払金の一部を請求するものだそうです。

訴訟を提起したのは横浜の会社で、請求金額は3億3,000万円。高山案件と奥州案件、これって前に取り上げた会計不正の案件そのままです。あれから2年間、支払いを請求してきたけどかなわず、提訴に踏み切ったということでしょうか。

北弘電社はローカルかつ小さな企業のわりに、ブログで記事にすると結構多くの方に読まれるんですよね。読者のお一人(元同社の従業員の方)からは、「北弘電社の不正や体質の腐敗は外に出た情報の何倍もあり、私はどこかへ告発をしたいと日々考えておりました」などというメールもいただいています。

さてさて、ここからどういう展開になりますでしょう。

国立研究開発法人物質・材料研究機構 室長級職員が私的流用

国立研究開発法人物質・材料研究機構は6/16、「元職員による架空業者への不正発注について」を公表しました。当ブログでは上場企業以外での不正・不祥事は取り上げてこなかったんですが、この事案についてはちょっと特別に・・・。

国立研究開発法人物質・材料研究機構

物質・材料科学技術の水準の向上を図ることを目的として設置されている機関で、世界最高水準の研究開発成果の創出・普及及び活用の促進に向けた取組を進め、我が国のマテリアル分野を牽引する中核的機関としての役割を果たしているんだそう。

不正の概要

不正を行ったのは同機構の室長職にあった者。事業実態のない架空の個人事業主に対し、調達部署の承認手続きを要しない少額契約の不正発注や経費申請の手続きにより、機構業務を架空業者に繰り返し発注する形を装い、業務委託料等を私的に流用していました。

不正発注は2015年度から2021年度までの7年間にわたり行われ、発注件数は計69件、発注金額は総額27,248,500円だったそうです。

不正は昨年末に情報提供があって発覚し、機構側が内部調査をしていたようです。公表文では、「職員は死亡により退職したため懲戒処分は実施していない」としています。報道等でも、「流用を認めた後に死亡」と表現されています。状況からすると、おそらく自殺なんでしょうね。

不正等の調査で、行為者の自殺は最も回避すべきことです。本人が真摯に語ってくれれば、他にも様々な課題が見えてきたかもしれません。もちろん民間企業であっても同様です。

ITbookホールディングス 今度は会計不正とな?

ITbookホールディングスは6/16、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。ほんの1か月前に主要子会社の経理担当マネジャーによる約67百万円(公表時点での推計)におよぶ横領が発覚したばかりです。この件に関する調査委員会が閉じられる前に・・・。

会計不正の概要

同社および連結子会社の ITbook テクノロジー株式会社における 2021年3月期および 2022年3月期の会計処理において、一部に疑義があるとの指摘を、外部機関より受けたということです。こういう事案で「外部機関」と表現する場合、圧倒的に税務機関であることが多いです。

同社の連結上の投資有価証券に関する会計処理、および ITbook テクノロジーの売上高の前倒し計上に関する指摘を受けているようですね。これを受け、特別調査委員会を設置して調査を開始するとのこと(横領に関する調査委員会のメンバーとは全く別の委員で構成)。

不正や不祥事を受けて、複数の調査委員会が同時進行で調査を行うケース。以前、大和ハウスとかでもありましたね。まぁ、とにかくブサイクな話です。

ちょっと気になるのは

開示されているのはここまでなんですが、今回設置する特別調査委員会の委員等について、彼らの実績や能力などについて、やたらとアピールしてます。なんだろうこれ。今回指摘を受けている疑義の中に、「過年度において内部監査室による社内調査及び監査法人の求めに応じて実施した弁護士による調査が含まれている」んだそう。

過去に弁護士まで入れて判断した事案だけに、これを調査するためにはより高度な機能を有する弁護士等で委員会を構成した、、、ってことなんですかね。

オーハシテクニカ 海外子会社における資金流出事案

オーハシテクニカは6/15、「当社海外子会社における資金流出事案に関する調査結果及び再発防止策の策定並びに役員報酬の一部自主返上に関するお知らせ」を公表しました。4/25に、「当社海外子会社における資金流出事案について」、を公表してたんですね。見落としていました。

オーハシテクニカ

オーハシテクニカは、エンジン部品など数万点に及ぶ自動車関連部品を主体に、携帯電話機用ヒンジ(ちょうつがい部品)、ゲーム機用ヒンジ等の情報・通信関連部品の設計開発、製造、販売、物流業務を行う独立系サプライヤー。東証プライム上場企業です。

事案の概要

海外子会社であるメキシコ法人の代表者が、親会社代表者の代理人を騙る悪意ある第三者から M&A 案件に係る資金を内密かつ緊急に送金するよう虚偽の指示を受け、3 月 30 日から 4 月 3 日の間、3 回に渡り合計 2,094 千米ドル(約280 百万円)の送金を実行し、資金を流出させたというもの。

子会社代表者が単独で送金手続を実行したもので、他の当該子会社及び同社グループ役職員が本事案へ関与した事実や、当事者が関与した不正行為である可能性も認められなかったとしています。ビジネスメール詐欺だったの?

調査と開示のあり方

調査にあたったのは、社外取締役を責任者とし、外部の弁護士を含む「調査・対策チーム」だそう。社外取締役にしても、外部の弁護士にしても、同社に都合の良い理屈や結論をいくらでも用意するだろうし、こんな対応で良かったんでしょうかね。

百歩譲って良かったとしても、調査結果の開示内容があまりに抽象的過ぎ。なんでこんなアホみたいな詐欺に引っかかったのか、が理解ができません。役員報酬も返上して、とにかくさっさと幕を引きたかったんでしょうけど・・・。こんなんじゃダメでしょ。