nmsホールディングス株式会社 役員の経費使用巡り特別調査委員会設置

nmsホールディングスは10/22、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。特別調査委員会設置の目的を、同社一部役員による不適切な経費使用の有無に関する事実関係の調査だとしています。

nmsホールディングス

nmsホールディングスは、製造業向け人材サービスを提供するHS(ヒューマンソリューション)事業、電子機器や車載関連機器などの製造を受託するEMS(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス)事業、電源製品を製造するPS(パワーサプライ)事業を展開。海外にも進出し海外売上高比率が6割を占める東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

今回の開示では誰が、どのような不適切な経費使用をしていたのか、全く説明されていません。唯一具体的に記されているのが発覚の経緯。同社会計監査人である有限責任あずさ監査法人から、監査手続きを進める中で同社監査等委員会に対し、同社一部役員の経費使用に関する社内調査を行うよう要請を受けたというもの。

経費使用が問題視されるパターンとしては、圧倒的に多いのがトップによるもの。同社もトップが実質的筆頭株主ですし、そのパターンですかね。あとは、2人いらっしゃる子会社の社長を兼務されている取締役でしょうか。

気になるのが、同社の社外取締役2名と外部の弁護士1名(同社との利害関係については不明)という委員会の構成メンバー。形式だけの調査結果になるんですかね。調査結果を待ちましょう。

ガリバー グッドスピード 保険水増し疑いで金融庁が立ち入り検査

報道によると、金融庁が中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)と、同業大手のグッドスピード(名古屋市)の2社に立ち入り検査に入ったとのこと。旧ビッグモーターによる保険金不正請求と同様、2社においても不正請求が行われていたとみているようです。

IDOM グッドスピード

グッドスピードは中古車販売店を東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)を中心に出店する企業。過去に何度も当ブログでも取り上げてきました、そちらもご参考に。IDOMも「ガリバー」ブランドを中心に日本全国に店舗を展開する中古車買取・販売大手です。

グッドスピードは昨年10月に、調査した1664件のうち91件で「不適切疑義案件」があったと発表していましたが、この結果に金融庁は満足していないようで再調査となります。同社では不正会計も出てきてましたね。ただこの会社、宇佐美鉱油がTOBを実施したことで今年8月に上場廃止となっています。

一方のIDOM(ガリバー)の方は保険金の不正請求だけではなく、自動車保険契約の見返りとして、車両の販売価格を割り引くといった保険業法上の違反行為(特別利益の提供)の疑いも浮上しているんだそう。

中古車販売業者になぜ金融庁が?と思われるかもしれませんが、彼らは保険会社の委託を受ける代理店でもあるため、保険の販売状況を管轄する金融庁としては、上記のような不正請求や販売時の不法行為を許さないんですね。これ、まだまだ他業者に拡大しそうですね。

株式会社プロトコーポレーション 従業員の不正行為

プロトコーポレーションは10/18、「特別調査委員会設置及び 2025 年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表しました。同社社員による不適切な取引について社内調査を進めてきましたが、特別調査委員会を設置することを決めたということです。

プロトコーポレーション

プロトコーポレーションは、クルマ情報誌「グー」やクルマ・ポータルサイト「グーネット」などのメディア展開や情報サービスの提供と、中古車や各種チケットの販売を手掛ける東証プライム上場企業。博多華丸大吉さんと高橋ひかるさんの、「カー!と言えばグーネット」というCMでおなじみの会社ですね。

不正の概要

今年5月、同社社員による一部取引において、売掛金が未回収となる事案が発生したことを受けて、当該社員に事情を確認しようとしたところ、当該社員との連絡が取れなくなりました。その後、7月以降に当該社員と直接連絡がとれ、事実関係の確認を進めたところ、社員が架空取引をしていた疑いが発覚したということです。

2016年7月〜24年3月で、架空の売上額は18億円にのぼるということで、詳細を調査するため特別調査委員会を設置し調査を開始するということです。かなりデカい不正のようです。開示のタイトルにあるように決算発表も延期となっています。

日本甜菜製糖株式会社 北海道士別製糖所で火災事故

日本甜菜製糖は10/16、「当社士別製糖所における火災発生について」を公表しました。10/15午前4時ごろ、士別市西3北4、日本甜菜製糖士別製糖所の飼料工場内で出火し、鉄骨造り4階建て一部2階建て約810平方メートルの屋根や壁の一部とビートの搾りかすが焼けました。

日本甜菜製糖

日本甜菜製糖は、「スズラン印」ブランドの砂糖製品の製造販売が中核。国内では北海道でのみ栽培される甜菜(てんさい)を原料とする国産糖のトップメーカー。このほか、飼料や農業資材、不動産などの関連事業を手掛ける東証プライム上場企業です。北海道が地盤で、設立当初の社名は北海道製糖でした。

事故の概要

10/15の午前4時ごろにビートパルプ工場のパルプ乾燥設備より出火し、約6時間後に鎮火しました。人的被害はないとのことで、物的被害については、現在調査中としています。製糖所は操業を停止しており、再開の見通しは立っていないとのこと。

士別市は北海道の北部に位置し、今回事故のあった甜菜製糖が主要な産業だそう。ほかに羊の牧畜なども。冬季は-30℃前後の気温が観測されることが珍しくないようで、自動車・タイヤメーカーの試験場がつくられ、冬の厳しい寒さを利用した寒冷地試験が行われているそうです。

アコム株式会社 銀行出向社員が銀行の個人情報を漏洩

アコム株式会社は10/16、「弊社出向者による個人情報の不適切な取扱いについて」を公表しました。八十二銀行に出向中の同社社員が、株式会社長野銀行のカードローン契約者および八十二銀行の顧客の個人情報を、顧客の同意取得前に同社に送信していたとのこと。

アコム株式会社

アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の消費者金融大手。営業資産残高や顧客数などから、業界のリーダー的地位。ローン・クレジットカード、信用保証、海外金融、債権管理回収の各事業を展開する東証スタンダード上場企業です。

事案の概要

業務提携先の長野県の地方銀行に出向していた社員が、本来は共有してはいけない銀行の預金者の個人情報を10万件以上、自社に流す不適切な取り扱いがありました。八十二銀行においては、本人の同意を得ることなく10万件を超える個人情報を、また、八十二銀行と合併する予定の長野銀行については、1800件以上の個人情報を自社に送信していたとのこと。

このところ損害保険会社や保険会社などで横行した不正行為と同様ですね。アコムでは入手した情報で営業はしておらず、すべて削除したということですが・・・。この事件、日経ではなぜか「誤送信」と表現されていました。当該社員がルール(共有可能な顧客の範囲)を誤って理解していたから「誤送信」、ということのようですが、一般的にこういうの誤送信と言いますかね?不正行為ですよ。