京三製作所 大豊建設 朝日ラバー 決算発表延期

2021年3月期第3四半期決算発表が迫る2/10、上場5社が決算発表の延期を公表しました。うち2社は新型コロナの影響での延期。タイトルにある3社は訳ありの延期ですね。当ブログで取り上げてきた3社ですので、ここらでアップデートを。

京三製作所

同社に関しては非常に気の毒で、、、。本社工場における火災が原因です。開示された情報、第4報では次のような記述が。「警察・消防による現場検証が行われましたが、当社設備に起因する出火ではありませんでした。引き続き関係当局の調査に全面的に協力しております。」  もう残るのは放火ぐらい。マジで気の毒です。

大豊建設

契約金額を水増しした発注を行い、水増し分を同業者にてプールしてもらったうえで、同社が発注する別工事の工事代金に充てるといった不正が発覚した同社。調査の過程で原価の付け替えやプールさせた金の流用などが出てきているようです。

プロジェクトが儲かっているように装う原価の付け替えや、資金の横領、これくらいのことが出て来るのはまぁ当然ですよね。以前書いたように、2月初旬までと見込んだ、実質3週間弱という調査期間の想定は、やはり甘過ぎました。決算発表を延期して徹底した調査を実施。それでいいと思います。ちなみに今回の開示は「延期の可能性」としています。

朝日ラバー

同社連結子会社における棚卸資産の過大計上の発覚について、調査委員会の設置を公表していた朝日ラバー。同社も延期を公表しました。当該連結子会社が中国の子会社ですからね。

調査委員会の設置から既に1か月半近く経過しましたが、今回の開示には新たな情報が一切含まれていませんでした。理研ビタミンなんかもそうでしたが、調査自体が難航しているものと思われます。

アルコニックス株式会社(3036) 特別調査委員会 調査報告書を公表

アルコニックスは2/5、同社の連結子会社における不適切な会計処理に関して設置していた特別調査委員会から、調査報告書を受領し公表しました。名古屋営業所の所長が一人で行ってきた会計不正だったようです。ただし、一連の不正による所長の個人的な利得はまったくなかったようです。

アルコニックス三伸 名古屋営業所

不正の舞台になったのは連結子会社のアルコニックス三伸 名古屋営業所です。不正を行ったのは2017年に所長となった人ですが、従業員は他に3名のみ。所長になる以前から実質的に所長同様の役割だったといいます。つまり誰も彼を牽制できない状況。

加えて、本社からの管理もほとんど実効性のあるものではなく、まぁ言ってみればやりたい放題の環境だったんですね。この所長、入社当時は同営業所の所長を父親がやっていたとか。所長の息子だからみたいな扱いもあったかもしれません。

不正の概要

取引先との銅管取引(販売)における売上原価の過少計上と、それに伴う棚卸資産の架空計上というもの。銅が高騰し、取引先に販売価格の値上げを打診するも、難色を示されたため今回の不正を始めたようです。

そしてこの不正を続けることで、帳簿上の在庫が積み上がり、棚卸で事態が発覚することを恐れて次の不正を始めます。棚卸のこの超過した在庫分をまた別の取引先に販売したことにして、後にこれを買い戻すという架空往復取引を続けるようになったんですね。

2013年4月以降

証跡としては2011年当時の架空往復取引が確認されているようですが、アルコニックス三信の販売管理システムのデータが2013年4月以降しか残っていないため、調査報告書ではそれ以前の不正については推計できないとしています。ここは妙にアッサリ。

前回も書きましたが、2010年の東証一部上場に対して、この会計不正がどういう影響を与えていたのか、、、については一切分からないままですね。これで東証は納得するんでしょうか。

富士ソフトサービスビューロ ユー・エム・シー・エレクトロニクス 審判手続開始決定通知書

有価証券報告書等の虚偽記載について、証券取引等監視委員会から課徴金納付命令の勧告が行われた富士ソフトサービスビューロ。2/4には「審判手続開始決定通知書」を受領したことを開示しています。応諾することも併せて表明しました。

開示の内容

「2/4付けで審判手続開始決定通知書を受領し、取締役会でその内容を応諾することおよび答弁書を金融庁審判官に提出することを決議したことをお知らせします。」と書かれています。投資家や株主のための開示のはずですが、難しいですね、これ。

課徴金納付の流れ

ということで少しわかりやすくしてみましょう。いつも書いているように、まず証券取引等監視委員会が内閣総理大臣および金融庁長官に対して課徴金納付命令の発出を勧告します。これを受けて、金融庁は審判手続開始決定通知書を当該企業に送付します。

