深夜の適時開示情報

「適時開示情報閲覧サービス」では、国内金融商品取引所の上場会社及び日本証券業協会が指定するフェニックス銘柄が開示した投資判断上重要な情報を見ることができます。決算の状況から不祥事等の公表まで、株式投資に必要な情報がテンコ盛りです。

適時開示とは

適時開示(てきじかいじ)とは、公正な株価等の形成および投資者保護を目的とする、証券取引所に上場している会社が義務付けられている「重要な会社情報の開示」のことをいいます。この情報開示で株価が動意づくことも少なくないため、通常は取引所が閉まる15時過ぎに開示するんですね。

ところが会社の中で開示すべき情報が錯綜したり、社内で意見がまとまらなかったりといったケース、開示が夜遅くなってしまうこともあります。東証の適時開示情報閲覧サービス。いわゆるTDnetでは開示した時間順に開示情報が並びますので、開示日を指定すると、夜遅くに開示した企業から順に表示されるんですね。

混乱している企業が

例えば6/4(木)はというと、天馬が22:40に開示してます。監査等委員が会社側提案(取締役の選任議案の件)を不適切だとした件についての同社取締役会の見解を載せてるんですね。この時間まで大混乱していたんでしょうね。

6/2(火)はというと、五洋インテックスが19:00に3本の開示情報。取締役、監査役が全員退任し、役員を全面刷新するという情報開示でした。5/29には、プロスペクトが20:00に、UMCエレクトロニクスが19:45に、そしてさらに共和コーポレーションが19:30に開示を行っています。

開示すべき情報が社内で混乱し、開示時間が遅くなる会社。訳ありの企業がズラリと並ぶわけですね。東証の適時開示情報閲覧サービス、こんな見方も面白いかと。

西武ホールディングス 施工管理技士等で実務経験虚偽 第三者調査委員会設置

西武ホールディングスは6/12、同社の子会社において、役職員が事実と異なる実務経験により施工管理技士等の資格を取得していたことが判明したと公表しました。子会社は、西武建設株式会社、西武造園株式会社、横浜緑地株式会社、西武緑化管理株式会社の4社です。

今分かっていること

社内データが残っている2009年度以降を調査した結果だそうです。実務経験が虚偽とみられる資格は、西武建設で34個、27名。西武造園で56個、35名。横浜緑地で1個、1名。西武緑化管理で2個、2名となっています。ほぼ建設と造園が占めてますね。

資格の方はというと、(1級、2級)土木施工管理技士、(1級、2級)建築施工管理技士、(1級、2級)造園施工管理技士、1級管工事施工管理技士、1級電気工事施工管理技士、1級建設機械施工技士の9種類です。

在籍および退職した役員・社員でこれらの資格者929名を調査したところ、約7%にあたる65名(資格数では93個)が事実と異なる実務経験で資格を取得していたようです。

6/12に第三者調査委員会を設置し、さらなる調査を行い原因を究明、再発防止に全力を尽くすとしています。新型コロナ対応も考慮し、調査の期間は3か月ないし4カ月程度を想定しているようです。

やっぱり拡大してきた

施工管理技士の実務経験問題、大和ハウス、東レ子会社の水道機工、水機テクノスと続いてきました。予想していた通り、やはり次が出てきました。自己申告(所属する企業が証明)でOKという国家試験のルールに問題もあるわけですが。。。

それでも、やはり所属する企業の体質、ガバナンスの問題ですよね。まだまだ続きそうです。そういえば、水道機工の調査報告書まだ出てきてないね。

SMBC日興証券 元社員のインサイダー取引に有罪判決

オフィス家具のイトーキが実施したTOBをめぐり、インサイダー取引を行ったとして、金融商品取引法違反に問われていた元SMBC日興証券社員鈴木直也被告。大阪地裁は懲役2年、執行猶予3年、罰金200万円の判決を言い渡しました。

事件のおさらい

事件は2016年8月ころ。ダルトン株に対するイトーキのTOBについて、公表前にその情報を知った鈴木被告は、知人の山脇氏に伝え、山脇氏がダルトン株を29万6千株(約5300万円)を買い付けたというものでした。詳細は下の関連記事をお読みいただければ。

調査によりこの事実を検知した証券取引等監視委員会は、2018年、鈴木被告を金融商品取引法違反容疑で大阪地検に告発。大阪地検特捜部は同年11月末、鈴木被告と山脇氏を逮捕しています。で、その裁判の結果が8日に出たという流れです。

