西華産業 ミスターマックス・ホールディングス 従業員の不正行為

昨年末12/28に公表された2つの事件。年末のバタバタで書けてませんでしたので、この辺りで備忘的に整理しておきます。西華産業は「当社連結子会社社員の不正行為に関するお知らせ」、ミスターマックスは「2021年2月期第3四半期決算発表延期の可能性に関するお知らせ」です。

西華産業

西華産業は三菱グループの総合機械商社です。各種プラントや機械装置、環境保全設備などの販売および輸入が主力事業です。その100%子会社である日本ダイヤバルブ(品川区/バルブの製造・販売/従業員205名)の社員が不正を起こしたとのこと。

10月下旬、税務当局からの照会を受け、社内調査を実施したところ、約1億円に及ぶ金銭騙取の事実が確認されたとのこと。既に刑事および民事の手続きを進めており、これまでに判明した事実を公表するに至っています。

既に警察が動いていて、捜査に支障がなくなったと判断しての公表ということですので、事件に対する捜査自体は一段落している様子です。

ミスターマックスHD

同社は総合ディスカウントストアのMrMaxを中核会社とする持ち株会社。このお知らせのタイトルは何なんでしょうね。タイトルだけチェックしていると同社で不正が起こったことを見逃してしまいそうです。これ、狙ってやってるんですかね。だとしたらタチが悪いです。

昨年11/25、同社従業員の申告により会社資産の不正流用の疑義を認識したそうです。複数の取引先からリベート等として不正に金銭を受領。その額は本人の申告によると9,000万円程度だそうです。

これを受け12/16には外部専門家を加えた社内調査委員会を設置して、実態把握のための調査を実施しているんですが、ここへきて第3四半期の決算発表が間に合わない可能性が出てきたということで公表に至ったということです。あくまで決算発表の延期のお知らせですね。

決算発表の延期も重要ですが、不正が発覚したらできる限り速やかに第一報じゃないですかね。

わらべや日洋ホールディングス 子会社ソシアリンクが入管法違反で起訴

わらべや日洋は1/5、連結子会社 株式会社ソシアリンクが、2020年12月28日に、出入国管理及び難民認定法(入管法)違反の容疑で、千葉地方検察庁により起訴されたことを公表しました。同社千葉営業所の社員4名も12/8に同じく入管法違反の容疑で起訴されています。

どういう開示?

開示されたのはこれだけです。子会社ソシアリンクの会社概要が添えられていただけ。もう少し株主に対してしっかり事実を伝えるべきではないでしょうかね。

調べてみるとこの事件、人材派遣会社ソシアリンクが在留資格のないベトナム人の元技能実習生らを、千葉県市川市の食品工場に違法に派遣したとして、警察が同社の営業所長ら4人を不法就労を助長した疑いで逮捕したというもの。

所長らが在留期限が切れていたことを把握したうえで工場に派遣していた疑いがあるということでした。捜査が進むと、ソシアリンクとしては80人ほどを違法に派遣していることについて、千葉営業所から報告を受けていたことがわかったそうです。

開示も報道も不思議

警察による逮捕・書類送検は11月~12月に報道されていましたが、なぜか「わらべや日洋」の社名は出てきません。ソシアリンクはわらべや日洋ホールディングスの100%子会社なのに。わらべやはセブンイレブンにおにぎりや弁当、お惣菜を納めている会社です。同社の筆頭株主もセブンイレブンです。

だから報道も広告宣伝費たくさん使ってくれる親会社に触れにくい?セブンイレブンに申し訳ないから、わらべや日洋も余計な開示はしない?  って、おかしいでしょ。日本を代表する企業なんだから、セブンがわらべや日洋へ開示の在り方をしっかり指導するんじゃないの?、、、と思いますけどね。

(おまけ)このわらべや日洋って会社。2011年にも前代未聞の給与未払い事件を起こしています。グループ会社の社員とパート合わせて約1万2千人に対し、約2年5カ月分の賃金の未払いがあったとして約13億8千万円を支払っています。ゆるい会社です。

天馬 前取締役に対する損害賠償請求訴訟の提起

同社の監査等委員会は12/28、第三者委員会の調査報告書において認定された事実等を踏まえ、当時の取締役6名の職務執行に関して善管注意義務違反があったと判断し、東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起しました。海外子会社での不適切な金銭交付でしたね。

いろいろありました

ベトナム子会社の贈賄事件という不祥事で当ブログでも取り上げた同社でしたが、会社と元名誉会長、監査等委員会、投資会社入り乱れての取締役選任争いに発展しました。この損害賠償請求訴訟も避けて通れないですわな。

