ダイハツ工業 15車種、171万台リコール ボルトの締め付け不足で衝突時に座席が動く?

衝突試験や排出ガス、燃費に関する不正が発覚したダイハツ工業。今度は9/20、15車種、171万台のリコールを公表しました。タント、タフト、ミラ イース、ムーヴ キャンバス、ムーヴ、ロッキー、キャスト、ミラ トコットなどなど。トヨタ自動車とSUBARUにOEMで供給する車種も含まれています。

リコールの内容

不具合の内容は、「前部座席において、取付けボルトの締付けが不適切であったため、走行中の振動等により当該ボルトが緩むものがあります。そのため、取付け部から異音が発生し、そのまま使用を続けるとボルトが脱落し、最悪の場合、衝突時に座席が動き、本来の乗員保護性能を発揮できないおそれがある」というもの。

対象の車は171万台。2019年10月~23年10月製造されたもので、これまでに449件の不具合が確認されましたが、実際に事故が起きたという報告はないとのこと。持ち込まれた対象車両は、全車両当該ボルトを指示トルクで適切に締付ける対処をするそう。

リコールだけで済むの?

しかしまぁ、乗員のみならずシートまで外れて一緒に飛んで来たら、エアバッグもたまらんでしょうね。ちなみに、同社で最も多かった2022年の年間販売台数が約170万台(その後不正で生産は激減)といいますから、4年間で販売してきた車両の約1/4以上が不具合抱えてるってことになります。

これまでも数々の不正が発覚してきたダイハツ。そこへさらにこの大規模リコールの発生。リコールだけで済むものなんでしょうか。

巴川コーポレーション 静岡工場における火災事故

巴川コーポレーションは9/20、「当社静岡工場における火災発生について(第 1 報)」を公表しました。同社の静岡市駿河区所在の静岡工場にて、9/17の19 時 15 分頃出火し、約5時間後の深夜 0 時 21 分 に鎮火を確認したということです。

巴川コーポレーション

巴川コーポレーションは、トナーや半導体材料などの高機能性材料の製造販売を主力に、機能性シートなどを展開する企業。リードフレーム固定用テープやトナーなどの世界シェアの高い製品を有し、海外売上高比率が4割を占める東証スタンダード上場企業です。昔の巴川製紙ですね。

事故の概要

火災が起きたのは、株式会社巴川コーポレーション 静岡事業所の、ファイバーマテリアル事業部 機能性不織布の小型製造設備付近。鎮火までに約5時間を要しましたが、人的被害はなく、物的被害は上記設備の付帯設備である排気用ダクト及び建屋天井の一部が被災したとのこと。

この火災、ちゃんと適時開示されているんですが、17日(火)発生で18日(水)未明に鎮火しているのに、開示は20日(金)の12時というのはどうしたんでしょう。この第1報では詳細なことは公表していないので、この空白の2日間はちょっと気になります。

まぁ、関係ないだろうけど、昨年辺り、静岡市消防局では職員の殉職や放火などの不祥事が続いてるっていうニュースもあったね。

東北新幹線 走行中に車両の連結外れる 中央線でも

9/19、JR東日本の東北新幹線上りのはやぶさ・こまち6号が、古川(宮城県大崎市)―仙台間で走行中、はやぶさとこまちの連結が外れ、それぞれの列車が分離した状態で緊急停車するという事故がありました。時速300kmで走る車両だけに超危険な事故です。

事故の概要

秋田駅を出発したこまち6号(7両)が盛岡駅で同駅始発のはやぶさ6号(10両)と連結。東京駅に向かって走行中に連結部分が外れたとのこと。非常ブレーキが作動し、古川駅を通過後約6キロ走行した地点で停止。いずれの車両も脱線などはなく、約320人の乗客にけが人等はありませんでした。

今回は幸い脱線や衝突といった事故にはつながりませんでしたが、分離した車両のブレーキのかかり方が違うと互いに衝突する恐れがあり、列車トラブルの中では非常に危険な事象という指摘もありました。いや、マジでこれ怖いと思います。

JR東日本 中央線でも

報道によると、JR東日本が運行する中央線大月駅(山梨県大月市)で8月、発車直後に列車の連結が分離し、運転士が手動で停止させるトラブルが起きていたそうです。列車は約1時間遅れましたが、報道向けの事故情報では「車両点検」と理由を説明していたそう。

これ、マズいよね。もし本当に連結が外れていたことが事実なら、それを正しく公表しないと。このことがJR東日本内で共有されていれば、新幹線の事故が発生しないように対策がとれていたかもしれません。

輪軸組立作業不正(その3) 京王電鉄 JR九州

京王電鉄は9/19、グループ会社で鉄道の保守や整備を行う京王重機整備が実施した車輪と車軸を組み立てる作業で1786本の輪軸で圧入力値が基準値から逸脱ししていたことを公表しました。そのすべてで記録を改ざんしていたということです。

不正の概要

都営地下鉄、都電での輪軸組立作業で多くの不正が判明していたため、この結果はある程度想定できました。上記では1786本としていますが、その中には先日書いた都営地下鉄や都電における受託分も含まれていますので、京王電鉄分だけでは1500本弱という結果のようです。

なお、これらの結果について、京王重機整備の圧入作業後、京王電鉄では全ての輪軸について超音波探傷検査を実施し、傷がないこと、異常がないこと、また、3ヶ月ごとの定期検査において、車輪の内面距離(バックゲージ)を測定し異常がないことをそれぞれ確認しており、安全は確保されているということです。

JR九州

JR九州では、在来線の車両については、9 割程度の確認が終了しているとしながら、車輪の圧入力作業において、圧入力値が目安値を超過している輪軸が 328本見つかったとのこと。安全性の確認は取れているようで、こちらはデータの改ざんはなかったようです。

輪軸組立作業不正 東京メトロ、都営地下鉄、都電でも

JR貨物で発覚した輪軸組立作業不正、データ改ざんに続き、JR東海で最大圧入力値が目安値を超過している輪軸が在来線車両で11軸見付かりました(データ改ざんはなし)。そして今度は、東京メトロ、都営地下鉄、都電でも同様の問題が確認されています。

東京メトロでの点検結果

東京メトログループのメトロ車両で輪軸組立作業において、基準値を超過している輪軸が225軸あることが判明。また、同社が作業を受託していた東葉高速鉄道(2軸)と埼玉高速鉄道(6軸)でも同じく確認されており、データ改ざんも認められているとのこと。

都営地下鉄、都電

都営地下鉄、都電での輪軸組立作業は、京王重機整備という会社が受託していますが、三田線の203軸と新宿線の230軸、大江戸線の1軸、荒川線33軸で問題が確認されました。基準値を逸脱していたにもかかわらず、当局に対しては基準値内の数値に差し替えて提出していたことが判明しています。

基準値超過や不正行為の報告は今後も増え続けそうです。今のところ京王重機整備の酷さが目立っています。同社は名前の通り京王電鉄の車両整備を担当しているようですので、京王電鉄でも同様の点検結果が出てきそうですね。