SMBC日興の一人負けだね

2012年に発生した、執行役員(当時、三井住友銀行から出向中)がTOBに係るインサイダー情報を知人に提供し、3600万円の利益を得たという事件。こちらは、最終的に横浜地裁で教唆犯が成立しています。

今回のイトーキTOBに係るインサイダー取引も、とりあえず一審では有罪判決となりました。SMBC日興の役職員は二人とも有罪です。会社としての責任も重いものがあります。

さらに、SMBC日興証券が事件のおかげで社会的信用を失ったとして、この元執行役員を相手に損害賠償を求めていた件は、、、残念ながらこの請求は棄却されました。

とまぁ、同社にとって鬼門のTOB。訴訟の結果を見ても踏んだり蹴ったりです。

ネットワンシステムズ 東証へ改善報告書を提出

6/5、ネットワンシステムズは東京証券取引所から求められていた、「改善報告書」を提出したそうです。昨年12月から特別調査委員会で調査し、架空循環取引や原価付替取引が発覚した件についてですね。なかなか立派な改善報告書ですが・・・。

これで一区切り

改善報告書においても、架空循環取引は当時マネジャーのA氏単独の不正行為であり、社内において組織的に実行されたものではない。。。という見方を崩していません。が、その割にはかなり大掛かりな再発防止策。これを提出して一区切りということなんでしょうね。

しかし、ここ10年間で2度の架空取引事件の舞台となってしまった同社です。取引所はルール通りに報告書を受け取ってお終いかもしれませんが、世間はそうは見てくれません。改善報告書に内包された再発防止策、ちゃんと実現できてナンボです。

施策の評価

再発防止の施策の数々。ここではいちいち取り上げられませんが2点だけ。まず一つは対官公庁ということで設けられていた霞が関オフィスの撤収です。本社の2線、3線機能が及びにくい別ロケーションのオフィス撤収は正解だと思います。多分この施策が最もコスパ高いです。

そして二つ目が「属人化の防止」。同一顧客の担当期間が5年以上になると、必ず異動または担当顧客の変更を行うという施策です。金融機関でも同じルールがありました。ところが金融界ではここ数年でこのルールが廃止されています。

顧客に寄り添い、顧客本位で付き合うためには長期間担当するべきでは?という考え方が出てきてるんですね。顧客担当者が定期的に交代することは、一方で顧客満足度を低下させてきました。少なくとも金融界では。属人化による弊害に関しては、他の改善方法を検討してみた方が良いのではないか、、、と思います。

レオパレス21 2020年3月期 800億円の赤字

6/4 レオパレス21は、2020年3月期の業績予想数値を大幅下方修正しました。当期の最終損失は304億円→803億円。なんとほぼ500億円の下方修正ですね。これマジでヤバくなってきました。同社にもやはり新型コロナの影響がここから大きく出てくるでしょうし。

純資産が

この時期にまだ予想の修正かよ、って感じですね。2019年3月期の最終損失は687億円でした。で、同期末の純資産額は813億円まで減少しています。つまり2020年3月期の期初の純資産額が813億円でスタートし、803億円、、純資産がほぼ吹き飛んだことになります。

入居率

同社のサブリースの特性上、80%を下回ると逆ザヤになると言われている入居率の推移。昨年10月に初めて80%を割れ、年末まで下げ続けました。今年に入って3月までの3か月間は80%を超えて推移し、3月は83.07%まで回復してたんですね。

ところが4月は81.40%まで下落してます。一旦は回復の傾向が見られていましたが、おそらく新型コロナの影響が出始めたんでしょう。先ほどの803億円の損失はあくまで3月までのもの。4月以降のコロナの影響はこれからです。相当マズいことになりそうです。

外部からの出資

正直言って、レオパレス21の自力での回復はもう無理っぽいですね。日経の記事でも「外部からの出資を募るしかない」と、ある証券会社のアナリストの見立てを載せていました。物言う株主が同社株の44%を保有しているため、他者が手を出せないとも書いてます。

続報で1000人の希望退職者を募ると伝えられましたが、最後はメインバンクがどう考えるか。ですかね。りそな銀行も関連するローンを相当抱えているようですし、どう判断するんでしょう。時間はあまり残されてません。