お知らせでは前取締役6名に対し、一人ずつ損害賠償請求額が示されていますが、訴状記載の請求額がすべて認められた場合に同社が前取締役6名から支払いを受けられる合計金額は3億7648万8988円だそうです。

問合せ先

今回のお知らせ、問合せ先は総務部付 部長となっています。これまでこういうお知らせでの問い合わせ先は常務執行役員総務部長だったんですが、この常務が今回訴えられている6名のうちの一人なんですね。他にも現執行役員が含まれてるようです。いずれも取締役を降りたものの執行役員で残った人たちです。

取締役を解任されて、損害賠償請求訴訟を提起することになるのに、その間執行役員としての給料等を支払ってるのもよく分かりません。

さらに、この提訴のお知らせ、TDnetで見付けたんですが、同社のホームページではなぜか見当たりません。この会社どうも一貫性がないというか、、、ホームページで隠す理由も分かりません。

シャープ 連結子会社の不適切会計 調査委員会を設置 カンタツ

シャープ株式会社は12/25、同社の連結子会社であるカンタツ株式会社において、不適切な会計処理が行われていたことを公表しました。カンタツ社に対して、徹底した網羅的な調査を行う必要があるとして、外部の弁護士、公認会計士を含む調査委員会を設置しています。

カンタツ株式会社

もともとは関東タツミ電子株式会社。2005年にカンタツに社名変更してますね。創業当時は液晶プロジェクターの光学ユニットを生産していて、2000年代に入ってからは携帯電話カメラ用のマイクロレンズユニットの設計・製造を始めています。

現在もこれが主要事業で、2017年当時のニュースでは、スマホレンズ大手と呼ばれてますし、「アップルの iPhone にもレンズを供給する有力サプライヤー」などと説明されてます(日経記事)。シャープは2017年にカンタツの増資を引き受けるなどして筆頭株主になっています。

カンタツの連結売上高は2018/3月期:179億円、2019/3月期:183億円、2020/3月期:192億円と毎期伸ばしています。この中に実体のない売上が含まれているということのようです。

不適切会計の概要

シャープ本体の内部監査部門がカンタツに対して11月監査を実施。その際に、注文書がなく製品の出荷なく売上を計上していることが判明しました(今期ですね)。

そしてさらに調査を進めると、前年度から長期滞留している売掛金に関する売上についても、同様に複数の不適切な会計処理が存在していたとしています。

先ほど同社の売上の推移を見ましたが、一方で営業利益で見ると2019年3月期が赤字になるなど、純利益ベースでは苦しんでいます。何がなんでも業績を回復させる、、、みたいなプレッシャーがかかっていたような感じにも見えますね。あとは調査結果を待ちましょう。

東洋紡 度重なる不祥事 安全認証不正取得

東洋紡は12/29、PBT樹脂「プラナック」に関する不適切事案の調査結果を公表しました。この件についての第一報は10/28で、第三者の委員も入れてプラナック事案対応委員会を立ち上げ、調査をしてきました。プラナック以外の製品については、現在まだ調査中とのこと。

今年3回目の不祥事

まぁ、次から次へと起こしますねぇ、不祥事。以下に並べたように、今年に入ってからでも3度目の不祥事になります。

6/17 オメプラール注用20 自主回収に関するお詫び
9/28 当社犬山工場における火災につきまして(お詫び)
10/28 当社PBT樹脂「プラナック」の第三者認証登録内容における一部不適合について

オメプラールの件は、同社大津医薬工場における製造区域に要求される清浄度に関するモニタリングに不備があったというもの。これを受けアストラゼネカの決定により全品回収となりました。

犬山工場については、工場内のフィルム製造ラインから出火し、従業員2名が死亡、1名が負傷したという事件。実はこれだけでなく、少し遡ると、2019年4月には三重工場で火災が起きていますし、2018年9月には敦賀事業所でも火災を起こしています。

そして今回のプラナックの認証不正。2010年に他社から譲り受けた事業で、当該他社が米国の認証を、実際の商品とは異なる組成のサンプルで取得していたようです。譲渡時に東洋紡もそれを認識していながら、ここまで引っ張ったんですね。タチ悪いです。

プラナック事案から見えてくること

東洋紡はプラナックの不正認証を2010年から認識していて、少なくとも2015年には組織としても認識していました。その後、2017年、2018年と検査不正や不適切検査などといわれる他社での事件が毎日のように報道されました。この当時、東洋紡ではプラナックの不正認証を隠蔽し続けてきたということです。やっぱりタチ悪いです。