企業は通知を受けた内容(審判の期日、場所、違反事実、課徴金の額など)を確認し、異議がなければこれを応諾し、違反事実、課徴金の額を認める旨の答弁書を提出します。答弁書を提出することで、審判(裁判類似手続である行政審判)は開催されることはありません。

その後、審判官は課徴金納付命令決定案を作成し、金融庁長官に提出します。金融庁長官は、その決定案に基づき、課徴金納付命令の決定を行います。ザックリ、こんな流れなんですね。

今回の富士ソフトサービスビューロの開示。審判手続開始決定通知書を受け取ったけど、課徴金納付に関して異議がないので、答弁書を提出して納付命令に従うことにしました。ということでした。同じ日に勧告されているユー・エム・シー・エレクトロニクスはまだ何も開示してませんね。

高松コンストラクショングループ 今度は髙松建設で従業員の不正行為

高松コンストラクショングループは2/5、「当社連結子会社社員に対する刑事告発について」を公表しました。昨年12月、連結子会社の青木あすなろ建設で従業員の不正行為を公表したばかりの同社。今度はもう一つの中核子会社高松建設での不正行為です。

不正の概要

高松建設が設計・施工で進めてきた物件において、同社従業員が単独で建築確認申請書類および確認済証の偽造をおこなっていたというもの。同社の社内調査により事実関係が判明したといいます。

判明後、本件に関して同社社内において徹底した調査を実施。当該調査結果を踏まえて、同社は、当該従業員を公文書偽造・同行使の容疑で刑事告発しました。

トカゲの尻尾切り

辞書で引いてみると、トカゲが危機に瀕した場面などで自ら尻尾を切除し、外敵から逃れようとする行動のこと。比喩としては、組織で事件や不祥事が起きた際に、組織内で比較的立場の弱い者に表向きの責任を取らせ、より責任を追うべき立場にある者が責を逃れること、つまりスケープゴートにすることを指す。と説明されています。

昨年末に起きた不正にしてもそうでしたし、今回の不正に関しても同様。組織で発生した不正を実際に行為を行った一従業員だけの責任にして、処分。今回は刑事告訴。そうした不正が発生することとなった原因等、組織や経営に根差す問題や課題を放置するんですね。西華産業の記事でも書きましたが、こういうのはいかがなものかと。

代表取締役の異動

2/10には、青木あすなろ建設出身の社長が退任し、高松建設創業者一族、高松氏が社長に就任しています。昨年末の青木あすなろ建設の不祥事の責任を取って社長が退任。創業者の長男の長男、高松氏が社長に就任するにあたり、直前に高松建設の不祥事を大掃除したって感じですか。

博報堂DYホールディングス またまた子会社従業員の不正

博報堂DYは2/10、同社連結子会社である株式会社博報堂プロダクツ元社員による不正が発覚し、それにともない発生した損失の計上を行ったことを公表しました。同社グループの損失額の合計は、なんと約27億10百万円となり、第3四半期連結決算において同額を特別損失として計上しています。

不正の概要

2016年からの4年間にわたって、同社名を騙って金券及び商品券の発注を行い、入手した金券及び商品券を現金に換金し、当該発注の代金を支払うために金券及び商品券の発注と現金への換金を繰り返していたとのこと。換金により得た現金の一部は同社員が個人的に使用していたといいます。

開示分を読みながら、7億円を横領して六本木で豪遊していた奴を思い浮かべていたんですが、あの7億円男は博報堂DYメディアパートナーズという会社でした。今回開示されたのは博報堂プロダクツ、、、。あれとは全くの別件かよっ。てマジで驚きました。

会社の損失が27億円といいますから、これだけのお金を社員は費消していたということですかね。ちょっと桁が違いますね。広告代理店ってロクな話聞かないけど、ちょっと酷過ぎですわ。金銭感覚もかなりズレてる感じ。

どういう管理が?

こんな原始的なワルサ、自転車操業をなぜ4年間も放置してしまったんでしょう。「業務とは関わりなく行われたことから、当社としては把握することができず、、、」などと説明されており、恥ずかしいことに、「昨年12月に、発注先からの残高確認によって事態を認識した」とも。

「特別委員会を設置して詳細な実態を明らかにしつつ、再発防止策を検討する」とはしていますが、調査結果や再発防止策は公表されそうじゃないですね。とりあえずの再発防止策は「換金性の高い物品の取引を当面、原則禁止といたします。」ですって。「当面」とか「原則」ってなに?