TDK また営業秘密不正持ち出しで元従業員が書類送検

TDKは10/4、「当社元従業員の書類送検について」を同社ホームページで公表しました。同社の元従業員が不正競争防止法違反の容疑で、10月4日、東京地方検察庁に書類送検されたということです。当該事実が報道されたから、やむを得ず公表したって感じの文面。

TDK

TDKは、二次電池をはじめ、様々な電子部品を手掛けています。世界で唯一、HDD用磁気ヘッドを外販するほか、小型リチウムイオン電池では世界シェアトップを誇る東証プライム上場企業です。

不正の概要

元従業員退職後の社内調査の結果、当該元従業員による同社の秘密情報の不正な持ち出しが判明。そのため、同社は警視庁へ被害届を提出し、捜査に協力してきたとのこと。なお、現在までに確認された情報によると、元従業員による第三者への営業秘密の流出は確認されていないとしています。転職活動の一環で持ち出したデータを利用しようとしていたとみられるとのこと。

実はTDKでは、今年6月にも、元従業員2名が秘密情報の不正持ち出しによる不正競争防止法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検されてるんですね。不起訴となったみたいですけど。この事件が判明したちょうど同じ時期に、今回の不正も実行されています。

情報管理、どんだけユルユルな企業なんでしょう。従業員が自社の管理態勢の甘さを見切ってるってことです。

伊藤園子会社 タリーズコーヒージャパンで顧客情報の漏洩 9万件

タリーズコーヒージャパンは10/3、「弊社が運営する『タリーズ オンラインストア』への不正アクセスによる個人情報漏洩の恐れに関するお詫びと調査結果のご報告」を公表しました。「タリーズ オンラインストア」において会員登録した顧客92,685名の個人情報が漏洩した可能性があるとのこと。

タリーズコーヒージャパン

タリーズは伊藤園の100%子会社で、コーヒーチェーン店の経営、フランチャイズ展開も手掛ける(24/4期末で791店舗)非上場企業。そして伊藤園は、茶系飲料のトップブランド「お~いお茶」が看板商品の大手総合飲料メーカー。こちらは東証プライム上場企業です。

情報漏洩

そもそもは5月に発覚した同社直営のオンラインストアで発生した不正アクセスによるシステム障害が原因。発覚の経緯はクレジットカード情報の漏洩懸念について警視庁より連絡を受けたこと。って、この時点で不正利用が認識できたはずで、かつ、自社で気付けず、みっともない展開。

漏洩した情報は顧客92,685名の個人情報。さらにこのうち5万2958人はクレジットカード情報も漏れていたと。クレジットカード情報は、クレジットカード番号、カード名義人名、有効期限、セキュリティコード。と、全部ダダ洩れ、不正利用し放題。

おまけに、不正アクセスによるシステム障害を認識してから、情報漏洩に関する事実を公表するまでに4か月も要してます。クレジットカード会社と連携して不正利用に関しては救済策を講じているようですが、とにかくこの緩慢な対応は酷すぎますね。親会社の伊藤園も一切開示してないし、大谷翔平のCM契約も切られちゃうんじゃない?

群馬銀行 顧客の金5千万円を預かり着服

群馬銀行は10/2、「元行員による不祥事件の発生について」を公表しました。深谷支店兼深谷上柴支店の行員(渉外係、 20 代男性)が、顧客の金約5千万円を不正に預かり、着服していたとのこと。

群馬銀行

群馬銀行は群馬県、埼玉県および栃木県を主要な営業基盤とし、銀行業務を中核にリース、証券、コンサルティングなどを手掛ける群馬県最大の地方銀行。国内店舗網を群馬県内を中心に栃木、埼玉、首都圏、大阪の7都府県に展開する東証プライム上場企業です。

不正の概要

当該行員が、「新紙幣への両替の目標がある、両替を無料で受け付ける」、との虚偽の説明を行い、不正に現金を預かっていた事実が発覚。8/13から 9/3までの期間に、同様の手口により個人と法人16 先の顧客から 55,350,000 円の現金を預かり、ギャンブルに費消していました。

行員はオンラインで米大リーグなどの試合結果を予想する「スポーツ賭博」にのめり込み、預かった金のほとんどを使い込んでいたことが判明したとのこと(約400万円だけは回収できた模様)。

事実は小説よりも

犯行が行われたのは新1万円札の肖像に採用された渋沢栄一の出身地。この地では新紙幣発行でお祭り騒ぎでしたね。そして、着服した資金をつぎ込んだのはメジャーリーグ(大谷翔平選手が大活躍)の試合結果を予想する「スポーツ賭博」だったそう。なんか、ストーリーが出来すぎです。なお、同行は顧客に全額返済し、行員を9月20日付で懲戒解雇したとのこと。

株式会社サンリツ 連結子会社において従業員の不正が発覚

株式会社サンリツは9/30、「連結子会社における不正発覚及び調査費用による業績影響に関するお知らせ」を公表しました。同社連結子会社である SANRITSU LOGISTICS AMERICA Inc(以下SLA) にて、従業員による不正が発覚したとのこと。

株式会社サンリツ

サンリツは、精密機器など工業製品の梱包を中核に、トラック輸送、倉庫保管などの物流サービスを提供する企業。京浜地区を主力に成田、横浜などに拠点を展開する東証スタンダード上場企業です。SLAは国際貨物の包装梱包、自動車運送事業、倉庫事業を担当しています。

不正の概要

本年7月、内部通報により SLA に出向の同社従業員による不正行為の可能性を認識し、外部調査機関の調査により、当該従業員及び当該従業員から指示を受けた一部の従業員による数年にわたる複数の不正行為が8月上旬に発覚したとのこと。

不正行為の内容やその範囲、並びに会計への影響については、現在も調査を進めているとしており、今回の開示では不正行為の詳細は分かりません。なお、当該従業員はすでに8/26、懲戒解雇処分となっています。

「数年にわたる複数の不正行為」と表現されているあたり、それなりの規模の不正行為であることがうかがわれます。

国土交通省 鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果を公表

国土交通省は9/30、「鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果(速報)」を公表しました。9/12に全国の鉄軌道事業者に対し、鉄道車両における輪軸の緊急点検を指示。各社からの報告内容を速報としてとりまとめたということです。

点検結果

点検の対象となる鉄軌道事業者計156社のうち、不適切な事案が確認された事業者は計93社だったとのこと。そのうち、データの改ざんが確認された事業者(鉄道会社)は計52社。その製造を担った事業者等としては、JR東日本、JR貨物、メトロ車両、京王重機整備、総合車両製作所の5事業者が挙げられています。

現在運行中の車両の安全性に問題はないということですが、国交省は「記録を書き換えるといった不正行為は鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆すものであり極めて遺憾」としています。

JR貨物での不正に端を発したこの輪軸問題。予想通りほとんどの鉄道会社で同様の状況であったことが判明しました。輪軸の不正って車両整備全体から見るとかなり狭い範囲でのお話ですよね。その他様々な車両製造・整備における問題点はいったいどれくらいあるんでしょう。そっちの方が気になります。